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今、学校現場の教師が非常に苦しんでいます。
昨年は教師の精神疾患休職が過去最高の5458人の異常事態であり、
一刻も早い対処が求められるのですが、これには複合的な問題があり
学校に「心のケアをする」心理カウンセラーを置くだけでは解決する難しいでしょう。
まず、学校教師には塾や予備校の教師にはない素質が求められます。
通信教育の講師なら生徒と顔を合わさず教える事が出来ます。
しかし、学校教師はまず人前で立つ事が平気で出来なければなりません。
これは最低限の素質です。何百回教壇に立っても緊張してしまう人は残念ながら無理でしょう。
次に学校は塾や予備校と違って、生徒は勉強だけが目的で来ているとは限りません。
友達と遊ぶ目的で来る生徒もおり、その分真面目に聞かない可能性が高い。
勉強の教え方以上に全人格的な指導力が求められます。それだけ難しいのです。
これでもまだ60年代以前は学力習得だけを目的とする塾と学校の生徒の質の差は少なく、
父兄も生徒も「先生、一つよろしくお願いします。これ○○挨拶するんだよ」と敬ってくれたものです。
70年代後は違います。70年代には高校、中学で校内暴力が吹き荒れ、
遂に90年代末には小学校まで学級崩壊になりました。
更に「モンスターペアレンツ」という名で父兄にも問題がある人が増えているようです(本当かね)。
教師を精神疾患に追い込むもの
1.文部省の思想統制:民間と違って学校は文部省の管理下にある。
従って自分の裁量だけで勉強を教えるという事は許されず、
文部省・教育委員会の指導に従わねばならない。特に国旗国歌法案通過後の
研修を名目とした学校現場への締付けは凄まじいものとなっている。
日教組と文部省の方針の板ばさみになって苦しむ教師も結構いるだろう。
免許更新制となり、いつ指導力不足の烙印を押されて追放されるかも知れない恐怖もある。
2.文部省の方針:文部省は一端90年代末にゆとり教育で学習内容を大幅に削除。
週休二日制も実施。ところが民主党政権成立後今度は一転して学力向上の為に
大幅に学習内容を増やした。これを消化し切れず、週休二日制にまでなったので、
学校行事を減らさず消化するには平日に詰め込むしかなくなった。事務処理の苛烈化。
3.子どもの大人化と大人の子供化:上記のように70年代以後、情報化社会が進展し、
子どもはテレビの言い回しを覚えてどんどん大人に反抗する時期が低年齢化してきた。
ところが、大人の方は高学歴社会で社会的経験が乏しくなり、子供に対抗しうるほどの
人生の価値観を教える事が出来なくなった。教師に対する社会からの尊敬はなくなり、
「うるせえんだよ、先公」と馬鹿にされる存在となった。
4.学校の責任が重くなっている:これはどこの企業でもそうだが、事故が起きた際の
社会的責任はどんどん重くなっている。JRであれ、食品メーカーであれ経営責任が厳しく問われる時代である。訴訟額は年々上がっている。
いじめ自殺が起きた場合、担任教師だけでなく校長もマスコミから追及される可能性はある。
体罰に対する風当たりは以前より遥かに厳しい。殴ったら体罰として父兄から糾弾される、
かと言って反抗的な児童を殴らなければ思うように指導できないと悩む教師もあるだろう。
これに校長が追い討ちをかけるように「何をやってるんだ!」と叱責される事もあるだろう。
よく見ればあっちからもこっちからも叩かれて悩み、年々ゆとりがなくなっているのは
民間のサラリーマン、経営者も同じである。
教師以外の精神疾患も調べてみれば、急増した時期は重なっているだろう。
学校現場への締付けが強化された時期はゼネコン不況・恐慌側面の時期であったが故に。
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