03. 2014年7月30日 10:55:41
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>>02エネルギー効率は、日本も高いが、どちらも価格も高い http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41327 JBpress>海外>欧州 [欧州] ドイツの再生可能エネルギー:“しわ取り”は高くつく 電力会社は火の車。経済を無視したグリーンエネルギー推進のリスク 2014年07月30日(Wed) 川口マーン 惠美 今日のテーマは「しわ取り」。といっても、美容の話ではなく、電気の話だ。「しわ取り」というのは、電力会社の業界用語でもある。 太陽光や風力の電気は、お天気によって発電量が多くなったり少なくなったりする。それを見ながら、他の電源の電気を増減させて、全体の発電量を安定させるために調整する作業を、「しわ取り」と言うのだそうだ。とても分かり易い。 「推進派」と「懐疑派」のすれ違う主張 ドイツでは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の開発に関しては、もちろん、誰も異存はない。ただ、再エネ電気をどの程度、全体の電気に混ぜることができるかという問題になると、賛否両論だ。 再エネ推進派は、「いずれ再エネだけで、ほとんどの電力需要を賄うことができる」と言う。再エネ推進派は、たいてい強硬な反原発派でもあるので、再エネ電気をどんどん増やし、なるべく早く原発から決別し、できれば空気を汚す火力発電所もなくして、クリーンな国になりましょうというわけだ。 一方、もう一つのグループ、いわゆる再エネ懐疑派は、「再エネが30%も入ると、ドイツは安定した電力供給を保証できなくなり、コストも急増し、産業国としての大きなハンディを負う」と主張する。 お金さえかければ再エネ電気を際限なく増やすことは可能だが、太陽光・風力は、発電施設をいくら増やしても、お天気によっては、発電量が突然ほぼゼロになってしまう可能性さえある。このような不安定な電源に多くを託しては、まずいことになる。そもそも、しわ取りの問題はどうするの? というのが、彼らの疑問だ。 ところが、再エネ推進派は、お天気が悪くて発電がゼロになった時の話を絶対にしない。だから当然、それに対する解決策も一切出さない。いつも、「電気は余っている」の一点張りだ。 確かに、お天気の良い日は電気は余っていることが多いので、それは嘘ではない。しかし、再エネ懐疑派は、お天気の悪い日のことを心配しているのだから、はっきり言って、この議論は全く噛み合わない。というか、議論にさえならない。 将来は「しわ取り」にも補助金が必要に? 実際に、ドイツで今、電力の供給はどうなっているかというと、2013年、再エネ電気が全体に占める割合は23.4%だ。発電施設の容量としてはもっとずっと多いが、稼働率が低い。 再エネの中で稼働率がとてもよいのは水力、比較的良いのはバイオマスだが、風力は17.9%、そして太陽光の稼働率はわずか9.5%で、これらが足を引っ張っている。買い取りに掛かる費用は太陽光に一番たくさん支払われており、それは一般消費者の電気代に乗せられているため、電気代が急激に上がった。これからも上がる予定だ。 そして、もう一つの問題は、前述のしわ取りである。下の図は、TenneT TSO という大きな送電会社管内で、2011年と12年の2月13日と14日、発電量が需要と供給のバランスの取れた状態から、どのように逸脱したかを示したものだ。 2月13日から14日にかけての発電量グラフ。薄い青が2012年、濃い青は2011年(筆者提供) 2012年の2月14日の日中には、特に大きな落ち込みがあるのが分かる。寒波が襲って電力の需要が伸びていたのに、太陽も照らず、風が止まり、再エネの電気が急激に減ったためだ。このマイナスになっている部分を既存の電源で絶えず補充するのが、つまり、しわ取り。
しわ取りの電源は、天然ガスや一般炭火力だ。褐炭火力や原子力は、出力を大きく変えると経済性が維持できないので使わない。ただ、しわ取りを託された火力とて、もちろん、経済的な発電ができるわけではないので、電力会社にとっては大きな負担となる。 計画的に発電できない電力会社が儲からないのは当然のことで、2013年、ドイツで4社ある大手電力会社のうちのRWEでは、創業以来初めての赤字となった。しかも、28億ユーロ(約4000億円)という巨大赤字だ。 株価もこの5年で100ユーロから26ユーロに下落。もちろん、他の3社も火の車。儲からない仕事に投資する人はいなくなるだろうから、このままいけば、倒産する会社が出ても不思議はない。 ただ、電力会社が倒産するとしわ取りができなくなるので、停電の危険が高まる。だから、倒産しないよう、早晩、火力にも補助を出さなければならなくなる可能性は高い。もしそうなれば、ドイツは、再エネと火力の両方に補助金を注ぎ込むことになるわけで、電気代はさらに上がり、国民としてはまったく割が合わなくなる。 再生可能エネルギーのマイナス面を直視すべし デンマークは再エネ先進国だ。風力が30%、バイオマスが15%と、再エネ電気の割合が大きい。そのために、常に良いお手本として引き合いに出される。ただ、他の国がデンマークの真似をするのは難しい。