http://www.asyura2.com/09/china02/msg/892.html
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http://www.labornetjp.org/news/2012/0107eiga
●艾未未(アイ・ウェイウェイ)の最新ドキュメントなど
辺境生活で培った「反骨精神」――異端の中国芸術家・艾未未とは
政府への批判的な言動によって、昨春当局に81日間身柄を拘束された中国の芸術家・建築家、人権活動家である艾未未(54)。『アイ・ウェイウェイは語る』など日本でも緊急出版され、その生き方が話題の艾とはどんな人物か。
筆者が艾に興味を抱いたのは、08年公開の「鳥の巣」という北京五輪のメーンスタジアム建設を記録した映画によってだ。“鳥の巣”の設計には二人のスイス人がかかわったが、もう一人、彼らの要請で中国人が参加していた。ところがこの中国人、祖国の建造物設計に関わりながら「五輪は民族主義者や国家の威信と結びつきやすい。そんなものに加担したくない」と発言。「文化大革命時代はゴビ砂漠にいた」とも語っていた。それが艾だった。調べると、彼はスタジアムの完成を待たずに作業から降りている。
なぜ幼い艾がゴビ砂漠にいたのか。今公開中の王兵(ワン・ビン)監督『無言歌』では、ゴビの甘粛省來辺溝にある労働収容所での悲惨な思想改造の実態が即物的に描かれていたが、艾は同じゴビでもロシア国境の近くだったという。艾の父は中国の著名な詩人、艾青(アイ・チン)である。日本でも詩集や評伝がある。父が「右派」のレッテルをはられたため、艾は生まれた時から辺境暮らしだった。
艾の述懐によれば、父は毎日露天の共同便所(13か所)の掃除や汲み取りを一日も休まず、5年間続けた。その父は「人民は糞をたれるのを休まないから」と冗談を言っていたという。艾は「よく便所に父に会いに行き、どんな具合に仕事をしているか見物した」とも。そうした境遇が反骨精神を植え付けたのだろう。
艾はその後、30ドルを持ってニューヨークに渡り、前衛芸術を学び、奇抜でアイデアに富んだ作品を生みだした。ネットでそれらの作品群を見ると、“鳥の巣”のアイデアも彼の功績が大きかったのではないかと思えてくる。
08年には、ささいなことで捕まった青年が、のちに6人の警官を殺害し、ただちに処刑された。艾はその事件を探り、人権を問うドキュメントも手がけている。ぜひ見てみたい。
木下昌明/『サンデー毎日』(2012年1月15日号)
*写真はウィキペディアより
(*YouTube動画の貼り付けはgataroによる)
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<参照>
http://www.msz.co.jp/news/topics/07647.html
『アイ・ウェイウェイは語る』(みすず書房)
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト 坪内祐三・文 尾方邦雄・訳
[11月1日刊]
現代中国のマルチ・アーティストにしてアクティヴィスト艾未未(アイ・ウェイウェイ)は、今年の4月に北京国際空港で拉致されるように連行された。その情報が伝わるや、イギリスやスイスでは救援行動が起こり、アムネスティ・インターナショナルなども即時釈放を求めてきた。そして6月、温家宝首相の欧州歴訪の直前になって、人権問題が話題になるのをかわすためか、アイ・ウェイウェイは保釈されて自宅兼スタジオに戻った。
その後の様子は、香港のメディア「蘋果日報」オンライン版(http://hkmagazine.net/news1/apple/)に写真とともにアップされた訪問インタビューでもわかる(自宅で撮影された写真では、やや疲れているようだ)。ここでは、8月28日付けのニューズウィーク・オンライン版「The Daily Beast」に掲載された、アイ・ウェイウェイ本人のテキスト「The City: Beijing」の冒頭を紹介したい。
(以下略)
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