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「エネルギー基本計画」見直しの論点 ―日独エネルギー戦略の違い―
http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/research/2011/report-380.html
主任研究員 梶山 恵司 2011年11月
要旨
ドイツは、エネルギー消費を削減しながら経済成長する新たなフロンティアを築き上げつつある。
これに対し、日本は経済成長に伴ってエネルギー消費も拡大し、CO2も増加する20世紀型モデルから抜け出せていない。
エネルギー消費削減で、ドイツが特に力を入れるのが、エネルギーシステムの抜本改革である。
一次エネルギーを電力などの2次エネルギーに転換する際の損失は、エネルギー供給の3割にも達する。このため、発電の効率化によるエネルギー消費削減の余地は特に大きい。
そのための手段が、原子力から再生可能エネルギーへ、石炭から天然ガスへのエネルギーシフトと、発電に使う熱もエネルギーとして使う熱電併給(コージェネ)である。
発電における未利用熱が膨大な一方で、最終エネルギー消費では5割が熱需要である。だからこそ、コージェネによる発電の熱とを結びつけるのは、当然である。
エネルギーシフトも、コージェネも、小規模分散型エネルギーシステムであり、従来の大規模集中型エネルギーシステムからの抜本的な転換を意味する。
エネルギーシフトを軸にした小規模分散型の新しいエネルギーシステムへの移行こそ、21世紀前半の最大の成長分野である。
2010年の日本のエネルギー基本計画は、大規模集中型エネルギーシステムそのものであり、20世紀型産業構造の延長に過ぎない。エネルギー消費削減と再生可能エネルギー利用拡大をエネルギー戦略の2大柱と位置づけ、エネルギーシステムの抜本改革に踏み込むことこそ、日本のこれからの最大の成長戦略である。
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