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意識と現実の乖離
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投稿者 taked4700 日時 2011 年 10 月 27 日 20:08:39: 9XFNe/BiX575U
 

意識と現実の乖離

 今の世界の情勢を読む上で鍵になる要素が幾つかあると思います。今までに一連番号772「世界は高レベル核廃棄物処分場を求めている」、780「世界に広がりつつあるマインドコントロール」、788「社会の複雑化に取り残される個人」、793「少なくとも大規模な大気汚染を伴わない原発事故は有り得るか」を書きましたが今回は5回目「意識と現実の乖離」についてです。

 ある意味、元々、人間の意識は現実と分離しています。人間だけではなく生物一般の存在そのものが今の状態を何らかの形で変えていこうという試みですから、これは生物としての宿命とも言えるものかもしれません。

 ただ、今までの人類の歴史で、その多くは以前の時代の繰り返しであり、今何をしていれば、将来何が起こるか、それが分かっていました。

 しかし、現代はそうではなくなっています。現代は急激に変化を遂げている時代であり、100年前と今とでは生活のほとんどの場面で大きな変化が起きています。20年前、10年前にやっていたことをそのまま繰り返すことが必ずしも未来につながらず、大きな破綻を招くことにつながりかねないのが現代なのです。

 それが最も典型的に現れたのが、今年3月11日に起こった福島第一原発事故でした。戦後日本に一時的に訪れた地震の静穏期が通常の状態であると一般市民もそして原発を直接担当する多くの方たちもが思い込んだことや、原発という技術があまりに巨大化していて、更にその背後に原爆保有国の原発は安全なものであるという宣伝があったため、地震国日本における原発保有の危険性に気が付くことが出来なかった訳です。そして、さらに悪いことに、福島第一原発事故が起こることを許してしまっただけでなく、その事故原因の解明を遅らせ、または隠し、想定外の津波が原因だとしつつあるわけです。しかし、少なくとも福島第一原発1号炉はあまり激しくない揺れによって壊れたはずです。多分、日本にある多くの原発がその直下でマグニチュード6から7程度の地震が起これば今回の福島第一原発事故を上回る放射能漏れを起こすでしょう。マグニチュード4から5程度の地震が原発直下の震源深さ10キロ以内で起こればそれで壊れてしまうことも有り得ると考えています。

 技術とか社会の仕組みが複雑化した結果、全く責任のない方が犠牲になっていかざるを得ない、または本来全く関係のない方が苦しまざるを得ないという事態が数多く起こっています。

 本来なら公的な機関、役所や裁判所、警察が適切に動いて問題を解決しているはずが、実態はその真逆で、公的な機関が大きな嘘をつきごまかしをして一般市民を騙すことがよく起こります。財政赤字の累積はまさにその典型であり、国内資金で国債消化が出来ているからいくら国債残高が増えても心配ないというのは大きなウソであったわけです。皮肉なことに、この結果、近い将来、公務員の多くの方は財政赤字解消のためにかなりの代償を払わざるを得なくなるでしょう。今のギリシャがそうであるように。

 技術の進歩によって現実が変わります。多くは改良されるわけですが、その意味を人間が必ずしもきちんと理解できているわけではありません。例えば妊娠防止用のピルやコンドームの大規模な普及は性と生殖を完全に分離し、結果的に性の無意味化を促した側面があります。このことはアメリカの心理学者ロロメイによって指摘され、生活全般にわたる無感動・無関心を生み出したとされます。つまり、性の安売り状態が出来上がってしまい、男女ともに気軽にそれに臨むことができるようになった反面、自分自身が大昔から引き継いできた命を次の世代へ引き継ぐといった生命の再生産という側面が見失われてしまったわけです。子育ては大変です。そういった大変さから開放されたことが気軽さを生み、その反面、そういった大変さを伴わない性自体が無意味化していったということです。そして、そういう事態がエイズ感染を招く土壌ともなっていきました。

 同様な事例として是非挙げておきたいのがインターネットです。インターネットは個人がマスコミの手を借りずに社会一般へ情報を発信することができる、そして同時に社会一般から情報を集める、または送り付けられることを可能にしました。しかし、個人はその本名を名乗ることなくハンドル名という一種のペンネームのようなものを使う習慣が作られた上で一般市民へ公開されたのです。そのため、全く事実とは異なった中傷が大規模にされたり、成りすましによる情報操作がされています。不特定多数へ情報発信ができるのですから、その信頼性確保のためにも本名を名乗る必要があるはずですが、まるでハンドル名使用が当然であるかのような風潮が最初から作られています。パソコンやスマートフォンが大規模な情報収集に使われている現状を見ると、ハンドル名使用による情報発信は情報操作を目的としたものと考えるべきだと思います。インターネットの事例は明らかに世界を相手にした情報収集、情報操作を目的として世界中の国へ広められたという意味で、ピルやコンドームの事例とは異なるものです。

