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経済学で失業対策の中に職業斡旋とか職業募集広告の拡張とかあるが本当に効果があるのでしょうか。
たとえば皆さんも新聞で募集欄を見ますよね。大体1行広告のように職種と給与と電話番号ぐらいしか書いてないやつです。外国にもクラシファイドとかの名前で出ています。この手のマスコミが発展してない(許されていない?)中国なんかじゃ職業紹介の店頭に、松下850元とか豊田900元とかあからさまに職種と月給が列記されていたりしますが。
どこの国でも新聞の一行広告欄に出ているのは清掃とか調理、営業、あるいは土工などの建築関係やタクシーやダンプの運転手、女性なら風俗関係等ですが、日本じゃ大体日給で8000円ぐらいから始まってます。
あれを見る立場の方々も決して楽しい気分じゃないと思いますが、確かに多くの就職の機会を提供しています。
しかし、人材会社の斡旋等と違って悲しいのは、まるで人間を部品のように扱っているところが露骨にでているところです。そしてあの新聞の募集広告はほぼ低給与に限定されています。たとえば大型運転手とかの月給40万ぐらいが一番いい給与水準ですが年収でも500万ぐらいの平均年収にも満たないものです。
そして、70年代以降、リクルート雑誌が興隆してからこの手の企業が増えるととに逆に若年層の失業率が増大しています。重厚長大産業の没落と反比例してアルバイトや契約社員を主な労働力とするファーストフードやコンビニ、大手チェーン店が新たに大企業化して上場して日本の経済の中心となりつつあります。この手の産業は新聞ではなくもうちょっとおしゃれな募集雑誌によっています。今じゃそれも買う金がなく駅でただで配布していますが。
いわば、低給与の募集広告と手に手をとって大企業も中小の建築や飲食業も経済活動を維持拡大してきました。(昔は中小企業がいつも人材募集の張り紙を出しているのは世間的にも信用の落ちかねない恥ずかしいことだったと思います。)
従来は経済学者もこの手の社員募集広告は失業率を押し下げるといってますが本当でしょうか。皆さんも経験で知っているように労務待遇の悪い会社ほどいつも募集広告を出しています。辞めては補充し、辞めては補充しが恒常化しています。労務管理や給与の悪い会社が淘汰せず、逆に存続し拡大する大きな力となっているのです。そして景気が悪いと広告も減ってそこに求職者が群がることから広告を出す企業の給与水準を下げる効果もあります。
対策としては常に広告を出している会社を労働基準監督署や職種別労働組合とかが厳しく監察を入れるとか消費者の製品評価雑誌のような企業への労務評価を公表するとかして悪質企業の社員募集広告利用を防ぐ、あるいは対抗する必要があります。また、広告雑誌自体にも当然仲介の責任をもっと強くフィードバックさせるようにするべきです。広告によって何らかの利益を共有しているのですから、判決でも節度のない人材広告雑誌には重い刑を科すべきです。程度の差はあれ人身売買の女衒の片棒かつぎと同じなんですから。
そして基本的には低給与の職ほど労働組合の組織率も下がりますから募集にかかわる面からも慎重に厳しい労務労働基準を適用して低所得労働者の保護を厚くすべきでしょう。また、それ以上に社会的に悪質な使い捨て企業を監視する仕組みが必要でしょう。
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