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西洋哲学に出てくる『理性』を分かったふりしてきた日本の哲学者たちの集団自己欺瞞がおかしくて仕方ない/木田元(哲学者)
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/717.html
投稿者 仁王像 日時 2012 年 9 月 24 日 20:08:09: jdZgmZ21Prm8E
 

 ここにも西洋「経済学」をめぐる日本の学者たちの反応と同じ構図があると見て良いだろう/仁王像

「反哲学入門」木田元/新潮社‘07年から
第一章 哲学は欧米人だけの思考法である
・哲学を不幸な病気だと考えることが、わたしにとっては…出発点になっているかもしれない…。日本には哲学がないからだめだ、というふうなことを言う人がいるが、わたしは、日本に西欧流の「哲学」がなかったことは、とてもいいことだと思っています。

・デカルトの言う「理性」とは、神によって与えられたもの、つまり神の理性の出張所・派出所のようなものなので、それを正しく使えば、つまり人間のもつ感性のような自然的能力によって妨げたりせずに、それだけうまく働かせば、すべての人が同じように考えることができるし、世界創造の設計図である神的理性の幾分かを分かち持つようなものだから、世界の存在構造をも知ることができる、つまり普遍的で客観的で妥当する認識ができるということになる。
 デカルトの言う理性は、われわれ日本人が考えている「理性」などとはまるで違った超自然的な能力なのですから、それを原理にして語られていることが、われわれに分かるわけがない。われわれが劣っているということではなく、思考の大前提がまるで違うのですから、当然のことなのです。

・ニーチェ以降の現代欧米の哲学者たちは、そうした超自然的原理の設定を積極的に批判し解体しようとしているわけ。そう思うと、これまで日本の哲学研究者たちの集団自己欺瞞がおかしくて仕方なくなりました。分からないものは分からないと、率直に認めれば、なんの問題もなかったはずなのに。しかし、わたしにしても、それを口に出して言えるようになったのは五十を過ぎてからでした。


「新人生論ノート」木田元/埼玉福祉会‘08年から
 <理性について>
・デカルトの言う<理性>は、たしかに自然的な存在者としてのわれわれ人間のうちにはあるが、もともとは人間のものではなく、超自然的な神の<理性>の出張所とか派出所のようなものなのである。
 その上、この世界創造論によれば。この世界は神が創造したもので、あり、神の<理性>がいわばその設計図になっている。
 だが、そうだとすると、そんな信仰も前提ももっていないわれわれ日本人が彼のいうような<理性>をもっているはずはない。もっていなくて当然なのである。そう気が付いて安心もしたが、それと同時にそれじゃあ先生や先輩たちの、当然その程度のものはもっておりますといったあの顔はなんだったのだ! と思いもした。
 あの人たちも私同様うしろめたく思いながら、いまさらそんな<理性>は知りませんとも言えず。もっているふりをしていただけだったのか。これは集団詐欺じゃなか。…明治に西洋哲学の研究がはじめられてから百五十年近くなるが、その間誰も気づかずに。そうだとすれば、集団自己欺瞞ということになりそうだ。
 それはともかく、肝腎の<理性>が神的理性の出張所というのでは、自我をそうした<理性>として自覚することが、はたして近代的自我の自覚ということになるなかどうか、これもあやしいことになる。

 

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コメント
 
01. 仁王像 2012年9月24日 22:14:48 : jdZgmZ21Prm8E : 46KWFoOzyo
・「ratio 合理」と「reason 理性」の解釈変更か?
 http://www.asyura2.com/07/dispute25/msg/694.html
 投稿者 仁王像 日時 2007 年 6 月 23 日 10:14:11: jdZgmZ21Prm8E

02. 2012年9月24日 22:20:41 : lRUmTXZXWM
>>01
オマエ本当にバカなんだな。
飛躍しまクリで一行も読むに耐えんわ。

木田元に失礼だ。


03. 仁王像 2012年9月24日 23:52:25 : jdZgmZ21Prm8E : c4s64HK4Jc
 >>02
 ここでの01の引用は不適切でした。

