http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/466.html
Tweet |
短足鰐さんの投稿:
「水圧は水深によって決まる!ー4号機の意図的爆破・説への疑念」
(http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/448.html)
へのレスです。
昨日の時点ではこの投稿の存在に気付かず、ちょっと前に読んでみたが、あまりに雑な内容なので放置できないと思い対応する。
【引用1】
「水圧は蓄えてある水の総トン数に依存(比例)するのではない。水深によって決まってくる。10m深くなるにつれ1気圧づつ増えていくことは良く知られている。この(炉内機器類を保管する)水槽の深さを10mとすると、水圧は1気圧、10トン/平米となる。大気圧はゲートの両側にかかるので無視してよい。
計算を簡単にするために仮にゲートの大きさを10センチ四方とすると、ここにかかる圧力は10トンの1/100、100Kgとなる。この圧力に抗してゲートを動かすとする*。ここは歯車によるテコの原理を使えば、たとえば1/20以下ぐらいに減じることも出来よう。5Kg以下の力なら人力で十分対応できる領域である(車体を持ち上げるジャッキーと同じ原理)。 」
【コメント1】
水圧一般に対する考え方には同意する。
しかし、「計算を簡単にするために仮にゲートの大きさを10センチ四方とする」という仮定とそれ以降の論理構成は破綻していると思う。
ゲートの面積は後述するがおよそ100m2である。
「ここにかかる圧力は10トンの1/100、100Kgとなる」と、勝手に設定した仮定を現実化した奇妙な論理で説明を続けるからおかしくなる。
1m2当たり10トンなら、100m2のゲートなら100倍の1000トンである。
もちろん、水深10mの底にあるゲートではなく、垂直に設置されているゲートだから、おおよそ1m2当たり5トンの水圧として100m2のゲート全体には100倍の500トンの水圧がかかってくる。
さらに、ゲートの開閉は水圧に抗する力のみで実現できるわけではない。
まず、3つのプールは次のようなサイズである。(寸法はおおよそ)
燃料プールは底面積が10m×10mで高さが15mである。(1,500m3:満水量1,500トンと言われている)
機器類プールは1辺10mの立方体である。(1,000m3:満水量1,000トンと言われている)
原子炉ウェルは18m×10m×10mと推定される。(1,800m3:満水量不明)
※ 日本原子力発電の敦賀発電所1号機で2005年の定期検査中(第30回)に発生した事象を説明するために添付されているプールに関する図
http://www.japc.co.jp/news/bn/h17/171227s_6.pdf
3つのプールを仕切っている2つの鋼鉄製のゲートは、10m×10m=100m2(百万cm2)の面積と推定される。
それほど薄くはないと思うが、厚みを3cmとすると、ゲートの体積は3百万cm3である。
鋼鉄の比重を7.8と考えると、ゲートのみの重さで、2万3400kg(23.4トン)となる。
ゲートの厚みが5cmであれば、ゲート重量は117トンになる。
ゲートの自重とゲートにかかる水圧の合計が開閉に抗する力となる。
【引用2】
「 そもそもこのテコの原理があるから電動でも動かせると考えるべきだ。電動であっても、100Kgましてや100トンの圧力がモロにゲートにかかったままでは開閉するのは困難ないしは不可能であろう。人力でも電動でも開閉が可能だから、ここにゲートが設置されていると考えるべきである。
意図的爆破・説の根幹にあるのが、プールゲートは手動での開放は不可能との前提に立っている。かように考えると、この一事をとっても、この「お説」も極めて疑わしいと言わざるを得ないのである。」
【コメント2】
まず、水圧に抗してゲートを開けるという考え方にはなっていない。
プールの水は放射能汚染水でもあるから、それがあらぬ場所にこぼれ出すような操作は認められていないからだ。
ゲートの開閉はプールの水を抜いた状態で行われるものだ。
そして、ゲートの底部に水密性を考慮した構造でレールかなにかが敷設してあって電動で開閉される仕組みだろうと推測する。
汚染水をかぶることは覚悟するとして、レールがあるからといっても、23トンから117トンの重量で500トンほどの水圧がかかっている物体を手動で開けるというのはムリだと思うがいかがだろう。
貴殿がもっと冷静に考えれば、“4号機のプールゲートは手動での開放は可能”なら、14日早朝に使用済み核燃料プールの水温が84℃になり、4号機建屋上部が崩れたあと注水問題が急浮上し米国当局とのやり取りで大騒ぎになったくらいだから、なぜ、14日の時点で“プールゲートの開放を手動”で行い、機器類プールの水が原子炉ウェルプールを経由して使用済み核燃料プールに流れ込むようにしかったのか?という疑念を持つにいたったはずだ。
それが効果的な方策であったことは、NHK・読売新聞・時事通信の記事や解説を見聞きすればわかる。
4号機の爆破は、15日早朝・15日午前・16日早朝と最低でも3回は実施されていると思っている。
東電サイトにある写真を見てもわかるが、火災ということで大きな話題になった15日午前の爆破のあとでも建屋はそれほど壊れていない。(海側が壊れているくらい)
それこそ、日を追うごとにボロボロになっていったのが4号機の原子炉建屋である。
水は爆発の衝撃を吸収する物質でもあるから、水素爆発で水中に設置されているゲートが開いたという説明はそれこそ眉唾ものである。
※ 関連投稿
「[最後で最大の謎]意図的に“爆破”された4号機原子炉建屋:火災説や水素爆発説の流布で国民や世界を愚弄」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/536.html
「“偶然”や“奇跡”じゃなく「意図的な爆破」:4号機の燃料プールと他の2つのプールの関係がよくわかる参考図を発見」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/176.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。