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<向龍時代:上 海の攻防>膨張野心 緊張の海/ベトナム沖 中国船台頭/尖閣、ひとごとでない(朝日新聞)
http://www.asyura2.com/09/china02/msg/585.html
投稿者 gataro 日時 2010 年 10 月 03 日 20:04:02: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 尖閣領有は「核心的利益」 中国、台湾など同列に(東京新聞) 投稿者 gataro 日時 2010 年 10 月 03 日 19:28:26)

以下の記事は「朝日新聞記事情報/G-Search」から検索して編集、貼り付け。

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<向龍時代:上 海の攻防>膨張野心 緊張の海/ベトナム沖 中国船台頭
2010.10.01 大阪朝刊 1頁 1総合 写図有 (全3,283字) 

 中国を含む複数の国・地域が領有権を主張するスプラトリー(南沙)諸島やパラセル(西沙)諸島が浮かぶ南シナ海。この海では、中国をめぐる緊張は日常になりつつある。

 6月中旬、ベトナム・トンキン湾沖。ベトナム漁民が長く漁場としてきたこの海域で、いつものように操業していたベトナム漁船が次々と中国当局に摘発された。同月末までに拿捕(だほ)された漁船は31隻にのぼった。中国は4月末、「5月16日から8月1日までは、北緯12度以北の海域を禁漁とする」と一方的に通告してきていた。摘発は、この措置に従わなかったから、ということのようだった。

 だが、ベトナム国内ではこの中国の行動は、一切伝えられていない。中国に反発する在外ベトナム人の団体が情報を入手してインターネット上で明らかにしたことで発覚した。ただ、ベトナム国内からこのサイトや事件を伝えるブログなどにはアクセスできない。

 ベトナム外務省は6月下旬に「スプラトリーとパラセルはベトナム固有の領土である」とする報道官声明を発表した。事件を受けたものとみられるが、中国への言及はなかった。

 中国は、周辺の海に対する支配を広げるために次々と行動を起こしている。経済成長を支えるのに欠かせない海底資源をおさえるため、巧みに既成事実を積み重ねながら、南シナ海で膨張を続ける。同時に空母建造を含め海軍の増強を急いでいる。

 「禁漁通告」は、中国がこれまでも使ってきた手法だ。中国は南シナ海で、1990年代から漁業者の避難施設、海洋調査施設……さまざまな目的を持ち出してスプラトリーの小島や岩礁に建物を造ってきた。軍事転用が可能な施設もある。2001年に突然、「南シナ海での漁業を6月から8月まで禁止する」と宣言し、他国の漁船の排除に乗り出した。

 多数の漁船団を送り込み、それを保護する名目で漁業監視船を派遣するやり方もそうだ。スプラトリー周辺ではいま、多い時には1千隻近い中国漁船が操業し、マレーシアとの間で摩擦を引き起こしている。今年4月からは大型漁業監視船が常時、監視行動を開始。9月29日、広東省湛江市で最新鋭監視船「漁政310」の完成・引き渡しがあった。報道によれば、2500トン級でヘリコプターを搭載できる。

 周辺の東南アジア諸国は緊張を強いられているが、中国への強い抗議や報復措置といった先鋭化は起きていない。「中国と経済の相互依存を深める中、平和や安定を脅かす事態に発展させないことがきわめて重要」とマレーシア海洋研究所のナゼリー・カリド氏は言う。

 尖閣諸島沖の衝突事件は、海に張り出してくる中国が日本の間近にまで来ていることを印象づけた。しかし、南シナ海ではすでに中国、東南アジア諸国、米国の間で攻防が続いている。

 (バンコク=藤谷健 北京=峯村健司)
 
 (8面に続く)

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<向龍時代:上 海の攻防>尖閣、ひとごとでない
(1面から続く)

 南シナ海で中国の攻勢を受ける沿岸国。米国とともに、東シナ海での日本の打つ手を見守る。


 中国が海洋進出を図る狙いは、年10%前後の伸びを続ける経済成長を支えるエネルギーの確保だ。南シナ海と東シナ海には、石油などの豊富な地下資源が眠っている。南シナ海はマラッカ海峡に通じる重要なシーレーン(海上交通路)でもある。エネルギー需要の急増で、中国は1996年に原油の「純輸入国」になった。輸入原油の8割がマラッカ海峡を通る。

