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だとすると、この福沢亜流の言説や表現が大きな影響力を持ち、多数に支持されてるということは、この文明とその下の<支配>の正当性を、総体として、<是>としているからに他ならないとも言えます。
従って、対抗思想の消滅以降、米軍支配への抵抗が起こらない理由も、かかる支配の内面化ー透明化を担った者達、明治の大久保等「有司専制」以来の官僚供と共に、積極的であれ消極的であれ、左右の福沢のエピゴーネン達にその<責>が帰せられる一方、国民多数がサルトルのいう自己欺瞞に陥ってるー米軍による占領=支配という事実を直視することによって生じる不安や恐怖、或いは恥辱とか責任とかの回避の為にーから、と言う事が出来る。 だが、ー果たしてそうか?
近代を<文明主体>の<客体>への働き掛けといった視点で見てみるとー
大英帝国を頂点とする西欧列強のその対象(客体)となった地域への働き掛け(「帝国主義」「植民地主義」)ーそれ自体、国内の<主体>ブルジョワの<客体>プロレタリアートへの働き掛けによるリアクションを他(植民地)への転嫁するものーへのリアクションが「民族独立」「民族解放」だったと言える。 とすると、大英帝国から米国への覇権交代、乃至アメリカの登極は、「民族の自立=解放」の<民族>を<個人>単位に置き換えることで<民族>を不能化するものであったということが出来ます。 そしてそれを可能とする体制が「大量生産=大量消費」で、そのイデオロギーがリベラル=デモクラシーであったということ、そうして「消費社会」の浸透と共に、確かに西欧や日本においては、今見てきた通り、<民族>は不能化して行ったのです。
或いはそれは、民族主義が有効であれば民主主義が十全ではなく、民主主義が機能する時には民族主義が不能になってる、ということを意味しているのかも知れない。
しかしながら、「大量生産=大量消費」のリアクションとして<環境問題>が登場してきた事を考えるなら、<文明主体>の<客体>への働き掛けに因る問題は、自然及び社会総体を貫く問題として、本来把握されなければならないのではないか?
即ち、自然という第一の環境に掛けてる<ストレス>のリアクションが「環境問題」として現れてるのなら、社会という第二の環境に掛けてる<ストレス>のリアクションが社会の様々な事件や問題更には病理として顕れてると、見られなければならない。
そうだとすると、文明の主客問題も、ストレスの過多として、人間の諸関係、それが何より身体において現れてるーとなると、そのリアクションは<病>において顕れた、文明の現在の隠喩であるーと言ってよいのではないでしょうか?
そう思ってみると、「国民病」として多くを占める癌とか様々なアレルギー疾患は、そのまま、今の日本の社会の問題や状態を指し示しているように見えます。 つまり、日本の現状は免疫疾患に罹った状態と思われるのです。
その例としてメディアに見られる病理現象、イラク戦争の折の「日本人人質」に向けられた”バッシング”の異常さを見ても判るように、<敵><味方>の判別がメチャクチャ!しかも今日においては更に常軌を逸している、「在日」※(1)だからいやではなく、いやだから「在日」式の論理(?)が公然と罷り通っている。 特に小沢氏への態度はアレルギー反応そのもの! その他にも、以前であればどうってことない問題※(2)を騒ぎ立て、過剰に攻撃しまくるーこれなんか殆どアトピー(処場所構わず)性のアレルギー症状と言っていいものです。
こういったことは免疫学でいう「システムの反乱」、即ちこれまで日本を成り立たせて来たシステムが自らを破壊しようとするーシステムが自らを成り立たせて来たその一部を<非自己>(=異物)と見做し、攻撃・排除する※(3)ーその根底には、<自己>と<非自己>を認識出来ない=自他の識別不能という状態が考えられ、明らかにこれらは<自己免疫疾患>と呼べるものです。
その原因は明らかです。 −米軍及び「アメリカ」
米軍基地、米軍存在、明らかにこれは日本にとって異物です。 しかもそれ自体、暴力の体系であり、暴力存在そのものです。
言うならばそれは、生体における癌と同じ物、免疫機能が正常に働いてる限り、それを排除しようとするのは当たり前です。
少なくとも70年代前半まで、「安保反対=米軍基地撤去」の戦いが在った様に、<異物排除>の免疫機能はそれなりに働いていました。 ところが、現在、「普天間問題」を切っ掛けにしてでも、横須賀や横田等、米軍基地撤去の運動が起こるとは露ほども思われない。 米軍という外国の軍隊=組織暴力集団の存在を脅威と感じていないのです。 −これがどれ程異常なことなのか!※(4)
<異物>を<異物>として認識出来なくなってるー<自己>と<非自己>を認識出来ないー日本という生体システムの誤判断が何に因るものなのか?
