http://www.asyura2.com/09/china02/msg/865.html
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就職氷河期どころではないのは知っていたが
生活実態も大したものだな
http://diamond.jp/articles/-/14523
中国人大学生はこの10年で約7倍に激増!
“超買い手市場”を生き抜く過酷な学生生活の実態
皆さん、こんにちは。自分で言うのもなんやけど、「採用の神さま」小畑重和です。
えー、今回はお待ちかね?の中国人学生の就職活動事情をご紹介していきたいと思ったのですが、その前に…。
その前にばっかりですけど、今回は今の中国人大学生について考察しておきましょう。彼らがどんな人物かを理解するために、生まれた時代、取り巻く環境など、バックグラウンドをじっくり整理したいと思います。
「一人っ子政策」と「211工程」により
大学生は約7倍の700万人に激増!
まずは「一人っ子政策」から。
中国政府は人口の増加を抑制するために、1979年に「計画生育政策(一人っ子政策)」を施行しました。現在の大学生は、基本的には一人っ子(のよう)です(学生に聞くと、「罰金を払えばいい」とか、南の広東省は緩いとか、最近は一人っ子同士の夫婦なら2人までOKとか、いろんなパターンがあるようですが…)。
両親とその双方の祖父母、計6人からの愛情を一身に受け、甘やかされて育てられるので「小皇帝」「小公主」などと揶揄される話はよく聞きますよね。
そのためでしょうか。両親・祖父母との心情的結びつきが極めて強く、進学や就職に対する親の助言や干渉、そしてその影響力は日本以上です。また、子どもが親を思う気持ちも、日本より断然強く「就職した街に親を呼んで一緒に住みたい」とか、「働いて稼いだら親に家を買ってあげたい」など、日本では最近、とんと聞かれない話が学生の口から出てくることもあります。
そして、もう1つ重要なのが「国策による学生数の増加」です。
これは第1回でも書きましたが、1990年代に策定された「211工程」(全国から選んだ98の大学を重点大学と定め、21世紀に大きく発展させるため、優先的に経済的援助を行う)によって、大学生数が激増しています。2009年度の卒業者数は2000年度の約7倍に当たる700万人弱とか800万人とか。この大学生の著しい増加が就職難を引き起こして、蟻族を生んだりしているんですよね。
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日本よりもはるかに厳しい進学制度
「大学差別」も非常に明確に…
では、彼らは大学進学に至るまで、どのような学生時代を過ごしているのでしょうか。小学校から順を追って、具体的に見ていくことにしましょう。
小学校→中学校→高級中学(高校)→大学という流れと年数は基本的に日本と同じです(たまに「省によって違う」、「民族によって違う」、「飛び級だ」とか、例外的な話も結構聞くんですが…笑)。
小学校から中学校への進学時、有名中学には試験があります。受験です。よい高校へ行くには、よい中学に行く必要があるので、受験者は多いようですね。
さらに試験の成績上位者のみにより、その中学で「重点クラス」が1つ構成されます。その他の生徒は各クラス均等に割り振られます。重点クラスとその他のクラスでカリキュラムが違うわけではありませんが、重点クラスには優秀な教師が割り当てられるそうです。恐るべし!
