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【自爆テロリストとカルト信者の親和性について】---(エイトのブログ)
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先月のICSAの際、ジュネーヴでお会いした朝日新聞パリ支局長の国末憲人氏の著書【自爆テロリストの正体】を読みました。
この画期的なノンフィクションは、世間の『貧しく純粋なイスラム教徒がやむにやまれむ思いに駆られてテロに走る』との認識が誤りであり、実際には自爆テロが『貧困』とも『イスラム教』とも関係がなく『中途半端な若者たちの自分探し』の結果であったと暴いています。
著者は、自爆テロリストが『貧しさ』・『敬虔なイスラム教徒の家庭で育った』・『西欧を知らず、自分たちの育った中東社会に固執』・『抑圧された貧しい人々』とのイメージ作りの裏で、実際にはある程度裕福だったりそれなりに成功に手が届きそうな若者ばかりであると述べています。
テロ組織とカルト教団には類似性が多くあります。
テロ組織は、モスクの入口などで若者を勧誘し、ビデオで恐怖と切迫感を煽るなどしてマインドコントロールを施し、殉教の重要性や自分たちの組織以外への憎悪をかき立てテロリストに仕立て上げていきます。
幹部の冷めた采配ぶりと純粋な末端の信者・殉教の大義を信じて自爆する若者の構図はテロ組織もカルト組織も同一です。
著者はまた、自爆テロリストが特殊な経歴や思考回路を持った人間であったわけではなく、普通の人々であって誰でも精神状態が不安定な時期であればセクト(カルト)や過激派に引き入られる可能性について触れています。
モントリオール大のディアンヌ・カベニ氏とケッベク大のルイ・ブリュネなどカナダの社会心理学者らが記した本【テロ行為の理解のために】には、カルト的な組織がテロ行為に至るまでの心理が詳しく述べられています。
国末氏は巻末に、アルカイダの実態は「国際テロリスト」などではなく「チンケな若者の集合体」であるとの主旨を述べています。
私も予てから、統一協会などのカルトが如何に「チンケな」詐欺行為を繰り返している団体であるかを述べてきました。
あとがきで著者は同じ様な境遇にいながら組織に引っかかる者と引っかからない者との違いを、フランスのセクト専門家アンヌ・フルニエ氏の言葉として『自我』を挙げています。
自我を通し『わがまま』になりきれない従順な若者がカルト団体やテロ組織に絡め取られていく構図は世界共通です。
是非、御一読を。