http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/522.html
Tweet |
http://www.snsi.jp/tops/kouhouprint/1478
「1195」 グローバル企業を研究する。グーグルとCIAの関係 2011年2月21日
アルルの男・ヒロシです。今日は2011年2月21日です。
昨日(20日)は、私たち主催の定例会に来場いただきましてありがとうございましまいた。
副島先生の話も用意した資料から外れた内容も有りましたが、迫力のあるものでした。この内容は近いうちにDVDにまとめて皆様の前にお届けできると思います。
さて、その講演会の終了時に私の方にひとつの質問が寄せられました。それは「グーグルとCIAの関係は?」というものです。
グーグルについて、私は去年3月にまとまったレポートを書いておりました。その内容を貼り付けます。そして、その後、CIAとグーグルの提携はさらに進んでいるようです。そのことをほうじたネット記事を紹介します。ツイッターやフェイスブックなど、インターネットの新しいツール(道具)が登場しております。クラウド・コンピューティングなどと言われておりますが、それは便利さと同時に何かを手放すことでもあります。便利さの裏にはなにかあると思った上で利用しましょう。
アルルの男・ヒロシ拝
以下、記事の転載開始
====
グローバル企業名鑑(2)グーグル
2010年3月記、中田安彦
【リード】
「他の企業がグーグルに追随して中国当局と対立することは期待していない」−−グーグルの会長兼CEOのエリック・シュミットはこう語る。中国からのサイバー攻撃に抗議するとの理由で同国のウェブ検索事業から撤退した同社だが、一方で米国内や欧州諸国で「独占企業」の‘疑い’も掛けられている。3月時点で245億ドルのキャッシュを有する(FT紙)と言われる同社の成長の源は検索事業を補う買収攻勢にあった。今や「スマートグリッド」にも進出する同社は現政権とのつながりも深い。
【社史】
グーグルが誕生したのは98年だが、二人の創業者、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがであったのはその3年前、スタンフォード大学であった。ミシガン州生まれのペイジとモスクワ生まれのブリンは翌96年1月「グーグル」の原型となる検索エンジン「BackRub」(バックラブ)を開発する。これは同大学の研究プロジェクトとしてスタートしたもので、最初は同大のドメインを使用していた。やがて、98年にカリフォルニアの二人の友人のガレージの一角を借りる形で会社としてのグーグル・インクが立ち上がる。「グーグル」とはgoogol(10の100乗)から来る名前である。
グーグルは、シリコンバレーのベンチャー・キャピタルの出資を得て成長していく。まず、98年にアンディ・ベクトルシャイム(IT企業サン・マイクロシステムズの創業者の一人)から出資を受け、翌年には、「クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ」(KPCB)とセコイア・キャピタルズなどから合計2500万ドルの出資を受けた。KPCBとの関わりは今でも続いている。グーグル以外にもamazon、AOL、セグウェイ、サンマイクロなどの米IT系企業への出資で知られる。KPCBは現在は環境ベンチャーとして有名になっている。時代の先端企業を生み出すファンドである。
株式上場は04年。主幹事となったのはモルガン・スタンレーとクレディスイスであった。公募価格85ドルに対して初値が100ドルであった。同社の株式は議決権に違いのあるA株とB株で構成されている。IPO時点では発行株総数のうち89%が関係者によって保有されていたという。現在も創業者の二人は全体で18%(議決権で59%)の株式を保有しているという。(SEC資料)今後5年に渡って一千万株を市場に放出していくというが、それでも48%議決権を保有するという。
グーグルの現在の経営を行っているのは、CEO兼取締役会長のエリック・シュミットである。シュミットはカリフォルニア大バークレー校やプリンストン大学を出た後、サン・マイクロシステムズなどのIT企業での勤務を経験、サンではプログラム言語Javaの開発に関わった。KPCBのパートナー(共同出資者)であった、ジョン・ドーア(インテル出身)の人脈でグーグルの経営者に抜擢された。シュミットCEOのもと、グーグルは相次ぐ買収を繰り返していく。大きな買収は、06年の動画投稿際とYouTube(16.5億ドル)、翌年のオンライン広告大手のダブルクリック(31億ドル)だ。その他にも、いまアップル社のiPhone、カナダ・RIM社のブラックベリーと並んで知られるスマートフォンであるネクサスワンなどのOSを開発した「アンドロイド」(05年)も買収した。しかも、現在もキャッシュフローを245億ドル保持している(FT紙3月4日)といわれる。「無駄な買収はしない」とシュミットは語るが、マイクロソフトの300億ドル、アップル248億ドルと並んで注目すべき額だ。なお、グーグルの主な収益源は検索広告であり、今でも99%を稼ぎ出す。
ただ、ここで注目しておくべきなのは、04年に買収を行った、地図分析企業のKeyhole社の買収だろう。この会社は01年に設立された、地図情報を提供するソフトウェア開発企業で、「グーグル・アース」の技術を開発した。そして、このKeyholeに出資していたのが、In-Q-Telという企業。同社は本社をヴァージニア州アーリントンに構えており、同州ラングレーに本拠を構える米中央情報局(CIA)の出資で99年に設立されている。
