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■ゲオルギー・イヴァノヴィッチ・グルジェフ。
一般的にはグルジェフとして知られる20世紀の神秘思想家であるが、しかしながらこのグルジェフからは社会的にとても参考となる事を見出すことができる。
グルジェフはヒトラーとナチズムを通して黒魔術に関する次のような指摘をしている。
●黒魔術と呼びうるものは常にある明確な特質を持っている。その特質とは、ある目的、時には最高の目的のためにさえ、
『何も知らせも理解もさせずに人々のうちに信仰や熱狂を生じさせ、恐怖をてこにして働きかけ、彼らを利用する』
という傾向である。
これはグルジェフによる黒魔術の定義ともいえるだろう。
いかがだろうか?
実際に世の中を見渡してみるとき、この定義に該当するような組織集団が見つかるのではないだろうか。
また、グルジェフは次のような指摘もしている。
●黒魔術と呼ばれているものは熱狂と人間の弱さにつけこむ事を土台としている。
次にグルジェフはこうした黒魔術の指導者に対して以下のような興味深い指摘もしている。
●黒魔術師は善玉にせよ悪玉にせよ一度はスクール(結社)にいたことがあることを覚えておく。彼は何かを習い、聞き、そして知っている。彼はスクールから追い出されたか、それとももう十分に知ったと決め込んで自分から出て行った半分教育を受けた人間だ。
これなどはどうだろうか?
これに該当すような『指導者』は存在しないと言えるだろうか。
グルジェフによる黒魔術に関する指摘は、黒魔術という言葉をカルトに置き換えればそのまま現代のカルトとその指導者の観方に対する指針を与えてくれるように思えてくる。
ここでグルジェフの黒魔術の指摘を現代のカルトという言葉で置き換えて再表現してみる。
■カルトの定義■
●カルトと呼びうるものは常にある明確な特質を持っている。その特質とは、ある目的、時には最高の目的のためにさえ、
『何も知らせも理解もさせずに人々のうちに信仰や熱狂を生じさせ、恐怖をてこにして働きかけ、彼らを利用する』
という傾向である。
●カルトと呼ばれているものは熱狂と人間の弱さにつけこむ事を土台としている。
●カルト指導者は善玉にせよ悪玉にせよ一度はスクール(宗教団体等)にいたことがあることを覚えておく。彼は何かを習い、聞き、そして知っている。彼はスクールから追い出されたか、それとももう十分に知ったと決め込んで自分から出て行った半分教育を受けた人間だ。
いかがだろうか。
どうにもカルトの根本を垣間見せてくれるかのようだ。
特にカルト指導者に至ってはグルジェフの指摘を借りるならば、
●カルト指導者は、『過去にどこかで何かを習い、聞き、そして知っているのだろうが、自分で十分に知ったと決め込んだ半端者』ということだ。
この『半端者』が救世主や解脱者、あるいは過去の偉大な宗教家の生まれ変わりを自称しては熱狂と人間の弱さにつけこむ事を土台にして、
『何も知らせも理解もさせずに人々のうちに信仰や熱狂を生じさせ、恐怖をてこにして働きかけ、彼らを利用する』
あたかも現代のカルトの根本が見えてくるようだ。
さて、次の記述は以前に記述した内容だが再度書き込んでおく。
■自己正当化の目的
カルトについて。
これは一説によればその原型的なものは16〜17世紀のヨーロッパに存在していた『山師』に辿れるとされている。
今日におけるカルトは数百年前のヨーロッパを徘徊した『山師』達が苦心惨憺して編み出してきた『からくり』、あるいは『騙しの手口』、あるいはその古風なノウハウを、現代風にアレンジし直し、且つ、科学的に組み立て直した『ペテンの科学』であると考えることができる。
つまり、カルト自体は何も目新しいものなのではなく、何世紀も前の山師達が完成させた効果が証明済みのノウハウを、現在でも多くの山師達が意識的、あるいは無意識的に利用していると考えることができる。
このペテンに共通している要素としては以下に示すものがある。
@信者が増えれば増えるほど騙すのが容易になってくる。
A個人は群集の熱意・情熱に飲み込まれやすく伝染させる媒体になりやすい。
B嵌った者は疑いを持つ者を敵視する。
これらテクニカルな面は何百年も前のヨーロッパを徘徊した『山師』達によって見出されてきたものとされている。
■カルト形成法
この山師達が編み出したカルト形成法は、
@期待感と曖昧な言葉
大衆を注目させ、何かの変化を期待させるようなことを曖昧な言葉で聴衆を魅了させ幻惑させる。
A感覚の幻惑による思考力抑制
自分の周りを贅沢品で囲み幻惑させ、それを信者の視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感にも楽しませ余計な思考が働かないようにする。
※これを現代風にアレンジすると、カラフルな表やグラフ、ビデオなどで視覚に訴え、芳しい香で嗅覚に訴え、ヒーリングサウンドで聴覚に訴え、高級な食器に高価なワイン、コーヒー、紅茶、菓子で味覚に訴え幻惑させ余計な思考が働かないようにするなど。
B組織化と威厳、神聖さの利用
人々が集まると組織宗教に組み立てなおし宗教の威厳と神聖さを利用する。宗教的な意味の階級、肩書き、名前を信者に与え階層性を取り入れなが、その一方で自分は預言者やシャーマン、グルのように振る舞い宗教的に幻惑させ自分の狙いを隠す。
C資金源を悟らせない
組織化によってカネが集まり始めてもカネへの渇望を悟られてはならない。自分に従えばあらゆる御利益に預かれることを、贅沢品で身を包んだ自分を見せることによってその信仰が正しい証拠であるかのように幻惑させ、間違ってもその贅沢品が信者のカネで得られていることを考えさせてはならない。
D組織維持のために外部に敵を作る
大きくなった組織を維持するためには外部に敵をつくり、組織内の不満は全て外部の敵にあるという考えを捏造してそれに矛先をそらす。敵がいなければでっちあげる。
この組織のカルト的な本質を暴き追求する者は全て悪の手先であり、自分たちを滅ぼそうとする悪の組織の攻撃だという考えを作り出して信じ込ませる。
ざっとこの5段階からなるとされている。
世の中には様々な運動や活動があるが、こうしたものの中にはとんでもないものもあることは事実だろう。
もし、或る日なんらか運動や活動を目にしたり勧誘を受けたりしたならば、その活動と指導者をよくよく観察することだろう。
もし、そこにグルジェフの指摘やカルト形成法に観られる要素が見出されるならば、相手の甘言に惑わされずに直ちにそこから離れ自分の身を守ることだろう。