なぜなら、彼らは自分でしわ取りをしなくてもよいからだ。 どうしているかというと、もっぱら隣国のノルウェーとスウェーデンの水力発電に依存している。つまり、夜間の需要が少ない時間帯には余った電気をノルウェーやスウェーデンに安く売り、昼間の不足時間帯には、そこから高い電力を買っている。 結果として、税金が高いことも相まって、デンマークの電気料金は、EUで(おそらく世界でも)一番高くなってしまったが、たとえ高値に付いたとしても変動吸収にはこの方法が最適なのだという。ただし、これとて、周辺にノルウェーやスウェーデンという、水力発電の国があるからできることだ。 世界最大の風力タービンが試験発電開始、ベスタス発表 今年1月、デンマークで発電量が世界最大の風力タービンが試験発電を始めた ©AFP/Vestas Wind Systems A/S〔AFPBB News〕 水力は、太陽光や風力とは違って蓄えておけるので、ノルウェーもスウェーデンも、安い電気が入手できるときには自国の水(電気)は蓄えておいて、安く放出されるデンマークの電気を最大限利用する。つまり、輸出する方も輸入する方も、互いにメリットがある。 また、デンマークが四国電力程度の需要・供給規模しかなく、しわ取りの規模が小さいことも好都合だ。なお、付け加えれば、デンマークの風力電気の割合はまだ30%で、半分近くは石炭火力。それでもこれだけ電気代が上がることも念頭に入れるべきだろう。 いずれにしても、デンマークのエネルギー政策は、ドイツは真似をしたくともできない。農村地区の小規模なサークルなら、これをお手本にできるかもしれないが、GDP世界第4位の産業国の中枢となる電気を賄うことは無理だろう。 とはいえ、ドイツはいざとなったら隣国から電気を買えるので、日本よりも、状況はずっとましだ。ドイツには、地続きの隣国が9国もあり、すべて電線は繋がっている。ガスのパイプラインもいろいろあり、ロシアからバルト海底を通ってくる直行のものまである。原発もまだ半分以上が動いている。 そして日本は? 日本は、世界一高いガスや石油で、オンボロの火力発電所まで総動員で動かしつつ、何の展望も開けない。いくら稼いでも国際収支は大赤字だ。日本の産業が成り立たなくなれば、私たちは何で食べていけばいいのだろう? そろそろ豊かさにブレーキをかけてボチボチやりたいと願っても、そんなことを今の世界情勢が許してくれるわけがない。弱った国はあっという間に外国資本に食い尽くされて、植民地のようになるだけだ。そんな国を子供たちに残してはいけない。 再エネですべて賄えると主張して、もっと太陽光発電の割合を増やそうと言う人は、これらの諸問題をどう解決するつもりなのか、それにちゃんと答えてほしいと思う。 http://www.afpbb.com/articles/-/3021659 エネルギー効率、ドイツが世界一 2014年07月29日 12:00 発信地:ワシントンD.C./米国 環境 このエントリーをはてなブックマークに追加楽天SocialNewsに投稿!Share on Tumblr LINEで送る メールで送る エネルギー効率、ドイツが世界一 ×ドイツ・ザルシュテット(Sarstedt)の風力タービン(2012年11月13日撮影)。(c)AFP/JULIAN STRATENSCHULTE 写真写真拡大をみる 写真購入のお問合せはこちら 【7月29日 AFP】米国エネルギー効率経済協議会(American Council for an Energy-Efficient Economy、ACEEE)はこのほど、世界のエネルギー効率についての調査報告を発表し、効率がもっとも良い国はドイツだと評価した。また、中国も急速に独自の取り組みを強化しているという。
同協議会が世界の主な経済国家16か国のエネルギー消費率について調査した結果、最低評価となったのはメキシコだった。また、米国とオーストラリアについては、取り組みのペースについて懸念の声が上がった。 もっとも評価が高かったドイツについては、住宅や商業ビルに課される規定のほか、エネルギー消費量を2008年から2020年までに20%削減するという目標に向けた取り組みを行っていることが評価された。 エネルギー効率が2番目に良かったのはイタリアで、輸送部門の効率性が評価された。また3位が欧州連合全体、4位が中国とフランスで、英国と日本が6位だった。 報告では、1平方フィート当たりのエネルギー消費量では、建物に課された規定の順守が常に厳格ではないものの、中国が最も少ないことが分かった。 ACEEEのスティーブン・ネイデル(Steven Nadel)会長は、「中国にできることはまだたくさんある。多くのエネルギーを無駄にはしているが、かなり前進している」と語っている。 報告では、オーストラリアが「傾向から明らかに後退」していることも明らかになった。トニー・アボット(Tony Abbott)豪首相は、気候変動に関する科学的証明に懐疑的とされ、17日には論争の的となった炭素税の廃止が上院で可決された。 ランキングでは10位となったオーストラリアは、建物建設や製造についての取り組みが評価されたものの、輸送部門のエネルギー効率は対象国の中で最低だった。 また世界最大の経済大国である米国は13位で、前進はしているものの、国レベルではまだ「大量の」エネルギーを無駄にしていると指摘されている。(c)AFP |