http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/885.html
Tweet |
少なくとも検察のためではない。 再捜査の結果にこんな報告書(通称:捏造報告書)を上げておきながら再度不起訴声明を出すのだから、検察は明らかに分裂症気味である。 検察自身の方針と相反する報告書を、なぜわざわざ捏造までしたのか? 石川氏の裁判のためでもない。 この報告書は検察審査会での小沢氏案件の再捜査の結果なのだから、もし石川氏の裁判に持ち込んでも、供述者の署名もない内部報告書の類など裁判では相手にされない。 石川氏が「そんなこと言っていない」と力説するまでもなく証拠には不採用になる。 だからこの報告書は法律関係者向けではないことがわかる。
検察の判断のためではなく、裁判のためでもないとしたら、残るは明らかに素人の集まりである検察審査会を狙ったものでしかない。 しかし検察自身が審査員に向かって、「自分たちは2度不起訴にしたんだが、貴方たちはぜひ起訴するべきだ」 と訴えるのだろうか? 「じゃなんで自分たちで起訴しないの?」 と逆襲を食らわないだろうか? それとも代役のスポークスマンに説明させるのだろうか。
ところで田代検察官は再聴取の時に、石川氏がICレコーダーを忍ばせてくるかどうかは予測できなかった。 だから検察側から見れば録音をとられたのは想定外であったはずだ。 この録音がなければ、ただの報告書としてひっそりと検察審査員を騙してたかもしれない。 しかし騙した後でしっかりバラされてしまったが。 それでも録音がなければ反訳書も作られず、従って永久に「捏造」の冠はつかなかっただろう。 検察はおかげで赤恥をかいた。
平成22年5月17日に石川氏によって録音された言葉は反訳書に起こされて、石川氏の弁護人・吉田美穂子氏によって平成23年2月2日に東京地裁に提出されている。 この反訳書も暴露された資料類のひとつである。 石川氏側が反訳書を作ったということは、その時点で 「とんでも報告書」 の存在を知っていたということになる。 だから石川氏の周りの誰かが小沢氏(平成22年9月14日には起訴議決されている)を助けようと思ったのなら、平成23年時点ですべてを暴露すればよかったのだ。 小沢氏が判決を受けるのは、まだ後の平成24年4月26日である。 平成24年5月2日に八木氏にリークしてみても、誰も助からない。 だから石川氏側、小沢氏側がリークしたとは考えがたい。
そもそも裁判に証拠採用されそうもない報告書の虚偽性を暴いたとて、判決が逆転する可能性はほとんどない、一言お叱りはあるだろうが。 では小沢氏を救うためでもないとしたら、何のために暴露したのか? 何度も言うが報告書が「捏造」と呼ばれるようになったのはまったくの偶然である。 足をすくわれて恥をかいた検察ではなく、いちばん苦しい被告人側でもないとしたら、いったい検察の報告書類と被告側の反訳書を同時に手にできる 「誰が」 リークを仕掛けたのか? 結局、捏造報告書の暴露は誰も痛めはしなかったのだ。 当の田代検察官も 「記憶の混同」 でついに逃げ切った。 おそらく検察庁は 「たかが内部報告書でちょっと筆が滑ったぐらいでゴチャゴチャ言うな」 というスタンスなのであろう。 あとは審査員の誘導にほんとうに使用されたかだけである。
しかしこの報告書が実際に審査員の誘導テキストに使われたのかは、疑問符がつく。 まず検察自身はほとんど説明に行ってない。 代役を頼んで解説したという説も成り立つが、直接は頼みづらい者ばかりだ。 弁護士然り、事務局員然りである。 いずれも検察との繋がりはまだ確認されていない。 だいたい代役を頼んで完璧な説明などできるのだろうか? もし事務局員を抱き込めば、上部機関である最高裁に間違いなく連絡がいく。 最高裁の了解も得ておかねばなるまい。 土俵はあくまで司法の中なのだから。 弁護士を抱き込めば永久に借りを作ることになる。 検察に貸しを持っている弁護士は天下無敵だろう。 誘導するなら検察自身がやったほうがはるかに安全だ。
だいたい 「誘導用のテキスト」 が存在するからといって、即 「審査員が誘導され」 て 「議決が偏向された」 とはならない。 審査員が読んで理解できなければ、誘導用テキストなどただの紙の束である。 問題はテキストよりも 「誘導者」 の能力なのだ。 その点から言えば、検察自身が誘導するのが最も適している。 しかしほとんど第5検察審査会に出向いた様子はない。 あとは事務屋の検審事務局員とフリーの弁護士だけだが、彼らに 「責任を持って」 起訴相当を誘導しろと任せられるのだろうか?
誘導説を唱えている人たちは、この誘導者の能力を軽く考えている。 「誰でも容易に起訴相当を2度ぐらい出せるはずだ」 と安易に考えていないだろうか? 方法だけ紙に描いてその実施の困難さに目を向けなければ、本省にいる高級官僚とどっこいだ。 ちなみに私は例の50ページの報告書(反訳書を除く)を一字一句を考えながら読んでいて、途中で頭が痛くなった。 審査員は頭脳明晰な者ばかりだったから、そのような事はなかったのだろうが。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。