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創価学会「日本占領計画」の全記録…矢野絢也著「黒い手帖」を読む
元公明党委員長の矢野絢也氏が「黒い手帖」という新刊本を出したと聞いて、買って読んでみました。しかしそのそも、この本の手に入りにくいこと…はたして「この本を読みたい」という人が買い込んでいるのか、「読ませたくない」という人が買い込んでいるのかよくわかりませんが、書店にはなく取り寄せに2週間ほどかかりました。本には「創価学会『日本占領計画』の全記録」と副題が添えられ、帯には「強奪された100冊近い手帖…そこに記された創価学会の日本を地獄に変える陰謀!」という文字が躍ります。(講談社、1700円+税)
矢野絢也氏は1953年10月戸田城聖・創価学会二代会長に出会って入信、以来およそ半世紀の間、創価学会の会員として活動してきました。うち30年間は公明党の政治家として大阪府会議員や衆議院議員をつとめ、党の書記長、そして委員長と最高幹部の職にあった人です。その矢野氏が昨年5月1日、創価学会を退会、5月12日には創価学会ならびに同会の幹部7名を、東京地方裁判所に民事提訴したというのです。
きっかけは矢野氏の30年に及ぶ政治家としての詳細な記録を書きとめた、100冊にも及ぶ「黒い手帖」=衆議院手帖を3人の公明党の議員OBに「強奪」されたという事件。それに先立って矢野氏は創価学会青年部幹部5名から政治評論家としての仕事をやめるように脅迫・強要されたといいます。さらに、創価学会は矢野氏に自宅を売却して2億円、3億円という莫大な金額の寄付をするよう執拗に強要した事実も明らかにされています。
矢野氏は、この間手帖の返還と元国会議員3人に1000万円の損害賠償などを求めて訴訟をおこしてきましたが、第一審の東京地方裁判所では矢野氏が敗訴。地裁判決では「手帳は元委員長が自分の意思で渡したのに、記事で名誉が傷つけられた」とする元議員らの主張を認め、元委員長や「矢野極秘メモ100冊が持ち去られた」と題する記事を掲載した「週刊現代」の発行元・講談社に計約600万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じました。
しかし去る3月27日に東京高裁が下した控訴審判決は、矢野元委員長が敗訴した1審判決を取り消し、元議員らに手帳の返却と300万円の支払いを命じました。南敏文裁判長は「元議員らは矢野元委員長に対し、多数の創価学会員や公明党員が危害を加えるかもしれないと脅して手帳を渡させ、妻の部屋まで捜索してプライバシーを侵害した」と判断し、矢野氏に逆転勝利の判決が下されたのです。
さて、矢野氏はまえがきで「創価学会と公明党は、『国立戒壇』を掲げた宗教国家をはるか前に建て前では放棄しているが、形を変えた『日本占領計画』を着々と実行に移している。それは一言でいえば、池田大作名誉会長による独裁国家の建設だ。紛れもなく、私はその手駒のひとりとして働かされていたのだ」と述べています。まさに公明党委員長という最高ポストにいた人の語ることだけに、格段の信憑性があります。
中身は、矢野氏の前の公明党委員長である竹入義勝氏への学会の口汚い攻撃や「広宣部」と称する諜報部隊の存在、『月刊ペン』事件と山崎正友元創価学会顧問弁護士の暗躍、そして1974年12月28日に調印された「日本共産党と創価学会との合意についての協定」(創共協定)の顛末と、それが創価学会・公明党の側ではどういう動きであったのかについてまで、克明に述べられています。
そもそもこの協定については当時の竹入公明党委員長にも知らされていなかったこと、その事実を知らされた直後から、共産党と学会が手を組めば「公安筋からも自民党からも、また他の野党からも目の敵にされる恐れがある」と深刻に心配したこと、そして協定の「骨抜き」に狂奔したことも語られています。学会側に問いただすと「今回の創共協定は戦略で深謀遠慮だ」と説明されたこと、池田大作氏は「あの協定は10年間、共産党を黙らせるための戦略だ」と言い放ったというのです。
その後、聖教新聞、公明新聞に秋谷栄之助創価学会会長の名で「秋谷見解」を掲載。これは矢野氏が「あらかじめ私たちが考えておいた協定を骨抜きにするための見解である」とあけすけに語っているように、協定を文字通り「骨抜き」にするものだったのです。わが党は当時、この「秋谷見解」に対して協定違反であることを指摘しましたが、池田大作氏もこの見解を追認するに及んで「創共協定」は無残にも創価学会側から踏みにじられました。
わが党は1980年になってはじめて「しんぶん赤旗」紙上で、創共協定の事実上の破棄を宣言。しかし、それまでは信義を守って創価学会に対する公然とした批判は控えてきました。この間のいきさつを矢野氏も「共産党はその間、律気にも学会批判を手控えていた。その意味では池田氏は端倪すべからざる策略家ともいえるが、これが宗教家のすることか、と怪訝に思ったこともあった」と語っています。
矢野氏は「事実、創価学会による日本の政治ジャックは着々と進みつつある」と言い、「池田氏の置かれている立場に、私は麻原彰晃と同じ危うさを感じる」とも指摘しています。そして「池田創価学会」というモンスターに日本の政界が乗っ取られてゆくことを看過できず、あくまで「公憤」から創価学会・公明党とのたたかいを決意したと言います。創価学会という「宗教」団体がいかなるものであるか、公明党という党が何をしてきたか、当事者が語った、なかなか面白い本でした。
http://www.miyamoto-net.net/column2/diary/1239011115.html