http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1358.html
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グリーンパラドクスって本当? という質問に対して(その1)ドイツ・フライブルク市から地球環境を考える 村上 敦
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51851590.html
ことの発端は5月25日(日)、NHKスペシャルで「エネルギーの奔流」という番組の後半が流されてからです。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0525/
ドイツの再生可能エネルギー推進、エネルギーヴェンデ(エネルギーシフト)の政策や現状について、以下のような質問、というより不安を持たれた方々からメールを受け取ることになりました。
1.上記の番組で流された「グリーンパラドクス」というのは本当?
2.ドイツが脱原発し、再エネがいくら推進されても、電力が必要なときには、チェコやフランスから原発電力を買っているから意味がない、というのは本当?
3.ドイツのFITはやっぱり失敗だった、というのは本当?
とりわけ、地域で脱原発や再生可能エネルギーの推進にかかわる活動を頑張っている方々から、質問というよりも、
・自身がその有効性を地域の方に説明する際に、非常に懐疑心を持たれてしまい、そうした懐疑的な質問にうまく答えられない(番組以前からも、多様なマスメディアでの報道によって)
・自身がよかれと思って推進しているのに、本当に良いのかどうか、こうした報道や見方が広がるなら不安になってしまう(前からも薄々感じていたが、今回の番組でより深刻に)
という感じのようです。
知人でもない方からの場合はやんわりと無視することにし(これまでにこのブログや記事などでいろいろ説明をしてきたので・・・)、知人には多少なりとも説明のお返事を書いているのですが、キリがない状況になりました。
私自身、まだ番組自体を観ていないのですが、問い合わせがあってから「グリーンパラドクス」というのをインターネットで検索して、
おおよそ以下のような番組内での内容だったことが分かりました(正確かどうかは分かりませんが、おおよそ以下のようなことだったとみなして、このブログを続けてゆきます→それでも書く意味はあるかと思います)。
イ.ドイツが脱原発→再エネ発電を拡大させたことによって、国内は「グリーン化」されたものの、電力価格が高騰し、
ロ.高騰を続ける電力価格の影響で、ドイツの製造業はチェコなど海外に移転し、
ハ.移転先の国では(例えばチェコ)、ドイツの製造業の立地移転によって電力需要が増加し、
ニ.それゆえ、移転先の国では急増する電力需要を賄うために原発の新設を計画中→ドイツだけが飛び抜けて推進しての政策は意味があるのか?(パラドクス)
という風が吹けば桶屋が式の内容です。
さて、どのような順序で解答してゆくのが、最も、これを読まれた方にご理解いただきやすいのか・・・回り道のようにも思えますが、
やはり、最初は事実を積み上げることで、まずは妄想と事実を切り分けてご理解いただいて、その後で、事実の積み上げだけでは回答できないところに、私なりの見解を解説するというのが、良いのではないかと思いました。
ということで、まずは、解答が簡単な上記の2.について説明をしてゆくことにします。
ドイツの昨年の貿易黒字額は1989億ユーロ(2734億ドル)に達し、過去最大となった。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0LT1AE20140224
ドイツの電気取引所で電気の卸値は減りつつある。 産業用 08年比で半額
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1328.html
ドイツの電力輸出入(単位:GWh)
2011 2012 2013
輸出 独→EU 47,939 66,567 71,826
輸入 仏→独 20,322 13,210 11,605
輸出 独→仏 138 781 1,606
http://www3.ocn.ne.jp/~elbe/kiso/atomdata03.html
発電のエネルギー源別内訳
1990 2000 2013
褐炭 31.1 25.7 25.6
石炭 25.8 24.8 19.6
天然ガス発電
2010 2012 2013
独 14.1 12.1 10.5
http://www3.ocn.ne.jp/~elbe/kiso/atomdata01.html
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