 もう一つ、この記事の最初の部分で触れましたが、やはり大規模に一般市民の認識と現実が乖離している事例が銀行による信用創造の実相です。以前の信用創造は銀行が集めた民間の余剰資金を同じく民間の企業へ貸し出すことによって行われました。当然、民間企業は倒産の可能性もあり、信用創造に一定の歯止めがかかり、経済の健全性が担保されました。しかし、現代は異なるのです。国債や地方債などの公的債権が大量に発行され、公的なものだから倒産の心配がないとされて歯止めが効かず、結果的に返済がほぼ不可能な程度にまで公債残高が積み上がってしまったのです。公的機関に対する信用が作り出した典型的なバブルであり、将来いつかの時点で破裂するのは確実です。しかし、政治家や官僚があまり事実を公表しないため、こういったバブルが存在することさえほとんどの市民は意識していません。この背景にあるのは、軍事作戦の戦費負担や米国債の購入という形で日本の富を吸い出そうという国際的な動きがあるからでしょう。日本の財政はまだまだ余裕があるので安心して居ていい。無関心でいて欲しいという宣伝がされているわけです。

 バースコントロールによる意識と現実の乖離、つまり、性を気軽に「利用」できる、またはしてよい意識が性自体を無意味化し、更に社会生活においての無感動とか無関心という態度を大規模に作り出したという現実、これは基本的に誰かが意識して作り出した乖離ではないでしょう。しかし、インターネットの利用とその影で行われている情報収集・情報操作や銀行による信用創造の悪用とも言える事態は、共に、一定の勢力が一貫した意志を持って行なっているものです。

 つまり、以前は鉄砲や剣を持って行われた争い、戦争または侵略が現代では目に見えないものとしてなされているのです。

 武器の進化は二つの方向に向いています。一つは強力化です。より大きな破壊力を持ったものへ向かう動きです。もう一つは透明化とでも呼ぶべき動きです。戦闘機や偵察機のステルス化、つまり、敵からのレーダーに探知されない能力ですが、これは典型的な透明化への動きでしょう。相手への攻撃や支配そのものを透明化しようという動きが現代の意識と現実の乖離の背景にはあるのです。

 なるべく大きな大砲を作って、相手から見えない、つまり相手から攻撃をうけないところから一方的に相手へ攻撃を加えたいと考えるのは、ある意味、ごく当然のことです。

 しかし、現代は、この透明化の動きがあまりに巧妙になりすぎているのではないでしょうか?つまり、バースコントロールの方法があまりに手軽なものになったがために性の意味が劣化してしまったように、支配や攻撃の手法があまりに透明化され、結果的に戦いとか支配、攻撃といったものがあまりに手軽なものになってしまい、支配する側の劣化を招いてしまっているのではと思うのです。

 アイヌの人々が獲物を殺した時にその霊魂を悼むのは、医学関係の研究者が実験動物の慰霊をするのは、単に相手を悼むだけではなく、相手の犠牲の上に成り立っている自らの生がどの程度意味のあるものをか思うときでもあったはずです。結局は細菌も昆虫も、獣も魚も、そして人間も、生まれては歳をとりやがて死んでいくという意味では同じであり、自然が試みた命という一投であることに変わりはないのです。その意味で他の命の痛みを感じることができなくなることは、やがて自らの命の価値を忘れ去ってしまうことにつながるはずです。

 そして、こういった見えない支配がされていることを一般市民の方が理解をされていくこと、更に、そういった見えない支配はだれにとってもいいものではないということをなるべく多くの方が理解をされていくことが必要だと思います。

*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<801>>
 

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コメント
 
01. taked4700 2011年10月27日 20:21:17: 9XFNe/BiX575U : IanDpFU7gs
記事投稿者です。

>バースコントロールによる意識と現実の乖離、つまり、性を気軽に「利用」できる、またはしてよい意識が性自体を無意味化し

バースコントロールによる意識と現実の乖離、つまり、性を気軽に「利用」できる、またはしてよいとする意識が性自体を無意味化し

です。一部、言葉が抜けていました。お詫びして訂正します。


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