免疫機能と連関している新陳代謝は、その果たしてる生命維持という役割から、外部との交換関係ということで、外部=自然、即ち農業の果してる役割と類比的です。 即ち、その国、社会において、農業が健全であれば新陳代謝が正常に行われているのであり、免疫機能が健全であると言って良い。 ベトナム戦争が良い例であって、確固とした農業が在り、それに応じた抵抗スタイルを取ったが故に撃退出来たと見た方がいい、イデオロギーなる表層のレッテルに囚われるよりも。
その意味で、日本の農業が目に見えておかしくなったのが70年代ということも、大きな背景として在ることは理解しておくべきだと思います。 それを含めて、この辺りから、社会が落ち着くというか、全体として、安定志向の世の中になっていってることから、社会に老化現象にも似た免疫機能の衰えが始まってることも有るだろうし、またこの時期から「管理社会化」が始まってる様に、ストレスの幾何級数的増大が加わってることも大いに関係あるでしょう。 そうして、無視出来ない要素として、この頃辺りから、日本社会の何処にでもアメリカ(人)※(5)が入って行く傾向が顕著になります。
私には、この「アメリカ」という存在及び現象は、その社会にとって、丁度生体におけるフリーラジカル※(6)のような働きをしているように感じられます。
つまり、「アメリカ」の「活動」が活発になればなる程、そのプレゼンスが大きくなればなる程、「癌」に蝕まれた様に、社会は劣化し、衰亡して行く。 昨今の様々な事例を見ても、世界が日本と似た様な症状を呈して来ているーその意味で「グローバリズム」とは人類文明の癌化を示してると考えるべきです。 世界から栄養を奪うことでそのプレゼンスを増大させて来たアメリカ、除去することは勿論、制御も出来ないとするなら、死に至る病に取り憑かれたまま、この先人類は衰亡の道を辿るしかないのかも知れません。
※(1)この在日の処にファシスト、独裁者等の言葉を入れても成り立つでしょ? 単に、否定語、×印を入れて、いやだからいや と言ってるに過ぎない。
※(2)例えば赤城農相の「絆創膏事件」なんかそうですが、この他ネット上の”祭り”とか”炎上”なんかも典型的でしょう。
※(3)大蔵省、防衛省、そして今度の厚労省と、この10年余り顕著になってる、国家官僚(検察)による官僚の粛清も同じ。
※(4)例えば、貴方の住んでる処の一角を、ヤクザが占拠していることを考えてみればいい。 この男は、かって、貴方の親兄弟 を殺し、周りを荒らし、今も他所で殺人・強盗を繰り返してる。 自分が絶対引越し出来ないとなったら、何が何でも、何 は先措いても、この男に出て行ってもらおう、と思うでしょ? その為には、自分一人で出来なければ、隣近所団結して、 出て行くように仕向けることが一番良いに決まってる。 「東アジア共同体」とは、詰まりはそのこと。 小沢氏がやろう としたことも同じ。
※(5)この場合ヒトに止まらず、あくまで自らが「アメリカ」である立場を主張、乃至強調し、変えないということで、例えばマ クドナルドとかディズニーランドもそうです。 今や「修学旅行」の一番人気先にもなってるようだけど、ディズニーラン ドで何を学ぶ=真似ぶというのか?嘲弄と共に、教育の劣化=日本人の劣化として指摘しておきます。
※(6)自由に動き回る電子を持った分子構造を持ち、非常に不安定で、他の分子とすばやく反応しやすく、破壊的な作用をもたら すというフリーラジカル、詰まり自由な過激分子。 フリーラジカルとは言いも言ったり、つけもつけたりですが、アメリ カ人の行動原理、殊に新自由主義のアメリカを指すものとしてピッタリだと思いませんか。
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