http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1101.html
Tweet |
全文
住宅向け太陽光発電導入コスト削減の鍵はソフトコストか – 米ローレンス・バークレー国立研究所が発表 「pinponcom」
http://pinponcom.jp/energy/residential-pv-installation-cost-in-germany-much-cheaper-than-us/
米ローレンス・バークレー国立研究所は、アメリカとドイツの住宅向け太陽光発電導入コスト結果を発表した。アメリカに比べてドイツにおける導入コストが低いとし、その理由としてソフトコストの低さを挙げた。
米エネルギー省(DOE)所管のローレンス・バークレー研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory : LBNL)は、アメリカとドイツの住宅向け太陽光発電導入コスト比較に関する調査、「 Why Are Residential PV Prices in Germany So Much Lower Than in the United States?(なぜドイツの住宅向け太陽光発電導入コストはアメリカよりもずっと低いのか)」を発表した。
ドイツの導入コストが低い理由として、機器以外のコスト、いわゆるソフトコストの低さを挙げている。
ソフトコストが太陽光発電導入コストの差に影響
2011年のデータになるが、太陽光発電1 Wあたりの導入コストがアメリカでは6.19ドル(約588円)であるのに対し、ドイツでは3.00ドル(285円)と約半分となっている。
太陽光パネルやパワーコンディショナー、その他機器を合わせた機器コストはアメリカ2.85ドル、ドイツ2.38ドルと大きな差はないが、販管費や設計費、施工費用などのソフトコストについては、アメリカ3.34ドル(約317円)、ドイツ0.62ドル(約59円)とアメリカはドイツの5倍以上のコストがかかっている。
システム出力、施工方法の違いがソフトコストの差に
LBNLではこのソフトコストの差の理由としていくつかの要因を挙げている。その一つはシステム規模の違いであるが、2011年の10 kW以下のシステムの平均出力がアメリカでは4.95 kWなのに対し、ドイツでは6.8 kWとなっている。ドイツの方が制度設計上システム出力が大きい分、規模の経済性が働きやすくなりソフトコストが下がりやすいとしている。
またもう一つの理由として導入に必要な労働時間が短いことを挙げている。アメリカでは1システムあたり75時間かかるのに対し、ドイツでは39時間とほぼ半分の時間で導入できてしまう。
この結果、1 Wあたりの労働コストはアメリカが0.59ドルなのに対し、ドイツは0.23ドルと半分以下となっている。この背景として、アメリカでは設置にあたって一般的な屋根の穴あけが、ドイツではほとんど行われないことが挙げられている。
太陽光発電グリッドパリティ実現に向けて無視できないソフトコスト
2011年末時点での住宅向け太陽光発電の導入量は、アメリカが934 MWなのに対し、ドイツは3420 MWとほぼ3倍となっている。この導入量の違いが最終的な業界としての経験値の違い、ソフトコストの違いにつながってくるものと考えられるが、
アメリカもDOEのサンショット・イニシアティブ(Sunshot Initiative)という取り組みにおいて、2020年までにソフトコストを1 Wあたり0.6ドル(約57円)以下にするという目標を掲げている(参考記事 : 米政府が太陽光発電の導入コスト削減を目的としたコンペを実施、賞金総額1000万ドル)。
昨今、ハードコスト、特に太陽光パネル価格が下落しているが、グリッドパリティの実現にはソフトコストの削減も欠かせない。
このソフトコスト削減に向けた研究を国の研究機関が行なっているという事実は、もっと注目されてもいいのかもしれない。
カリフォルニア州の補助制度、透明化で太陽光発電産業を自立に導く
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120307/207831/
米政府が太陽光発電の導入コスト削減を目的としたコンペを実施、賞金総額1000万ドル
http://pinponcom.jp/energy/sunshot-prize-boost-reduction-of-pv-installation-soft-cost/
米エネルギー省、太陽光発電ソフトコスト削減のため12億円を拠出
http://pinponcom.jp/energy/doe-to-invest-12-million-to-cut-pv-soft-cost/
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。