 中国軍は、南シナ海の玄関口である海南島・三亜に最大規模の海軍基地を建設中だ。原子力潜水艦の基地も備え、建造中の空母も配備される予定。そうなれば、南シナ海に圧倒的な影響力を持てる。

 ●警戒感隠さぬ米

 これを見過ごすことができないのが米国だ。
 米国は従来、アジアの海を巡るあつれきには距離を置いてきたが、中国による強引な海洋権益確保を無視できなくなりつつある。

 2001年、海南島沖で起きた米中軍用機接触事故で米国は米機乗員と機体を取り戻すために中国への謝罪を強いられた。昨年3月には米海軍の調査船が南シナ海で中国政府の艦船5隻に妨害を受ける事件も起きた。重要なシーレーンの「航行の自由」が脅かされることへの懸念だけでなく、中国の軍事力増大が南シナ海の「もろい現状を崩壊させる可能性がある」(国防総省の中国軍事力に関する年次報告書)と警戒する。

 中国と一対一で対峙(たいじ)することは避けたい南シナ海沿岸国は、米国とともに東南アジア諸国連合(ASEAN)という多国間の枠組みのなかに中国を包み込みたいのが本音。米国は、それに応えることで中国を包囲したい思惑がある。

 米政府高官は南シナ海を巡る対中姿勢について「あえて目に見える手法を取っている」と話す。ASEAN関連会議などの場で積極的にこの問題を取り上げるだけでなく、8月にベトナムと南シナ海で実施した軍事交流には、中国が神経をとがらす空母ジョージ・ワシントンを投入した。

 ●対立にためらい

 それでも、中国と間近で向き合うASEAN諸国にはためらいがある。

 9月24日、ニューヨークで開かれたオバマ米大統領と10人のASEAN首脳が参加した米ASEAN首脳会議。約1時間半の議論の最大の焦点は、南シナ海問題だった。しかし、会議後に発表された共同声明からは、米国が原案に記していた「南シナ海」の文字が消えていた。

 中国はその3日前、「南シナ海についての声明には重大な懸念を表明する」(姜瑜外務省副報道局長)と威嚇。23日には温家宝(ウェンチアパオ)首相が国連総会での演説で、国家主権や領土保全をめぐっては「屈服も妥協もしない」と言い切った。日本では尖閣問題でのメッセージと受け止められたが、ASEAN諸国は自分たちのこととしてとらえた。

 ASEANのある政府高官は「中国不在の会議でこの問題を声明に盛り込むのはフェアではない。それに、米国の言いなりになっているとの印象を与えかねない。『南シナ海』を削れば、米中双方の顔が立つ」と明かした。

 東南アジアの国々にとって、尖閣諸島沖の衝突事件はひとごとではなかった。だが、一連の事態を通じて、東南アジア諸国政府当局者による公式の言及はほとんどなかった。

 その東シナ海。中国政府関係者によると、同海域への漁業監視船の派遣は06年から始まった。近海の漁獲高が減った中国漁船が、魚を求めて尖閣付近に押し寄せるようになったからだ。当初監視船は、漁船が尖閣周辺の「敏感な海域」に入らないように指導していた。しかし、今回の衝突事件で中国人船長が逮捕されたことで状況が変わった。

 中国政府関係者は「(進入してきた漁船を追い返すにとどめるという)長く続いてきた暗黙のルールを破り、自国の領海であることを声高に主張した。今後、監視船は攻撃的にならざるを得ない」と話す。だが、日本の海上保安庁幹部は「これまで中国漁船が体当たりしてくるようなケースはなかった」と漁船の質が変化してきたことに注目する。

 中国の東シナ海長期戦略はこうだ。まず沖縄、台湾、フィリピンにつながる島々を「第1列島線」と定め、ガス田周辺を含む海域を「内海」化する。続いて、日本列島からサイパン、グアム島をつないでインドネシアに至る「第2列島線」内の西太平洋海域に展開できる「外洋海軍化」を目指す。

 南シナ海のような日常的な緊張が、東シナ海にも漂い始めている。
 (村山祐介=ワシントン、四倉幹木=マニラ、永田工)

     ◇

 経済の結びつきが強まり、相互依存を深める日中。だが、尖閣諸島をめぐる対立と中国の対抗措置は積み上げつつあった信頼関係を揺るがした。日本の経済が中国に頼りすぎることの危うさも浮かんだ。リスク管理が困難な尖閣問題を抱えながら、いかに中国と向き合っていくか。余震が続く海域や政治、経済の現場から伝える。

朝日新聞社
 

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