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もし電子書籍ができたら
ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員 古山 明
男
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ベーシック・インカム(以下BI)が必要になるもっとも大きな要因は、科学技術
の
進歩であると思う。
最近の身近な技術革新の中に、考えさせられる例がある。電子書籍である。電
子
書籍が普及すると、雑誌や書籍が情報化され、「本を買う」ことは「内容をダウ
ン
ロードする」ことになる。すべての本が電子化することはないだろうが、かなり
の
本が置き換わるだろう。
消費者にとってはありがたい。本は安くなるであろう。本の品切れもなくなる
し、
置き場所に困ることもなくなる。
しかし、電子書籍化で失業者がでる。印刷業界の仕事はかなり減るだろう。製
本
業界は大打撃を受けるだろう。製紙業にもかなりの影響がでるだろう。書店も減
る
であろう。
電子書籍機器の製造・販売、システムの維持などで増える雇用もある。しかし
、
失われる雇用の方が大きいだろう。電子書籍は、現在の電器メーカーと情報産業
が
ちょっと手を広げるだけですむからである。
支払われる人件費の総額は減る。出版界全体としての売上げも減るし、GDP
も
減る。
技術が進歩したために、人間の労働が不要になり、失業者が出る。これは、産
業
革命以来の問題である。多くの人が、技術の進歩と機械の発達に疑問の目を向け
た。
しかし、機械に目をとられ、所得=賃金であることは疑われてこなかった。
資源を浪費しないことと、人間を貶めない労働で生産をできるのはよいことで
は
ないか。それが科学技術の成果である。しかし、いかなる社会体制であれ、人間
が
賃金によってしか収入を得られないなら、人間の仕事を減らす機械は、人間の敵
に
なるであろう。生活できない人がたくさんできる。その問題を解決するのがBIで
あ
る。科学技術と人間が共存するには、BIが必要である。
だれでも生活できるように完全雇用を目指すというのが、従来の考え方である
。
完全雇用を実現するため社会主義国は企業を国有化したが、非効率で自発性のな
い
労働がはびこり、国全体が倒産した。資本主義国は、効率追求を優先させるが、
失
業者をたくさん生み出し、完全雇用には程遠い。
BIは文明史的な意義を持っている。技術の進歩によって解放された労働力を、
自
由にいかなる領域に振り向けることも可能になるからである。BIによってはじめ
て、
我々は科学技術の果実を、社会にもたらすことができるであろう。
<古山明男 氏 プロフィール>
古山教育研究所を主宰
http://www.asahi-net.or.jp/~ru2a-frym/
ブログ「変えよう!日本の学校システム」は多くの支持を受けています。
http://educa.cocolog-nifty.com/blog/
(私のコメント)
BI導入は科学技術の進んだ人類の到達点の一つでしょう。科学技術が悪魔に使われたら戦争や環境汚染、自然破壊です。ユダ金戦争屋の超大金持ちたちはベーシックインカムの導入を必死で妨害しているわけです。大恐慌や大戦争をさせずに何とかBIを導入させられるかどうか、これからが勝負ですね。
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