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では、ファシズムをどのように理解したらいいのか?
ドイツのナチズムにせよイタリアのファシズムにせよ、或いは日本の天皇制ファシズムにしても、ロシアのボルシェビズムに大きな影響を受けています。
そうして時代は第一次大戦後の、帝政や王制等、旧体制的な秩序の崩壊とそれと入れ替わるようにしたアメリカのプレゼンスの飛躍的増大、又それに対応するかのようなロシア革命及びソ連の登場。 即ち<大衆の時代>がやってきたことの紛う方無き証明です。
何故ボルシェビズムが大きな影響力を持ったのかも次の文脈で理解出来るはずです。
大戦の結果、それまでの方法やスタイルが適用不全に陥り、国家や社会の分裂や解体の危機に直面していたという共通の状況、更にその後の大恐慌で、ブルジョワジー(都市自由民)という<主体>の自信喪失と彼等への信頼が失墜したということ。
ーこういった事を克服し、国家や社会の分裂を回避する為、それらを強力に束ね(ファッショ)、統制的手法で以って、一挙的に大衆社会を実現する方法としてのボルシェビズム。
従って、結論として言えば、それぞれの社会の大いなる権威が喪われる中で、アメリカと同じ様な大衆社会を創出するという使命を担って登場したのがファシズムだったのです。 日本の場合、大戦の勝ち組であり、大いなる権威(天皇)が残っていたから、「天皇制ファシズム」だったということ。
現在の「ファシズム」のイメージ(評価)は第二次大戦後の米ソの主導権確立(ヤルタ体制)の為に作られたものであり、勝者側の民主主義神話(アメリカ)と左翼神話(ソ連)と引き換えに、敗者側にデフォルメされた<悪>のイメージが植付けられたまま今日に至っているのです。 その後敗者の側にソ連も加わり、アメリカ一極覇権確立の為に、殆ど同様のイメージが上書きされておるのはご承知の通り。 ”ネットウヨ”の余りにお粗末なサヨク批判に呆れてる人も多いかと思いますが、同じ事をファシズム側にしていたと見るべきなのです。