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パレスチナ問題は不勉強であることを自覚しつつ、いくつかの疑問を並べてみたい。
・過去何回かのインテファーダという抵抗運動がなされてきた。その際付随して目に付くのは、少年や青年、あるいは大人も混じった、イスラエル軍の側への石投げ行動である。20年前ぐらいから見られたと思う。感情の激発は分かるが、このような幼稚な行動が長期的にどんな意味を持つのか、いつも疑問に感じている。これで適当に民心の湯気抜きになるなら、イスラエル側にとっては歓迎すべきことではないのか。パレスチナ側の反撃・抵抗のレベルの質的転換がここ数十年感じられない。
・ハマスがロケット弾をイスラエルに打ち込めば、それに10倍する反撃があることは、これまで何回も経験してきたはずだ。このことの戦略的意味が分からない。やはり感情の激発にかられて、石投げ行動を極端にエスカレートした性質のものに見えてしまう。イスラエル側の反撃を誘うことによって、パレスチナ人の憎しみがいやがうえにも増大するという効果はあるが、それがパレスチナの「解放」?と戦略的にどう発展していく展望にあるのか分からない。(闘争の質的変化・向上が感じられない。同じところを堂々巡りしている感じ)
・そもそもハマスにしても故アラファトが率いたパレスチナ解放機構も、パレスチナの地にパレスチナ人の国家を建設することを目標にしているのか、あるいはイスラエルの支配下からの「解放」のレベルを目指しているのか分からない。
前者の場合、イスラエルという国家の存在を認めて、それに隣接してパレスチナ国家を作るつもりなのか、あるいはイスラエルという国を認めず(つまり消滅させて)、それらの広い地域に国家建設するのが戦略目標なのか分からない。
・いづれにしても、国家建設となれば、しっかりした政党のもとに人材の育成、それも大量に層厚く育成していく必要がある。主要国への大量の留学生を送り、政治・経済・社会を広く勉強させる必要がある(しかもヒモを付けられたり、ミイラ化されない十分な用心も欠かせない)。一定の軍事力も必要だろう(公然たる軍事力の確立は容易なことではない)。これには少なくとも向こう50年単位の長期計画のもとにじっくりと実行していく必要がある。財力も蓄えなければならない。パレスチナ側にそのような戦略があるのか見えてこない。
ただ激発していれば、国際社会(とりわけアラブ諸国)がなんとか面倒を見てくれるというような「甘い」読みで動いているのであろうか。