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日本は賢明な選択を
2014年1月17日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団理事長
http://jref.or.jp/column/column_20140117_01.php
日本は、核燃料や化石燃料など、高価で環境に悪影響をおよぼす輸入燃料に依存している。そして、天然ガス、石油、ウラン、石炭などの高価な燃料しか選択肢がないかのように語る人が多い。将来世代の命を破壊することは避けられず、その方法として放射能汚染をとるか、急速な気候変動をとるか、二者択一しかないと言うのだ。
しかし、それは間違っている。日本の豊富な自然エネルギー資源を有効活用するための知識や経験を輸入する方が、日本にとって有益で、しかもコストがかからない。
ブラジル、オーストラリア、米国では、風力発電設備がわずか4円/kWhの総コストで建設されている。欧州の場合でも7−8円である。
固定価格買取制度の恩恵で産業界の習熟がうまく進んだ結果、スペインのメガソーラーは、補助金なしでも化石燃料や原子力より競争力をもち、消費者が負担する電力コストの引き下げに寄与している。
また米国でも、屋根置き型太陽光パネルが、既存の化石燃料による火力発電への脅威とみられつつある。
世界における自然エネルギーの進展は、電力価格を下げ、電力消費型産業の競争力を上げ、家計を助けている。さらに、投資を増やして経済を刺激し、化石燃料や核燃料などの輸入燃料に永久に依存しなくてすむ市町村、地域、国の実現をもたらす。
日本政府も、国内でこれを実現することができる。成功の鍵を握るのは、補助金を増やす決断ではなく、自然エネルギー発電施設を低コストで建設して既存の電力会社と競争しようとする投資家に、機会を提供する決断である。
日本の電力会社には、自社が所有する石炭火力や再稼動を信じる原子力と競合しかねない風力・太陽光発電施設に対し、送電線へのアクセスを拒否することが認められている。
このアクセス拒否が認められている限り、日本の家庭や産業界は必要以上の電力料金を払い続け、さらなる原子力事故や気候変動の危機が日本の将来世代を脅かし続け、日本の経済資源は、国内投資される代わりに、他国からの燃料購入費として浪費され続けることになる。
優秀で高効率な電力会社なら、競争のあるオープンな電力市場でも利益を上げることができるはずだ。今の市場改革に反対する理由を持つのは、競争力が十分ないと自覚している会社だけである。
日本の人々や次世代の利益は、競争力の極めて低い電力会社の近視眼的な利益と明らかに対立している。
非効率的な電力会社の側に立ち、日本全体の利益に背を向けようとする政治家や官僚が、なぜこれほどまでに多いのだろうか。
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