一応、CIAとは独立の企業ということになっているが、同社のウェブサイトの理事会名簿には今もキッシンジャー・アソシエイツ副会長で元CIA副長官のジャミ・ミシックの名前がある。そして、一時、グーグルにはIn-Q-Tel出身で現在はITベンチャーキャピタルを運営するロブ・ペインターなる人物がシニアマネジャーとして在籍していた。グーグルが中国政府に狙われるのは、グーグルアースやGPS機能を使ったサービスに対する警戒という要素もあるのかもしれない。
【人脈】
まず最初に述べるべきは、シュミットCEOが欧米大企業の経営陣や政治家によって構成される、ビルダーバーグ会議の常連メンバーであるという点である。また、米政府との関係では、彼はオバマ大統領の科学諮問委員会メンバーである。そして、KPCBのドーアもその委員である。経済復興諮問委員会に所属するGEのジェフリー・イメルトとは、「スマート・グリッド」と呼ばれる新種の送電線の事業でパートナーシップを結んでいる。(2009年1月16日)また、グーグル独自でも、子会社「グーグル・エナジーLLC」を設立、消費者が賢く電気使用量をコントロール出来る「スマート・メーター」の事業に乗り出している。
グーグルに出資している、KPCBと持つ人脈も重要である。KBCPには戦略パートナーとして、コリン・パウエル元国務長官(元統合参謀本部議長)を招いているほか、ジェネレーション・インベストメントの創業者であり、地球温暖化ビジネスで先駆者のアルバート・ゴア元副大統領もパートナーに参加しており、アメリカのイノベーション戦略の中核となる人物がKPCBには関わっている。グーグルが一時5%株式を保有し、現在も提携関係にある、アメリカン・オンライン社の取締役会には、グーグル出身のティム・アームストロングCEO、パウエル元長官の息子で元連邦通信委員会(FCC)議長のマイケル・パウエルの名前がある。
さらに、KPCBが出資手いるブルーム・エナジー社は、スマートグリッドで核となる燃料電池発電機を開発する新興企業であり、取締役会にはドーア、パウエル元長官が参加しているのも見逃せない。
【展望】
ベンチャー資本のマネーから生まれたグーグルは、そこで働いた社員たちから新しいベンチャー投資家を生み出している。一例を挙げれば、Twitterの共同創業者であるエヴァン・ウィリアムズは元はグーグルのプログラムマネジャーであった。(Businessweek誌)
ただ、今年に入って中国の検索事業からの撤退を表明。背景には中国からのハッキング攻撃があったといわれる。ソビエト出身の創業者ブリンにとって、国家統制による事業の停滞は耐え難いものだったともいわれる。
ただ、一方ではグーグル自身が米議会や欧州委員会から「独占」の疑いを掛けられる立場にある。シュミットが09年に取締役兼任関係を結んでいたアップル社のボードメンバーを退いたほか、ドーアもamazonのボードメンバーをやめている。直近の動きでは欧州の電話会社数社がYoutubeなどのサービスのトラフィックが各社の回線を「ただ乗り」しているとして批判している。
地図情報から遺伝子情報、そしてユーザーの個人情報まで世界にあふれる情報を集約し、サービスを提供していく巨大企業グーグル。次はどんな情報を収集していくのだろうか。
(2010年3月記)
===
そして、インターネットマガジン「WIRED VISION」の去年の記事の転載
(転載開始)
GoogleとCIAが投資する「世界監視システム」
2010年7月30日
Noah Shachtman
マサチューセッツ州ケンブリッジにある社員16名の新興企業、米Recorded Future社が、米Google社の投資部門である米Google Ventures社と、CIAなどの情報機関のために投資業務を担っている非営利機関In-Q-Telからの投資を受けている。
Recorded Future社が評価されているのは、リアルタイムでウェブを監視する同社の技術だ。無数に存在するウェブサイトやブログ、Twitterアカウント等を監視し、人々や組織、行動や出来事の間の関係を明らかにし、将来を予測する。
同社はホワイトペーパーの中で、同社の「時間分析エンジン」エンジンについて、「同じ、または関連する出来事(イベント)について述べている文章どうしの、直接的ではない関係を調べる」ことによって、「検索を超えた能力」を可能にするものだと述べている。
その狙いは、一つ一つの出来事について、誰が関わり、どこで発生し、いつ終わりそうなのかを分析することだ。分析後、Recorded Future社はそのさまざまな情報をグラフ化し、あらゆるできごとの「動き」をオンラインで表示する。
Recorded Future社は、各種の出来事がいつどこで発生したを調査したり(「空間分析」および「時間分析」)、文章の調子を分析したり(「感情分析」)した後、いくつかの人工知識アルゴリズムを適用して、当事者どうしの関係を解き明かしていく。同社は、1億件以上の出来事を取り出せるインデックスを、 Amazon.comサーバー上で所有している。
Google社が米国の諜報機関と共同で事業を行なうのは、今回が初めてというわけではない。同社は、自社のネットワークの安全を守るために国家安全保障局(NSA)に協力を依頼したことがあるとされているほか、数年前にも、信号傍受を行なう秘密機関に機器を販売したことがある。またIn-Q-Telは、地図製作の米Keyhole社の支援を行なっていたが、この会社をGoogle社が2004年に買収して『Google Earth』の基幹システムとした。ただし、Google社とIn-Q-Telが同じ会社に投資することは今回が初めてだ。
