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一市民T氏の「小沢検審17の疑惑」の中に次の一節がある。
>ある民間人が、9月28日、検察庁で斉藤隆博東京特捜副部長(検察官)に会った。斉藤検察官は「これから検察審査会に説明に行く」と言ったそうだ。
「検察庁で」は東京地方検察庁であろう。 斉藤検察官は東京地検の人間だから、同じ建物内の最高検察庁や東京高等検察庁で出会ったりすると、話がややこしくなる。 それから意地が悪いようだが、「検察審査会に説明に行く」とは言ったが「第5」検察審査会に行くとは言っていない。 なぜ重箱の隅を突付くのかというと、この日に「斉藤検察官の説明があったようだ」あるいは「斉藤検察官は出向いたが空振りだった」と何人かの人が考えているからである。
斉藤検察官が出頭要請を受け9月28日に第5検察審査会に説明に赴いたのなら、疑問な点がいくつかある。 まず一つめは、役人は必ずといっていいほど他人と交渉・説明・会議をするときは複数の人員で臨む。 それは後で「言った」「言わない」になった時に役人側が一人では、相手に押し切られる恐れがあるからで、自分の発言に証人がいないとまずいのである。 それは警察官も一般の役人も同じである。 家に聞き込みに来られたことはないだろうか?
民間人の話ではどうも一人のようである。 これはおかしい。 ICレコーダーが普及しても「役人の説明は二人以上でする」のが原則なはずだ。 片方は双方の話を聞いていれば、何も話さなくとよい。 検察の不起訴の判断を説明する大事な「説明会」にたった一人で臨むだろうか?
二つめは、民間人が会った検察官は手に書類束を抱えていたのだろうか、という疑問である。 「それは調べてあとでお答えします」というような説明会でも、関係すると思われる資料は一応全部持って来るのが普通だ。 全部「あとから・・・」では「お前何しに来たんだ!」になってしまう。
まして第5検察審査会の説明のチャンスは1日だけである。 審査員も常勤ではないから「あとから・・・」は不可能である。 であればありったけの捜査資料をカバンに詰めて持ってゆくはずである。 斉藤検察官ひとりが捜査したわけではないから尚更であろう。小沢氏の全捜査資料はさぞかし膨大になるはずだ。 たぶんカバン持ちが必要なくらいだ。
もし薄いバッグ一つの軽装であったとしたら、斉藤検察官は「どこへ、何をしに」出かけるところだったのかということになる? 9月28日という日にちから「敵のつり球」ではないだろう。 それなら9月14日以前に設定するはずだ。 では別の検察審査会だったのか? しかし、そうそう上手く第1から第6の検察審査会の中でかち合うものなのか? もっとも行き先が東京の検察審査会だけとは限らない。
さらに「起訴議決前の説明」だけともいえない。 検察審査会が望めばいつでも検察官に説明を求めることはできるのだ。 以前に斉藤検察官が担当した別の案件が別の検察審査会で審査中だった可能性は、ゼロではない。 さらに広げれば、あの言葉だけでは「他の検事の代理で審査初期の説明」をしに出かける可能性も、ゼロではない。
こうして考えると、斉藤検察官の「検察審査会に説明に行く」だけでは第5検察審査会の違法議決の決め手にはなりにくい。 いくらでも逃げ道があるのだ。 「確かに第5検察審査会に来た」という紛れもない事実が現れない限り、堂々巡りだ。
ただ「これから・・・行く」と言ったからには、相手にも連絡済みなはずである。 だから「説明をしないで帰って来る」という事態は考えられない。 どこかの検察審査会には説明をしに行くのだろう。 しかしこの用務も「出張管理簿」に記載はされていない。
出張伺いに「隠密用務」は記載しなくてよい、なんていう特記事項はないからこの民間人との会話は「フェイク」だったのかもしれない。 刑事課長が「捜査機関としての具体的活動内容に関わる事柄であり」公表はできないとまで言った出頭月日を、一民間人にポロッと言っていいものかどうか?
