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今のアメリカの何がまずいか 今の世界の情勢を読む上で鍵になる要素が幾つかあると思います。今までに一連番号772「世界は高レベル核廃棄物処分場を求めている」、780「世界に広がりつつあるマインドコントロール」、788「社会の複雑化に取り残される個人」、793「少なくとも大規模な大気汚染を伴わない原発事故は有り得るか」、801「意識と現実の乖離」の五つの記事を書いてきましたが、今回は六回目「今のアメリカの何がまずいか」です。 現在、アメリカ一国が世界の覇権国であり、いわゆる一極構造になっていることに異論はないと思います。世界各国の軍事費の約半分をアメリカ一国で使う状況が背後にあり、アメリカの軍産複合体はそのだけの費用をかけた見返りを常に求めなければいけない事態に陥っています。または、常に何らかの利益を求めて行動してきた結果が今のような軍事費をかける事態になったとも言えるでしょう。 また、単に軍事力、それも表立ったミサイルとか核兵器といった兵器の優位さのみが今のアメリカ一極構造を作っているわけではなく、エシュロンをはじめとした情報収集・情報操作を担う組織面でのアメリカの圧倒的な優位さがあることも多くの方は直ぐに同意されるはずです。 今の世界は大ぴっらに軍事力を行使する機会はあまりありません。ですから、空母や攻撃機による力が使われるよりも情報収集・情報操作による世界支配が行われます。 今のアメリカの問題点はこの情報収集・情報操作のやり方があまりにえげつないものになっていて、本来の統治機構である議会や政府のコントロールが効かなくなり、こういった情報機関が独り立ちして勝手に自己増殖を始めている点です。 アメリカ一極構造が作られているのは結局のところ富をアメリカが独占をしたいという動機があるからです。そして、事実、どんどんと世界の富はアメリカへ集まりつつあります。 問題はそのかなりの部分が多かれ少なかれ不当性を持っているという点です。何らかのインチキがされて得た儲けであり、いわゆる上層部がそういった儲けを手にした結果、そういったインチキを担当していた人達が自分たちも同様の富を得たいと言い出していて、より多くの餌食を求めて猛烈に活動を始めているのが今の状況ということです。 既に、アメリカの覇権は世界中に浸透していて、多分、例外なく世界中の国の政府やその国のリーダー層へ一定のアメリカの軍産複合体の息のかかった人たちが存在しています。そして、かなりの国はほぼ完全にアメリカのコントロール下にあり、アメリカの属国として存在しています。 ここで大きな問題が生じます。敵を征服してそこから富を収奪するのではなくて、既に自らの軍門に下った、つまり、自分たちの仲間になったはずの国々を改めて犠牲にせざるを得なくなってしまっているのです。 この状態は仲間内に自分もいつかは食われてしまうという意識を生じさせます。このままアメリカ一極構造を支えていていいのだろうかという危惧を抱かせる訳です。そして、こういった意識を仲間が持つことはアメリカの軍産複合体の中枢も自覚をし、この状態は永続しないと理解しているはずです。 ですからこういった強欲さを目指した体制はもともと永続は出来ないということを訴えていくことによってアメリカ一極構造に対処する道が拓けてきます。 ただ、いわゆるゲーム理論から言うと、共食い構造による組織瓦解を防ぐために、一定の正義派の導入が有効です。強欲はまずいんだと表立ってはっきりと主張する勢力を認めることで、それとの緊張関係を作り出し、組織の緊張を維持するのです。 実を言うと、自分はこういった役割をやらされているのかなと感じる時もあるのです。 ともかく、今のアメリカの情報収集・情報操作担当の勢力の強さは群を抜いていて、余りにも強すぎるということが自己矛盾を招いているのです。 そして、根本的には人は強欲によってのみ生きる訳ではありません。このことをきちんと訴えていくことが結局はもっとも効果的にアメリカの現状を変える手段になるのかなと思います。 けれど、現実に露骨に食い物にされている国々があり、日本もすでにかなりの程度そうなっています。リビヤはかってそういう時代があり、カダフィ大佐をはじめとした自由将校団が立ち上がって新生リビアを作ったわけですが、結局のところまたアメリカの強欲の餌食になってしまいました。リビアの持つ石油資源だけではなく、カダフィ大佐がやろうとしていたアフリカ統一連合とかアフリカ統一通貨構想がアメリカの強欲さの妨げになると思われてしまった面があると思います。現実に露骨に食い物にされているとき、こういった形で対抗勢力を作りたいと思うのはごく当然のことです。日本もあまりに露骨に犠牲が出てくるようになったら、アメリカを説得するというのではなくて、アメリカに対立するという形をとらざるを得なくなるでしょう。そうなれば、日本にとっても、そして、アメリカにとってもいいことではありません。日本は犠牲になるばかりであり、アメリカは本格的にその武力を使った鎮圧を図ることになり、強欲さに基づいた一極構造がより徹底してしまうからです。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<815>>
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