Recorded Future社は2009年に設立され、直後にGoogle社とIn-Q-Telがこれに投資した。投資金額は明らかにされていないが、それぞれ1000万ドル以下とされる。(投資に関するGoogle社のページはこちら。In-Q-Telのページはこちら)。Google社とIn-Q-Telの両方が、Recorded Future社の取締役会に参加している。
Recorded Future社を設立したのはChristopher Ahlberg CEO。元スウェーデン軍のレンジャーであり、コンピューター科学の博士号を持つという人物だ。以前にはSpotfire社という企業情報サービス会社を起業し、2007年に1億9500万ドルで売却している。
米国の各種諜報機関は、In-Q-Telを通して、多数の企業に投資を行なって来た。例えば米Visible Technologies社は、1日に50万ヵ所以上のWeb2.0サイトを巡回し、ブログやYouTube、Twitter、Amazonなどにある百万件以上の投稿や会話を収集、分析している。
米Attensity社は、ウェブ上にあるいわゆる「未構造化テキスト」に文法ルールを適用し、政府のデータベースがそれらのテキストを簡単に処理できるようにしている。 Keyhole(現在の『Google Earth』)は、軍関係の諜報部門が携帯電話を追跡するときには欠かせないシステムとなっている。
{この翻訳は抄訳です}
[日本語版:ガリレオ-佐藤卓/合原弘子]
http://wiredvision.jp/news/201007/2010073023.html
(転載終わり)
エジプトの民主化運動でもエジプト国内のグーグルのゴニムという若い幹部が突然「インターネットを使って革命を呼びかけた人物」として浮上してきた。彼は今やエジプトの若者運動のシンボルとなっている。このヒーローの裏側に何があるか。このことも冷静に考えてみないとならないと思う。念の為にWSJ.comの記事を貼り付ける。
(記事貼り付け開始)
グーグルCEO、ゴニム氏は「社の誇り」
2011年 2月 16日 7:23 JST
米グーグルのシュミット最高経営責任者(CEO)は15日、ムバラク・エジプト大統領を退陣に追い込んだ反政府運動の中心人物の1人で同社社員のワエル・ゴニム氏は同社の「大きな誇り」だと述べた。
グーグルの中東・北アフリカ販売担当責任者であるゴニム氏のソーシャルメディアの専門知識は、エジプトの反政府運動の端緒を開いたと高く評価されており、シュミットCEOは、テクノロジーが社会のエリートクラスよりもむしろ一般大衆に役立つ将来を指し示す一つの例となる、と強調した。
シュミットCEOはスペイン・バルセロナで開かれているモバイル・ワールド・コングレスで発言した。
ゴニム氏はフェイスブックを使ってカイロでの抗議活動を組織、これによって同氏は1週間以上治安当局に秘密裏に拘束されることになった。グーグルはこれまでゴニム氏の反政府活動への関与について慎重な姿勢を示し、同氏の安全を心配しているとしながらも、同氏がグーグルの代理人として活動しているわけではないと指摘していた。
シュミット氏は4月にCEOポストを共同創業者のラリー・ページ氏に譲るが、会長として同社に残る。
同CEOは将来について楽観的な見方を示し、これまで以上に大衆が多くの情報に接することができるようにしてくれるテクノロジーは、大衆にとっての世界をより良くしてくれると語った。
さらに、インターネット上のアドレスは残りが少なくなってきているが、新しい技術への移行の過程では若干の問題が出てくる公算が大きいと指摘した。
その上で、コンテンツプロバイダーや通信会社、電子機器メーカーはこの転換に向けて準備をしてきているが、多くの古いルーターや家庭内の機器はIPv6と呼ばれる新しい技術に対応できないかもしれないと語った。IPv6は次世代の通信プロトコル。
グーグルやヤフー、フェイスブックなどは、潜在的な問題を突き止めるためのIPv6のテストランを6月8日に行う。
シュミットCEOはまた、グーグルの携帯用基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した機器は毎日30万台以上のペースで始動しているとし、世界で最高の伸びを記録していると述べた。この発言は、スマートフォン市場でアンドロイド搭載機器がますますアップルの「iPhone(アイフォーン)」を圧迫していくことを示唆したものだ。調査会社カナリスによると、昨年第4四半期に出荷されたスマートフォンのうちアンドロイドは33%で、前年同期の8.7%を大きく上回った。アンドロイド機の台数はアップル製品の倍だった。
記者: Scott Morrison
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Technology/node_183709
(転載終わり)
アルルの男・ヒロシ拝
copyright(c) 2000-2009 SNSI (Soejima National Strategy Institute) All Rights Reserved.
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。