ここからは私見であるが、斉藤検察官の行動は数々の「審査員もどき」と同じく一種の「だまし」ではなかったかと考える。 ひとつには出張の記録がないことである。 だから具体的行動は何もなかったということになる。 それなのに「検察審査会に出かける」と具体的に言っている。
二つめはなぜ「9月28日」なのかである。 確かにこの日は「第5検察審査会は開催されている」が、その前の「9月14日」に議決は終わっているのだから、本来検察官の説明は必要ないはずだ。 検察官が「これから行く」と連絡してきたときに、検審事務局は「議決は済みました」と返答するはずで、それを黙っていてあえて検察官に「空振り出張」をさせるはずがない。
では「9月14日には議決は済んでいなかった」ので、実際に検察官の説明を28日に行なったのか? それでは「出張管理簿の不記載」と「単身で説明する」がどうしても引っ掛かる。 「9月14日の議決したメンバーの一人が休みだったので、28日は引き返した」はどうだろう。 議決書署名は不可能かもしれないが、「検察官の説明」はメンバーが違っていても可能である。 むざむざ出直す必要はない。
結局、いずれをも満足する「解」はあるのだろうか?
@行ったとすれば第5検察審査会であろう。 そうそう自分の担当した案件の説明が同日に重なることはあるまい。 各審査会もずらして開催されるだろうし。
A実際の説明はやっていない。 その理由は「出張管理簿の不記載」と「単身で出張説明をするはずがない」からである。 それ以外の重大でない話ならひとりで充分であろう。 副部長なのだから何時間でも喋れる話題はあるはずだ。
Bこれはやはり検審事務局とタッグを組んだ「フェイク」の可能性が高い。 事務局は14日に議決が済んでいることを黙っていた。 言っていれば検察官は迷わずUターンさせられたはずだ。 一方、検察官は「捜査上の秘密」を一民間人に喋っている。 しかし「第5」検察審査会に行くとは言っていない。 出張管理簿にも記載してないから、ヤバくなればいつでもドロンできる台本だ。
Cしかしこれが本来のスケジュールだった。 10月4日に議決をするとすれば、9月28日あたりに検察官の説明を聞くのは無理がない。 だからその段取りで動いていたら、9月14日に「議決した」ことになってしまった。 あわてて「予定」を「フェイク」に切り替えた。 無審査議決(架空議決)なら急ハンドルを切っても何の影響もないだろう。
D万が一、議決と検察官の説明が逆になったのがばれても、2回目の議決が「無効」になることはない。 審査会長が検察官の出頭要請書を書くときには、すでに「起訴議決」の方向は定まっていなければならない。 だから説明を聞く聞かないに関わらず「起訴議決」は有効だった、と裁判長は判断するはずである。 少なくとも検察官の説明はやっていました、と釈明できるし。
Eなぜ9月14日にフェイクをかけなかったのか? 28日にできることなら、もっとよい14日になぜ実行しなかったのか、の疑問は残る。 14日ならピースはピッタリと収まる。 しかしその頃は斉藤検察官は「ほかの案件の捜査」で多忙だった、としたらどうだろう。 起訴にはならなかったようだが、汚名挽回の重要な事件を追っていたという情報もある。 だから「9月14日以前は説明の暇などなかったはずだ」という判断をしている人もあるくらいだ。 そんな斉藤検察官も28日以降は空けてあったのだろう、スケジュールどおりに。
Fなぜわざわざフェイクなど演じたのか? 説明の事実がない、しかもそれを聞く審査員もいない、となれば例の「審査員もどき」と同じく誰か役者に演じてもらわないと観客は納得しない、と考えたのではないだろうか。 「斉藤検察官が役者なのか?」という素朴な疑問も起きようが、彼はただ「9月28日に一般人に向かって、これから検察審査会に説明に行く」と発言しただけだ。 やったことはそれだけである、難しい演技ではあるまい。 彼に「ほんとに言ったのか?」と再確認しても、「検察審査会の審査の内容に関わる事柄を私がいつ話しました?」と、たぶん惚けられてしまう。 28日の出張記録がないんだから、検査官の勝ちだ。
以上は私の推測にすぎない。 しかし確かなのは、斉藤検察官が「第5検察審査会に説明に行ったらしい」といえる根拠は、今のところこれしかないのである。
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