高校進学時も、もちろん試験が行われます。これは全員が受験します。そして、成績順に「省、市の重点高校」「一般の高校」に振り分けられます。ちなみに、重点高校に進学できる生徒は、中学時代を重点クラスで過ごしたもののうち上位数人程度です。またまた、恐るべしです。
中国の高等教育機関において最高峰の大学である「北京大学」の東門。熾烈な競争を勝ち抜いた優秀な学生が中国全土から集まる。
そして、いよいよ大学受験です。大学受験は、高校3年終了時の6月上旬に行われる「全国統一試験」で全てが決まってしまう仕組みです。これは、北京市、上海市、その他の省のユニット(3〜4省が同一)で、一斉に行われるほぼ同内容の試験であり、5科目750点満点です。5科目が何かは省によって違うらしいのですが、例えば、広東省出身の張赫サンに聞くと、「3科目+1+X」だとか。いわゆる、国語・数学・外国語の3科目と総合(生物や地理など1科目でいろいろ含まれている)と自分の希望科目の5科目だったそうです。
試験終了後、自分の得点が知らされる前に志望校に願書を提出します。この際、第3希望まで記入することが出来るようですが、各大学とも第一志望の学生を優先するため、難易度ランキングの中で自分の成績に近いところに志望を集中させてしまうと、全て不合格という結果になってしまう危険性もあります。ですから、自己採点と志望校のバランスが重要なポイントとなります。
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応募が済んだ後に、自分の得点が知らされ、その直後に大学学院(学部)ごとの合格ライン点数が発表されます。そして、その後、合否の結果が本人に通達されます。合否が通達された後、場合によっては学院内の専攻の選択などの微調整が、個人の得点によっては行われることがあるようですが、基本的には、ここで決定となります。
全員がほぼ同一の試験を受けるため、大学学院ごとの序列は非常に明確で、日本とは比べ物にならない程の大学差別が、学生の中にはあるようです。
浪人というのはあまり聞ききませんが、就職難なので、少しでもいい大学をということで、最近は少し出てきているかもしれないという話も聞きます。さらに、最近では自分の成績が判明した後に、願書を出すという流れに変わったらしく、応募の際のリスクは軽減されたようです。
経済急成長により
「国家責任制」から「個人責任制」へ
1990年代半ば以前は、卒業後の進路は国が決定するという、いわゆる「国家責任制」だったそうです。国が決めていたというか、割り振ってたということですね。
近年は親の個人所得の伸びにともなう形で、学費、寮費、生活費などの全てを個人が負担し、卒業後の進路も個人が自由に決める「個人責任制」に完全に移行しています。これは大学生の増加による、割り振りが困難になってきたことも関係してるのでは、と思われます。
ちなみに、一般的な大学の学費は6000元〜8000元/年だそうです。(1元=12.1円換算で、7万2000円〜9万7000円/年くらい)
そんな時代背景・進学競争の下で、大学に入った彼らの大学生活の概要を、次に見てみましょう。
寮では1部屋4〜8人当たり前!
広大なキャンパスのなか全寮制で過ごす中国大学生活
日本の都内にある大学に比べると、その規模は想像を遥かに超えたサイズです。北京大学は約180万平米(皇居は公園などを含めて142万平米)です。ボクも行ったことがありますが、確か校内に湖がありました(笑)。
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清華大学に至っては、それよりも広大な敷地の中に各学院の校舎、迎賓館、イベント・ホール、学生寮、共同浴場、食堂、各種売店、銀行などの建物が並び、校内での巡回バスまで走っているし、タクシーも走っていました。大学生活に必要な全ての要素がキャンパス内にあるため、基本、そこに「住んでいます」。いないでしょうが、その気になれば4年間一歩も敷地の外に出なくても過ごせてしまう環境です。
また、基本的に学生は、全員集合寮に住んでいます。つまり、全寮制ですね。大学によって多少の差はあるようですが、1部屋4人〜8人の単位で生活していて、概ね学院ごとに同部屋です。一人部屋じゃないんですよ!8畳間に8人とか、どうです?今の日本の学生では、考えられないですね…。
寮にも多少のグレードがあり、マンション風の綺麗な建物で、一部屋6人程度のところが1300元/年(約1万6000円)、アパート風の古い建物で1部屋8人のところが500元/年(約6000円)。その他生活にかかる費用は北京で、月に1000元程度で、夏・冬の休みを除くと9000元/年 (約11万円) 程度であり、学生達は親からの仕送りと多少のアルバイト代で賄っているようです(一般的な家庭教師で25元/1時間。工事現場や飲食店などは、農村からの出稼ぎ労働者が非常に安い時給で従事しているため、入る隙もない。バイトの口があまりありません)。
バイトもなく、部屋で勉強することもままならない彼らは、以下のグラフからもわかるように、いい就職をするため、図書館や自習室を利用したこんな勉強中心の生活を送っているんですね。
今回は、中国人学生の就職活動事情に備えての「中国人大学生の考察」でした。
一人っ子で生まれ、経済発展の中、過酷な受験戦争を勝ち抜き、大学でも勉強に励んでいる中国人大学生。
次回は、中国最高峰の理工系総合大学である清華大学を卒業し、現在日本の大学院に留学しているCさんに、体験談を聞いてみようと思います。
では本日は、これまで!再見!
質問1 あなたは大学時代、1日平均どれくらい勉強していた?
100%
0〜1時間
5〜10時間
3〜5時間
1〜3時間
10〜12時間
12時間以上
覚えていない
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