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ドイツは失敗したか<5> 染みだした核のごみ
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014041502000100.html
北西部ニーダーザクセン州のアッセという町を訪れた。丘の中腹に「A」という大きな文字が描かれていた。
「Aufpassenアウフパッセン(注意しろ)のAですよ」。
核廃棄物処分場建設に反対する住民運動のリーダー、ペーター・ディッケルさんが言う。
そこは、岩塩の廃坑跡だ。
地下七百五十メートルの空洞に一九六七年から十一年間、中低レベルの核廃棄物を詰めた約十三万個のドラム缶が研究名目で投入された。
問題が明らかになったのは八八年のことだった。一日一万二千リットルの地下水が浸出し、崩壊の恐れがあるという。二〇〇八年には浸出水からセシウムなどの放射性物質が検出された。
ドイツでも、使用済み核燃料の処分は悩みの種だ。
高レベル放射性廃棄物の最終処分場は、同じニーダーザクセン州にあるゴアレーベンの岩塩層が有力だった。
だが、アッセのような地下水の浸出などを心配する住民の反対運動が強くなり、連邦政府は三年前、白紙撤回を決めた。
ところが、昨年末の大連立政権発足時に交わされた百八十ページの協定書には、わずか十五行だが、処分場選定についての記述がある。
その中に「ゴアレーベンを視野に入れて」と明記されている。
最終処分場は、新たにつくる委員会であらためて選定される。
しかし、ディッケルさんは「政府の方針を追認するための形式的な委員会になってしまう」と不安を抱く。
廃棄物の種類や性質、処分量などと地質を突き合わせ、科学的知見を積み上げながら候補地を絞り込んでいくべきなのだ。
決定までの道のりは、決して平たんなものではない。
ただドイツでは「二二年に原発ゼロ」を決めており、処分量は確定できる。
放射線防護庁の試算では、高レベルが三万立方メートル、中低が三十万立方メートルになるという。
日本政府は原発回帰をめざす。核のごみを増やし続けるということだ。
処分場選定にドイツ以上の困難があることは、想像に難くない。
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