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http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20101005-wen-jiabao-naoto-kan-desamorcent-crise
中国/日本
記事発表:2010年10月5日火曜日
最終更新:2010年10月5日火曜日
温家宝と菅直人、危機の信管を抜く
ソフィー・マリボー
2010年10月4日月曜日、ASEM首脳会議の合間に、日中両国首相の会見が実現した。アジアと欧州46カ国が、ブリュッセルのこの会議の枠組みの中で、経済・金融・地球温暖化などの問題を提起するために再会した。しかし、注目を集めているのは、2010年9月7日の海事事件に続く、アジアの両大国・中国と日本の紛争だ。緊張の高まりにより、両国政府は閣僚級の交流をすべて中止した。最終的に、25分間の討論によって、まさしく氷を割ることができた。
中国漁船が日本の巡視船2隻と、日本人が尖閣と名付け、中国人が釣魚と名付けた島々の沖で衝突したことにより、両国に敵愾心がわき起こってから、もうすぐひと月になる。
この不和は、閣僚級交流の断絶と言葉の危険な激化を招いた。結局、10月4日に両国の首相がブリュッセルで行った会談では、対話路線の再開が認められた。だからといって、どちらも島々を諦める用意があると表明したわけではない。
パリ政治学院に所属する、経済学者で中国・日本問題専門家のクロード・メイェール氏が解説するように、確かに両国とも経済・戦略両面での関心を隠している。「釣魚諸島は古代から中国の領土だ」と、中国の温家宝首相は、この問題でのインタビューで新華社通信に強調した。日本の菅直人首相は、海洋法上の権利を根拠に、尖閣は日本の領海の中にあると表明した。このように、問題の根本は手つかずのままだ。
このような状況では、わずかな対話も重要だ。日中両国のメディアがこの会談を取りあげたのは、定期ベースで開催される両国間の交渉があるかも知れないからだ。そのうちに、市民の交流から、より高いレベルの交流が再開されるに違いない。
重要だったことは、この11月に横浜で予定されるAPEC会合を視野に入れると、その会合に中国は胡錦濤国家主席を参加させなければならない。したがって、ASEM首脳会議は、日中両国の対抗関係によって生じた、地域の不安を和らげる結果をもたらすことになるだろう。
アジアの海に浮かぶ蛇たち
日本も同様に、日本国内でも同様の厳しい批判を受けた、今回の危機への対応を、他のアジア諸国に説明するために、このブリュッセルのサミットを利用した。特に、大部分の東南アジア諸国は、南シナ海のスプラトリー諸島(南沙諸島のこと:投稿者)やパラセル諸島(西沙諸島のこと:投稿者)を巡って、領土は違うが性質が同じ紛争を、中国との間で抱えている。
アジア研究所に所属する、東南アジア問題専門家のソフィー・ボアソー・デュロシェ氏が強調するように、「ゲームのルールを決めるのは中国であり、東アジアの国々が東京や、ワシントンや、日米同盟の指導に従うのを今後は放置しないと、中国は強調したかったのだ。
しかし、この陣営にはオバマ政権がぴったりと後ろに付いている。アジア支援に再び力を入れ始めた同政権は、ASEAN(東南アジア諸国連合)支持を明確に示している。米国政府は、アジアの国々が中国政府の決めたルールに屈するのを決して見たがらない。」
米国は注意深く、目立たないようにしている
米国は、第二次大戦終結後、日本と韓国で恒久的に部隊を展開しており、東アジアのこの地域の戦略的バランスを大いに注意を払っている。複数のアナリストは、米国政府が事態沈静化のために、日本政府に圧力をかけた可能性があると見ている。
クロード・メイェール氏は、この出来事の間、日本政府は非力な状態に陥っていたと強調する。菅直人首相は、与党内の対抗者である小沢一郎氏におびやかされた末に再選されたばかりだった。民主党もまた、沖縄の普天間基地移転問題で、いまが日米関係の難しい時と理解して間もない。
結局、緊張が増大する中で日本政府が責任を負っていることは、かつてないと考えられるほどの中国の脅威に直面して、一連の出来事を通して、沖縄の基地移転のために米国政府と妥協する立場のグループを強力にすることだけかもしれない。
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(投稿者より)
尖閣諸島をめぐる今回の事件を回顧した、フランスRFIのサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。
