http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1409.html
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スマートメーターでベース電源が節約できるかという問題がある。以下の記事でもベース電源節約ができたとは述べられていない。
つまり、スマートメーターが普及することで、太陽光や風力が実際には火力発電節減にはあまり役立たないことが明確になってしまう可能性がある。
もちろん、理論的には、スマートメーターが完備されれば、送電電圧をぎりぎりにまで落とすことが可能になり、ベース電源の節約ができる。しかし、そもそも、一般家庭のソーラー発電で送電網に給電がどの程度まで出来ているのかという問題がある。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK23025_T20C14A6000000/
メーターのスマート化、25年完了の電気に水道・ガス続くか
(1/3ページ)2014/7/1 7:00
2014年4月の省エネ法改正によって、国内電力大手10社が「スマートメーター」の導入を決定。各社が管轄内における全顧客の電力計を、スマートメーターに置き換えることになった。
表 国内の電力大手10社によるスマートメーター導入の予定
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表 国内の電力大手10社によるスマートメーター導入の予定
最も早い東京電力では、2020年までにすべての顧客先で双方向通信機能を持つスマートメーターの設置が完了する見込みである(表)。
沖縄電力がスマートメーター化を完了する2025年には、日本の電力計はすべてスマートメーターとなる。2014年5月11日に成立した改正電気事業法による電力自由化と合わせ、日本におけるスマートグリッドの取り組みが本格化する。
一方、欧米主要国では既に多くの都市や地域でスマートメーターの導入が進んでいる。「エネルギー・インターネット」とも呼ばれるスマートグリッド分野で、日本が巻き返し、存在感を発揮することはできるのだろうか。
■実証から実運用段階に入った欧米
スマートメーターは欧米のみならず、中国でも政府主導で導入が進められている。すでに、全世帯へのスマートメーター設置が完了した国もある。
例えば米国では、「グリーンニューディール政策」を訴えて当選したオバマ大統領が2009年以降にスマートグリッド化を推進、1億を超える全世帯への導入を目指している。
米国研究機関のThe Edison Foundation Institute for Electric Innovationが2013年7月に発表した報告書によると、その時点で約4600万台(米国世帯数の約40%)に上るスマートメーターの設置が完了している。そのペースを考慮すると、現在では5000万台を超えている(同約50%前後)と推測できる。
さらに同報告書では、2015年時点で東西両海岸地域やテキサスなど大都市圏のある州の多くで、スマートメーターが過半数の世帯に普及していると予測する。これらの状況を受け、「実証の時代は遠い過去の記憶だ。現在の焦点は、スマートメーターが収集した情報の統合や最適化であり、デジタル化された電力網が顧客に最大限の恩恵を与えるようにすることだ」と同報告書は指摘している。
ここでいう「恩恵」とは、電力網の信頼性が向上した結果として災害後の復旧時間が短縮されたこと、デマンドレスポンス・プログラムの創設により顧客がピーク時の節電に協力することで電気代の割引を受けられるようになったこと、などを指す。
■一括受電契約に期待
信頼性では米国と比較して遜色がない日本の電力網だが、デマンドレスポンスなど最先端のスマートグリッド技術の導入では、欧米の後塵を拝しているとの見方が一般的だった。しかし最近では、こうした状況を変えるような試みが見られるようになった。
例えば、電力業界ではマンションやオフィスビルなどで、低圧連係の個別契約を高圧連係の一括受電契約に切り替える動きが活発化している。
中央電力(東京都千代田区)では、マンション向け一括受電契約が2014年2月に10万戸を突破した。経済産業省が定める「MEMS(マンションエネルギー管理システム)アグリゲータ」の1社である同社は、一括受電に切り替えたマンションのスマートメーター化を進めており、2014年6月末で48棟3630戸にスマートメーターを導入済みである(図1)。
[左]図1 中央電力が船橋市のマンションに設置したスマートメーター
[右]図2 GE製スマートメーター。計量法や電波法といった国内の各規制に適合した設計となっている(撮影: テクノアソシエーツ)
MEMS事業の推進により、2015年までに150棟のマンションでスマートメーターを導入することが既に決まっているという。スマートメーターが設置されたマンションでは、電気使用量の見える化や時間帯別料金、ピークシフトやピークカットへの協力に対するポイント還元など、欧米のスマートグリッド事例と同様のサービスを提供していく。
スマートメーターを開発・製造するメーカーも、電力大手各社からの受注だけでなく、一括受電分野でのシェア拡大に余念がない。例えば、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人である日本GEは、米国のスマートメーター事業での実績をベースに、日本市場の計量法や電波法に適合したスマートメーターを開発した(図2)。同社は一括受電市場向けで、数万台規模の販売を見込む。
スマートメーター導入の機運が高まっているのは電力業界だけではない。メーターのスマート化は、電気、ガス、水道の3分野で可能だ(図3、図4)。これは日本だけでなく、グローバル市場に共通の話である。
日本では、ガスや水道向けメーターのスマート化の方向性はまだ見えていないが、LPガス市場ではスマート化のメリットが業者と顧客の両方にあるため、導入が先行する可能性がある。
例えば、スマートメーターで流量を常時管理し、LPガスのボンベが空になりそうな家庭があったら満タンのガスボンベをすぐに届ける、といった営業面でのメリットが考えられる。
■望まれる規格や仕様の統一
ここで課題となるのが、スマートメーターの規格や仕様の統一である。電力業界では実証試験などの進捗が異なる大手各社間で調整がつかず、東電の仕様と関西電力・九州電力の仕様の2種類に分裂してしまった。
ガスや水道でのスマートメーター導入において、電力と同様の仕様や規格に合わせるのか、それぞれ異なる仕様とするのか――。それによって導入コストやデータ処理の利便性などで結果に大きな差が出てくると予想される。
欧米の先行事例を見ると、例えば電気とガスあるいは電気と水道で同時にスマートメーターを導入するといった事例も多い。これらの地域で電力事業やガス事業を同一の企業や地方自治体が手掛けている、という事情も影響している。
そういった事情が当てはまらない日本では、政府や業界団体などが指導力を発揮して、電気・ガス・水道の3つのインフラで「車輪の再発明」をできる限り避ける必要があるだろう。
(テクノアソシエーツ 大場淳一)
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