02. 2014年8月04日 15:40:15
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一方英国では tp://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303513604580070541989783432?mod=wsj_nview_latest 英国が太陽光発電のホットスポットに By CASSIE WERBER 原文(英語) 2014 年 8 月 4 日 13:22 JST グレートグレムハムに設置された太陽光発電パネル Alex Masi for The Wall Street Journal 【サフォーク州(英国)】古い飛行場に沿って、実った大麦がそよ風に揺れている。道の反対側にはもっと静かな一群がずっと先まで広がっている。8万枚の太陽光パネルで、銀色に輝く表面は南を向いている。 曇り空と雨の国、英国は多くの太陽エネルギー投資家にとって欧州で最もホットな場所に急速になりつつある。ドイツはパネルでいっぱいになり、スペインでは突然の助成金中止で太陽エネルギー熱が衰え、イタリアでは景気低迷が足を引っ張っている。 しかし、英国は2011年以降の安定した助成金と太陽光エネルギーへの世論の支持、柔軟な監督当局、それに革新的ファイナンスという組み合わせが効果を上げている。 英国の太陽光発電能力は10年には100メガワット(MW)に満たなかった。これは小さな町の住宅に電力を供給できるかどうかといったところだ。しかし今では、能力は3.2〜4ギガワット(GW)に上る。市場調査会社ソーラーバズは、英国は今年、ドイツを抜いて欧州最大の太陽光パネル設置国になると予想している。今年の英国の設置数は世界全体の6%を占めるという。 飛行場は、イングランドの東海岸から数マイルの田園地帯にあるグレートグレムハム村の太陽光発電設備の一部だ。事業を行っているのは、ドイツの保険大手アリアンツの子会社アリアンツ・グローバル・インベスターズの再生可能エネルギーファンドで、今年6月に設備を買い取った。同ファンドはこの1年間にイタリアでの太陽光、ドイツでの風力発電プロジェクトを行っている。 アリアンツ・グローバルのインフラ・エクイティー担当最高投資責任者アルミン・ザントヘーフェル氏は「英国の太陽エネルギー市場は欧州で最も魅力的なエネルギー市場の一つだ」とし、「今年は、規制当局の支援基盤の上で旺盛な需要と激しい競争が見られるだろう」と述べた。同社は停滞した国債利回りを穴埋めするため太陽光投資に着目しているいくつかの大手機関投資家の一つだ。 画像を拡大する 英国の再生可能エネルギー発電量(英エネルギー・気候変動省調べ) アビバ・インベスターズは太陽光発電事業に参入し、オーストラリアのマッコリー・グループはソーラービルディングに多額の投資をしている。10〜13年の英国での太陽エネルギーの総投資額は64億ポンド(約1兆1000億円)だった。 EYの環境ファイナンス部門トップのベン・ウォーレン氏は「英国の太陽光部門はおそらく世界再生可能エネルギー部門における資本革新の最前線にいるのだろう」と述べるとともに、「機関投資家が直接投資をしようとする数少ない分野の一つだ」と語った。 いくつかのデベロッパーはビル資金調達のための「ソーラー・ボンド」を発行しており、民間の個人はアバンダンス・ジェネレーションなどの企業を通じて投資している。同社は校舎の屋根に太陽光パネルを設置するといった小規模プロジェクトと投資家を結び付けるクラウドファンディング・モデルを採用している。 太陽エネルギー投資を募る上場ファンドも英国に乗り込んでいる。フォーサイト・ソーラー、ブルーフィールド・ソーラー・インカム・ファンド、ネクストエナジー・ソーラーファンド、リニューワブルズ・インフラストラクチャー・グループなどで、これらの企業は全てこの2年間にロンドン証券取引所に上場した。ブルーフィールドはIPO(新規株式公開)で1億3000万ポンドを調達し、その後も買収用の資金を集めている。 太陽光パネルを設置するエンジニアリング会社も群れを成している。ドイツのベイワはドイツ人作業員を連れてきて、現地企業と一緒にグレートグレムハム村にパネルを設置した。 太陽光発電をめぐる状況はこれまで不安定だった。2008年の金融危機は同時に世界のエネルギー消費も減らし、再生可能エネルギー投資が減少し、各国政府も助成金を後退させた。ドイツなどの市場はパネルが供給過剰になった。スペインは助成金を劇的に減らし、同部門への投資家の信頼は損なわれた。長期にわたった欧州のパネルメーカーと中国企業との競争でパネル価格は下落した。 太陽光発電を軌道に乗せるのは容易ではない。魅力的なものになるかどうかは助成金にかかっており、予算に厳しい英国がこれを減らす恐れもある。パネル群――しばしば景観を損なうと嫌われる――は地元の反対運動を招くことがある。グレートグレムハムのデベロッパーはパネル群の間に、ヒバリやウサギ、野生の花のための9エーカー(3.6ヘクタール)の保護地を作り、また地主たちの要請で、家畜の放牧ができるようにした。ヒツジたちは冷たい雨や強い日差しを避けるために、パネルの下に群れている。 4代にわたってこの土地で農業を営んでいるアーガス・ガソーン=ハーディーさんは「われわれはこの新しいエネルギー市場に参画し、農業経営と結び付ける方法を考えた」と話した。 カモメが問題になる所もある。25マイル(40キロ)離れた所、イーストアングリアン湿地帯と森林地帯を越えた海の近くに、太陽光パネルを屋根に付けたプラスチック工場がある。この工場にカモメがやって来てパネルにふんをする。作業員は月に1度パネルのふんを掃除しなければならない。最近、ふんが滑り落ちるような特別コーティングがパネルに施された。またカモメを追い払うために定期的にハヤブサを借りてきている。 シャンプーと炭酸水用のボトルを製造しているこの工場はアイスランドのプラスチックメーカー、プロメンスが所有している。屋根の7000枚のパネルの発電能力は1.65MWだ。同社は、これで年間6万5000ポンドの電気代を節約できるとしている。 英政府は、プロメンス工場などのように屋根へのパネル設置を進めるとしている。エネルギー・気候変動担当相のグレッグ・バーカー氏は「太陽光エネルギー支援をやめることはないが、われわれは大規模な太陽光発電を目指しており、最大の目標がオンサイト発電であることは非常に明確だ」と述べた。 ガソーン=ハーディーさんは、英国は太陽光発電には湿気と雲が多すぎるとの主張に反論し、サフォーク州の日照時間はもっと南の地方より多く、大気の状態は太陽光線が差しやすいものだと指摘した。彼はこの土地は英国で最も日差しのある場所の一つかもしれないとし、1995年の降水量は中東のヨルダンよりも少なかったと語った。 |