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ロシア、サハリン2生産能力1.5倍 アジア輸出拡大[日経新聞]
2020年までに
2014/6/19 0:16
【モスクワ=石川陽平】ロシア国営ガス会社のガスプロムは18日、三井物産などと進める極東サハリン沖の資源開発「サハリン2」の液化天然ガス(LNG)事業について、2020年までに生産能力を1.5倍の年1500万トンに引き上げる計画を明らかにした。ロシアと欧米諸国との関係が悪化する中、天然ガスの需要が急増する日本などアジア諸国への輸出を増やす。
サハリン2はガスプロムが過半数を出資し、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや三井物産、三菱商事が参加する大規模な資源開発プロジェクト。LNG事業では2系列ある現在の生産施設を3系列に増やす計画だ。18日にモスクワで記者会見したメドベージェフ副社長は十分なガス埋蔵量が期待できると指摘したうえで「15年末に最終的な決定を下す」と表明した。
ガスプロムにはサハリン2のほかにも「優先的事業」として日本と協力しウラジオストクにLNG基地(年産1000万トン以上)を新設する計画がある。国内他社のLNG事業や米国産シェールガスとも競合し、サハリン2の増設が先送りされるとの見方も残る。だが、メドベージェフ副社長は日中韓に加え、インドやベトナムなどを挙げ「(アジアの)市場は巨大だ」と早期の実現に自信を示した。
事業会社のサハリンエナジーによると、日本は13年にサハリン2で生産されたLNGの約8割を輸入した。サハリン2の増産分やウラジオストクで生産されるLNGも、日本が主な販売先になると期待する。メドベージェフ副社長は「日本の市場の潜在力は原子力政策が最終的にどう決定されるかにかかっている」と今後の需要の動向を注視する考えを示した。
サハリン2のLNG増産は、設備の増設で済むため他のLNG事業に比べて、投資額が抑えられる利点がある。プーチン大統領は4月半ば、シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)と会談した際に「必要な行政的支援を行う」と約束した。
ロシアはウクライナ問題を巡り欧米諸国から制裁を受ける。メドベージェフ副社長は、LNGの販売交渉に関して「政治的な雰囲気はとても良いとは言えない」としながらも、「パートナー企業の圧倒的多数はわが社との協力の利点をよく知っている」と強調した。制裁がLNG事業に影響を及ぼすことはないとの見方を示した。
ただ、天然ガスの最大の輸出先である欧州はウクライナ問題を巡る対立で、ガスの供給源を多様化する方針を明確にした。これを受け、ロシアは中国などアジア諸国に市場を広げる動きを強めている。メドベージェフ副社長はウラジオストクのLNG計画について「中国が関心を持っている」と述べ、日本だけでなく中国の企業にも権益を与える交渉を進める考えを示唆した。
▼サハリン2 ロシア極東サハリン沖の大陸棚で石油と天然ガスを開発する大規模事業。事業会社はサハリンエナジーで、ガスプロムが約50%、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが約27.5%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資する。1999年に石油の生産を始め、2009年にはロシアで唯一のLNG工場を稼働。日本のLNG輸入量の10%強に当たる年1000万トンを生産する。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM18032_Y4A610C1FF2000/?dg=1
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