問題の根本には、日中の国家観の違いがあるようです。国内の混乱はともかく、対外的には日本は一貫して、近代国家のルールにしたがって確定させた国境の内側で、法にしたがって主権を行使した、との立場をとり続けました。それに対し、中国は最終的に、「釣魚は『古代からの』中国の領土」と温首相は発言しています。これはおそらく中国の伝統的な国家観だと思われます。
天は天子に地上の支配を委ねた。ゆえに、すべての土地は天子の支配に委ねられる。天子とは中国皇帝であり、皇帝の権威と権力を継承した中国共産党です。ですから、これは中国の本音でしょうが、これを持ち出されては話し合いになりません。東南アジア諸国が今回の事件を機に、中国との距離を取り直すかもしれないというのも肯けます。
中国は南シナ海でも多くの領土紛争を抱えています。その中で、最近のベトナムとの紛争について、RFIが報道した記事を下記に付しておきます。この問題については、日本メディアでは朝日新聞が詳しく報道していますので、そのリンクも貼っておきます。
(南シナ海緊張 ベトナム漁船拿捕、中国の船員拘束続く:asahi.com)
http://www.asahi.com/international/update/1008/TKY201010080536.html
http://www.asahi.com/international/update/1008/TKY201010080536_01.html
そのベトナム・ハノイで、ASEAN拡大防衛相会議が、11〜13日の予定で開催されます。ASEAN諸国に米・中など、東シナ海・南シナ海の領土問題を話し合う絶好の機会になるはずです。しかし、日本の防衛大臣は会議に出席せず、米・中の防衛相とだけ会談を行い、すぐ日本に戻るようです。国会予算委員会に出席するためだそうですが、日本を当てにできるかどうか各国が注目しているいま、会議を欠席するのは、明らかなASEAN軽視の表れでしょう。
(防衛相は欠席 ASEAN拡大防衛相会議:日経電子版)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E2EAE2E3818DE2EAE3E2E0E2E3E29C9CE2E2E2E2
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http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20101007-le-vietnam-chine-bisbille-autour-9-marins-detenus-pekin
ベトナム/中国
記事発表:2010年10月7日木曜日
最終更新:2010年10月7日木曜日
ベトナムと中国、中国政府が拘束した9名の船員を巡る諍い
RFI
ベトナム政府当局によれば、中国は、2010年9月11日、ベトナム領海内に位置するパラセル諸島(西沙諸島のこと:投稿者)水域でベトナム漁船を立入検査し、それ以降、9名の船員を拘束している。ベトナムは何度も申し入れを行ったが、事態は滞ったままだ。
中国がベトナム船を立入検査することは珍しくない。中国・ベトナム・他の東南アジア諸国が領有権を主張する、南シナ海のパラセル諸島と、その少し南にあるスプラトリー諸島(南沙諸島のこと:投稿者)では、中国の立入検査は頻繁にある。
今回、ベトナム当局は、 パラセル沖へ漁に出て、ひと月前に立入検査を受けた漁船の乗組員9名の釈放を求めて声を上げた。ベトナム当局は、同じ性質の紛争によって日本と中国が対立したばかりなので、これを発表すれば、ある程度の反響が得られることを知っている。
正確に言えば、今回は立場が逆だ。東シナ海の日中両国が領有権を主張する島々の周辺で、日本の巡視船に衝突した漁船乗組員の釈放を日本政府から得たのは、中国だった。
したがって、ASEANに加入する南アジアの国々が、米国や中国の責任ある閣僚に会おうとしているいまは、タイミングがいい。この種の問題を取りあげるには、またとない機会なのだ。
先月末、これらの国々はニューヨークで、国連総会の合間にオバマ大統領と会談し、相互に「航行の自由」の原則を再確認した。
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- コメント01さんにお願いがあります。 めむめむ 2010/10/11 15:12:06
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