 実はオリハルさんを念頭に置いた引用でしたが、次のコメントを付けるべきでした。
 「参考にしてください。ただ今となっては副島解釈全体を大きく疑っています」、と。
 横着しました。


04. 仁王像 2012年9月25日 21:12:51 : jdZgmZ21Prm8E : nfuOhewUMo
 オリハルさんの議論の仕方には馴染(なじ)めないので、こちらの考えを一方的に述べることにする。

 木田元は独学でラテン語やギリシャ語までものにし、原書にあたって半世紀あまりにわたって研究してきた。
その成果を勇気を以て語っていることに、敬意とそれを尊重したい気持ちを持つのは当然のことと考える。しかも日本人は西洋哲学の意味する「理性」は理解できないし、その必要もない、と言って下さる。キリスト世界の神とはどんな存在か、などと忖度して考え、無理に理解したつもりにならなくてもいいと言う。思考経済になる。
 ニーチェは「キリスト教は邪教だ」と言っているっくらいだから、西洋人でもデカルト的「理性」を認めないのだろう。そしてニーチェ以降、これが増えつつあることを木田元は示唆している。
 木田先生にことわりもなく、一歩進めて過激な言い方をすれば、西洋哲学の「理性」というのもある種の「虚構」と言えるのではないかと思う。宗教そのものが(いい意味も含めてだが)虚構とも言えるものだから。

 さて、日本語でも多々あるように言葉にはそれぞれ多義性がある。西洋社会の底流には「理性」についての副島解釈(「正当な手段で金儲けするのは合理的だ」等の思想※)もあるのかもしれない。これを否定しきれる材料は持ち合わせていない。
 だが、こと哲学の用語としてモロにこの解釈を取り入れるのはあまりにも波調が低い。哲学用語としては木田解釈(キリスト教的神が本来具備している能力)が最有力ではないかと思う。

 「ニュートンの肩に乗って前方を見る」という言い方がある。われわれ日本人は、哲学分野では木田元という哲学者の肩に乗ることによって、前方への視界が開けてきた、と考えたい。
 ※)全能の神が具備する「理性」の一部が人間に付与されると、これくらいの波調のものになるのかもしれない。

 (参考書)
 「キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』」F・W・ニーチェ/適菜収訳/講談社α新書


05. 2012年9月25日 23:43:26 : 2sk0neWnCY
「心即(ち)理」であると主張したのが王陽明の陽明学
幕末における倒幕の志士はみな陽明学を信奉した

そこには性善説が唱えられている
対する官僚制を築く基となって来た朱子学は性悪説が元に成っていると言える

性悪説=人間は生まれながらに支配コントロールしなければならないという考え

キリスト教以前から性悪説と云うものは唱えられていたが
贖罪による効果が多くの布教を目論む宣教師達に依って利用され流布されて以降
教団はその誕生の由来その目的から離れ真逆の向きに大きく発展していくこととなる

そうした中に純粋なキリストの教えは秘匿されていった

理性(直感)と知性は両方必要なものである
その統合そしてバランスが大事であり
そのどちらか一方だけで良いと云う事は無い


06. 2012年9月26日 11:17:56 : wpJPnkIYr2
>>04

哲学は三千年前と同じ問いを未だ続けています。
答えなど無く、考え続ける行為が哲学です。ここが宗教と根本的に違います。
固定され不動の知や真理など無いから不断に問い続ける必要があるという前提です。

日本語の様に主語を省き、空気を読んで周囲に従属的に行動する民族に哲学は馴染みません。主体性が大前提で、集団で群れたがる日本人気質と相反するもの。
理性も哲学も日本に無いと木田元がいうのは丸山が言ってたことに近く大雑把にいえばKY批判で言語構造の問題です。しかし木田は理性や哲学が駄目といっているのではなく、孤立して思索できない性の癖に、敗戦からか西欧コンプレックスの戦後知識人達の軽薄さ「知ったかぶり」を嘲笑し批判しているわけです。
これは非常に貴重な意見です。
留学経験者の経済学者がカブレタ知識を日本に植えつけるのも滑稽です。外部の知を日本に合わせて組み込んでゆくならまだしも、欧米が絶対という非対称性のもとで布教しようとします。

