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正常性の罠
「多数派同調バイアス」とか「正常性バイアス」というものがあるそうだ。列車事故で、煙が流れてきても他の乗客が騒ぎ出さないと自分も逃げようとはしないというやつだ。僕の周りで、僕が買い物をするときに下剤や何らかの毒物が仕掛けられた食品を店員さんが絶対に知っていながら平気で僕に売りつけるのも、そういう行為をやっている、またはやっていいとする人たちがほぼ普遍的に存在するからだ。もう2年かそのくらい前だったが、あるコンビニで、「なぜこんな毒入りを売るんだ。おかしいだろう」と言ったら、その店長は「他の店もみんなそうだろう。」というようなことを答えたものだった。日本人はこのように同調意識というか協調圧力というか、そういったものが非常に強いとよく言われる。しかし、多分、アメリカも中国もインドも同じ人間が住んでいるわけで、多くの国々でこういったことはほぼ普遍的に見られるはずだ。
ただ、列車事故で煙が立ち上ってきたら火災が発生しているはずで、逃げなければ焼け死んでしまう。同様に、放射能汚染された環境で本来の対策をしないで生活していれば、やがて健康を壊すことになる。
問題は単に偶然に異常に気がつかない人が多数派であるのか、それとも故意に正常性が装われているかなのだ。
単に多くの方が異常に気がつかないだけなら、被害がある程度積み重なった段階で学習効果が働き、そういったことを繰り返さないように何らかの対策がうたれる。
しかし、故意に正常性が装われている場合、大きな問題が生じる。故意に正常性を装うのだから、基本的に社会全体にとっては正常ではない事態が正常だとされていくわけで、結局、その社会全体が劣化していくからだ。
今日本も含めて世界中の国々で進められている植民地化は、多くの場合、いかにも正常なことだという装いをしている。またはその本当の意図を表すことをしないで、別の意図があるように偽装をしている。
日本でここまで財政赤字が積み上がったのも、地震国日本に50基以上の原子炉が作られたのも、正常なことなんだと多くの市民、または政治家に思わせてきたからだ。
ただ、何が本来のことなのか、または、何が現実に起こりつつあるのか、現在の状況が続いた結果例えば5年後10年後どうなるのかといったことは判断が難しい。被害が実現化していないから、どうしても現実にある利害関係にこだわってしまうからだ。10年後に糖尿病にならずに健康でいるのと現在ビールを飲むのと比べると、どうしても現在ビールを飲み、10年後の糖尿病リスクは無視してしまいがちだ。
少なくとも今の日本で進行している放射性物質による環境汚染は、故意にその程度が軽く見せられていると思う。いろいろな理由があるだろう。会社存続のため。株主保護のため。その他その他、多分大きな要素だけでも10や20はあるのだと思う。しかし、最も隠れたところで今回の福島第一原発事故を小さなものに偽装しようとしている人たちがいて、彼らにとって「会社存続のため」とか「株主保護のため」という理由はある意味便利な隠れ蓑でしかない。そうやって関係者の一部を使いながら、やがては関係者全員を滅ぼそうとしているわけだ。
10年前911のテロをきっかけに広まったイスラムへの嫌悪も全くの偽装であり、一部の権力者が始めた地球人口抑制計画の一部なのだろう。
ただ、皮肉なのは、あまりにこういった偽装が上手く行きつつあるので、仕掛けている側自身が、自分たちは正しいことをやっていると思い込みつつあるように見えることだ。本来なら、全く別の方法で、誰かを騙したり犠牲にすることなしに成し遂げられるはずのものを、あまりに偽装がうまく行くので、偽装した方法でしかやれなくなってしまうのだ。こういった状態を正常性の罠と呼んでもいいように思う。
ノルウェーで今年7月に起こった連続テロではその後宗教間の寛容さが増す方向で事態が動きつつあるという。多分その背後には「誰であれ自分と同じ人間なのだ」という平等意識に裏付けられた理性があるのだと思う。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<708>>
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