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印鑑販売→入信…霊感商法事件、統一教会の手順書押収【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090613-OYT1T00581.htm?from=navr
「先祖が地獄で苦しんでいる」などと迫って高額の印鑑契約を結んだとして、社長らが逮捕された東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の関係先から、印鑑の購入者を世界基督教統一神霊協会(統一教会)に入信させるまでの手順を示した資料を、警視庁公安部が押収していたことがわかった。
同庁幹部が明らかにした。この手順は、教会幹部の間で「生産ライン」と呼ばれ、初めは信者であることを隠すよう指示した勧誘マニュアルも押収されている。公安部は、同じように信者が印鑑を販売する企業が都内だけでも20社以上あるとみて「霊感商法」の実態解明を急いでいる。
◆「供養」計939万円◆
「あなたは今、転機です」。川崎市の女性会社員(39)がJR渋谷駅前で、新世の男性販売員に声をかけられたのは2003年5月。キャリアアップのため大学に通い始めた時期で、手相を見てもらうと、「いい手相だから詳しく見たい」と、近くの新世の事務所に誘われた。
そこで生年月日や家族構成を細かく聞かれた後、突然、販売員から「あの世でおばあさんが苦しんでいる」「因縁を断ち切るには印鑑が必要」などと印鑑の購入を勧められた。
「お金がない」と断ったが、1本約12万円の印鑑の購入契約を結ぶまで5時間近くにわたって「絶家する」「結婚できない」と迫られ続けた。
女性が再び販売員に呼び出されたのは約1か月後。「霊が見える先生がいる」と誘われ、2週間に1度、渋谷駅近くのビルの一室に通った。この部屋は、公安部が今月11日、特定商取引法違反容疑で逮捕した新世の社長、田中尚樹容疑者(51)が運営していた「渋谷フォーラム」で、霊能師を名乗る男性から「背後に恐ろしい先祖の霊がいる」「供養には、お金をささげることが必要」と迫られ、06年12月まで3回にわたって計939万円もの現金を祭壇に供えた。
「ここは統一教会です」と打ち明けられたのは翌年1月。怖くなった女性は自分から連絡を絶ち、今年2月、新世が公安部の捜索を受けると、印鑑代や、供えた現金の全額が自分の口座に振り込まれてきたという。
◆「全国に100店以上」対策弁護士会◆
警視庁幹部によると、新世は統一教会の地域組織「南東京教区」の印鑑販売部門で、信者の間で「特別伝道隊」と呼ばれていた。今年2月の捜索では、印鑑の販売から信者を獲得するまでの流れを説明するマニュアルが、販売員や幹部向けまで十種類以上も押収されたという。
マニュアルには、信者である販売員の日常生活の過ごし方から印鑑を売りつける相手の家系図のまとめ方、客に読ませる本のリストなども記載されていた。
さらに印鑑の購入者に「家族には話してはいけない」と念を押すことや、「この段階では宗教や統一教会との関係は否定する」などと、統一教会との関係を察知されないよう指示する文言も盛り込まれていた。
印鑑購入者を「渋谷フォーラム」に呼び込み、その後、「研修会」を通して入信させるまでの手順を示した資料もあり、教区内部ではこの流れを「生産ライン」と呼んでいたことも判明。公安部は新世の社長の田中容疑者が、このラインの運営を仕切っていたとみている。
こうした勧誘方法について、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士は「統一教会信者が経営に関与する印鑑販売会社は全国に100店舗以上あり、素直な信者たちは印鑑販売を伝道と信じ切っている。新世の被害はまだ氷山の一角」と話している。
一方、統一教会広報部は「信者が経営する会社については、当法人が関与するものではなく把握していない。『渋谷フォーラム』なる団体とも関係ない。信者の個人的な活動で問題となることがないよう指導に努める」としている。
(2009年6月13日14時35分 読売新聞)