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何年もの間、中国の気象学者は都市の住民に対して、スモッグのように見え、スモッグのようなにおいがするものを、霧であると言ってきた。それに反証する方法もなく、中国の都市に住む人々はそれを真実として受け止め、マスクや室内の空気フィルターを持ち歩かずに日々を過ごしてきた。
しかし最近になって、政府による霧の定義の受け止め方に大きな変化が起こっている。
例を挙げよう。最近、中国北部に厚い灰色の雲が発生しており、複数の省で高速道路が封鎖され、北京行きの300以上のフライトが中止、または遅れが生じた。国営のメディアは、これを「濃い霧」と表現したが、中国で人気のミニブログ「新浪微博(Sina Weibo)」や他のウェブサイトに掲載された数百万の投稿では、これを別のものとしている。ある新浪微博のユーザーは、「昔、ロンドンの霧で何千人もの人が亡くなっただろうか。北京は危険だ」と書いた。
北京の米国大使館は、独自の公害モニター装置による計測結果を、1時間ごとにツイッターとiPhone(アイフォーン)アプリで公表している。これが北京の空気を取り巻く秘密のベールに穴をあける手段となっている。特にここ1カ月ほど、大手不動産会社の会長、潘石屹氏がこの計測結果を引用し、空気のモニタリングの水準を厳しくするよう求めてから、ベールの穴が拡大している。
北京当局や他の中国の都市では、直径2.5〜10ミクロンの粒子だけを計測する。だが、米国大使館では2.5ミクロンより小さな粒子(PM2.5=微小粒子状物質)を数える。専門家によれば、それが都市の大半の大気汚染を構成し、肺により大きな影響を与えるという。
オンライン上に出てきた最も新しいデータは4日夜のものとみられ、そこではPM2.5大気質指数を500以上としていた。これは専門家が「クレージーなほど悪い」と表現するレベルで、北京市環境保護局が週末の大気汚染を「軽度」と表現したのとは対照的だった。
北京市環境保護局の大気汚染部門のディレクターは、国営の英字紙「グローバル・タイムズ」に対し、北京の大気汚染は2008年のオリンピック以降悪化していないと述べ、「年間ベースで見るとむしろ改善している」と話した。だが、政府が先週、PM2.5の指数の公表を拒否したことにより、その主張も受け入れにくいものになっている。
同様に、北京の空港に飛行機が着陸できず、ここ数日同市ではどちらを向いても数ブロック先しか見えないという状況の原因を、政府が主に霧であるとしているのも受け入れにくい。その主張は真実かもしれないが、オンライン上の反応を見ると、それを信じている人はほとんどいない。
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