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産経新聞 2月9日(水)15時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110209-00000570-san-bus_all
大手ゼネコン(総合建設会社)が、中国建設市場に対して慎重姿勢を強めている。大林組は9日、中国市場から撤退することを明らかにした。海外の建設業者が受注する際の資格規制が厳しく、現地での受注を伸ばすのが難しいと判断した。鹿島や大成建設なども中国では現地工事を伸ばせず、進出日系企業向けの建築受注に特化している。中国市場の開拓強化を急ぐ日系製造業とは異なり、世界市場の中の一市場との位置付けで、ゼネコンの優先順位は決して高くないというのが実情だ。
大林組は、中国での新規受注をすでに止めており、2003年に設立した上海の現地法人「大林組上海建設」を近く清算する方向で検討している。
同社は、中国で年間50億円の受注を目指していた。しかし、中国では、現地法人の資本金の最大5倍までしか受注請負できないうえ、道路や鉄道、住宅、エネルギー分野などの主要工事事業には、外資規制があるため、一段と受注を伸ばすのは難しいと判断した。今後は、上海に事務所を残し、これまでに手掛けた建築物の保守などの業務を当面継続する方向で検討する。海外事業は北米やオセアニア、東南アジアに力を入れる。
一方、鹿島と大成建設は、中国では日系製造業の工場請負がもっぱらなうえ、清水建設と竹中工務店も、日系進出企業向けの請負が年間100億円ある程度と苦戦する。ゼネコン各社は東南アジアや中東、アフリカ地域では数百億円規模の鉄道や道路工事を相次ぎ受注するなど着実に海外市場の開拓を進めている。この中、外資規制の厳しい中国では「日系企業の進出をお手伝いするのが妥当」(大手ゼネコン首脳)というのが各社の中国市場に対する現状認識だ。
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