 引用されてるような新書、ニーチェはそんなこと言っていません。
売れれば何でもいいと学術書をマンガレベルに引き下げ押し売りする風潮は
世も末ですね。

何でもWEB検索に依存し、考えなくなっている人間像について
本当に望ましいのか考えてみるべきです。
(TVでTV批判を聞かないのと同様、ネット内でネット批判は皆無です。)
こういう似非学問が流通する背景には根本問題があります。
近代以降 宗教の代わりに科学技術信仰が蔓延し 「結果を出す」ことが優先され、プロセス「道のり」を無視する、これは結果さえ出れば不正など
「手段は選ばない」という思考法に切り替わり、
その結果の質自体がまるで変容してしまっている。
わかりやすいのが貨幣という記号です。
これは恐喝や泥棒しようが、汗水肉体労働した結果であろうが、
札にプロセスがどうであったかの色は着いていませんし、交換可能、この価値観内では量だけが問われ、それが富と力を生みます。社会が荒廃するのは当然の帰結です。
関係ないようですが、面白ければいい、わかりやすければいい という出版者の態度と受容者の怠慢もこの価値観に条件付けされています。
新書の類、溢れるニセ科学や陰謀論などプロセスや論拠を飛ばし、
派手なキャッチコピーや演出や効果だけが並べてある、これらは全て百害あって一理なしです。小泉のワンフレーズポリティクスも同様の受容のされかたです。

私達の日常を覆うWEBや技術依存によって
旧来あったはずの「考える力」を私達は奪われています。

十五年以上WEBウォッチしますが、語られる言説の劣化ぶりは凄まじい。
どんどん軽卒ですぐ結果を求めたがる。そうさせるよう仕向けた
A級戦犯が副島達でしょう 氏はただの商売人です。


07. 仁王像 2012年9月26日 19:22:20 : jdZgmZ21Prm8E : 10DVdtkbNA
 >>06

 ご指摘の通り、ニーチェは「邪教」という言葉そのものは使っていませんが、これに近いことは盛んに言っています。タイトルにこの言葉を採用したのは、出版社によるショーアップでしょう。
 翻訳者は、早大の哲学科でニーチェを専攻したということで、翻訳者の面目にかけてもニーチェを悪意をもって訳出するなどということはないと思います。(ニーチェはキリスト本人については好意的に言及しています)。

 >十五年以上WEBウォッチしますが、語られる言説の劣化ぶりは凄まじい。

 そうですか。私は5年ぐらいの体験しかないので、長期トレンドは分かりませんが、深刻な事態を迎えていることは直観できます。
 日本は一度、原発とともに徹底した崩壊過程に入りその苛烈でどうしようもない状況のなかから、再度国を立ち上げていく勇者たちが輩出していく僥倖に期待するしかないのかもしれません。


08. 2012年10月07日 10:39:58 : 75ptwXD47E
>出版社によるショーアップでしょう。

学問を崇め、娯楽を蔑視しているのではありません。
それらは本質的に違うものであって峻別されるべきです。
「学問風の娯楽」「高尚然とした文化」というものは日本社会において
非常に厄介な役割を演じるのです。
典型例が文化人という名の御用学者にいい加減なコメント言わせ
世論を方向付ける報道バラエティでしょう。
TVは考えない国民製造装置でネットもそれに近づきつつありますね。

>翻訳者は、早大の哲学科でニーチェを専攻した
こういう場面での権威付けが学歴ですね、副島氏も早稲田でしたね。
商売であえてへりくだって演じているにしても、氏の頭脳は超低級で文体の品性下劣さは救い難い。日本のガラパゴス偏差値など
予備校や塾産業という戦後日本文化がでっち上げた数値でお粗末なものです。



09. 2014年10月18日 05:51:54 : Yx7RO9xmj2
まぁ西洋もいまだに日本についてなにもわかってないんだから
お互い様だろうw

>>08
わかってないのに西洋あがめてるこういうタイプのアホが日本に多いな^^
ガラパゴスとかネガティブな言葉でつかっちゃってる時点でお察しだわw


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