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ここに「悪の論理」という本がある.倉前盛通という人が,1980年に角川文庫の一冊として出版した.
日本の地政学は,米国の占領政策によって破壊されてしまったようだが,倉前氏はその血脈を残し,日本人に真実を知らしめんがために,この本を書いたようだ.
この本から一部を抜粋させて頂く:
・中国人の国境概念: 「国境は国家の同化力の境界線である」という発想は,数千年前から中国が抱いていた中華思想とまったく同じ発想である.古代シナ文明は,黄河流域のせまい地域のものであり,(中略)それらを軍事力と政治力と文化力で同化吸収することによって,かつての古代シナ帝国が現在の中国の国境まで拡大したのである.元来,中国人にはヨーロッパ的な意味の国境概念はない.中国の同化力の及ぶ範囲が世界であり,それから外は世界の中に入れなかった.この発想は今日の中華人民共和国という名の新しいシナ帝国になっても,少しも変わってはいない.(中略)共産中国風の発想をうけ入れることを彼らは開放と呼んでいる.(中略)また,現在の共産中国の支配権内でもチベットやウイグルのように,完全な異民族で,発想も文字も言葉も異なる地域では,あらゆる手段で同化を強制し,結婚まで強制している.(中略)中国人にとっては,「地球という小惑星には,中国という一つの文化大国しか存在しない」という発想が,ほぼ3500年にわたって続いているのである.(中略)本来の中国人は対等な外交関係というものを周辺の国々と結ぼうとしない国民性をもっている.(中略)中国は,「生存圏」もしくは「安全圏」「防衛空間」として,周辺諸地域,つまり,ベトナム,ラオス,ビルマ,チベット,ウイグル,モンゴル,満州,朝鮮を自分の支配下,もしくは間接統治下におこうとつねに努力してきたのであって,(中略)共産中国が将来,自国の支配下におこうと考えている地域がこの図*に示されている.しかも,これらは帝国主義に奪われたから奪い返すのだと称している.過去のシナ帝国が侵略した地域ばかりでなく,外交使節を交換した国々も中国の領土であると強弁するところは,ロシア人によく似ている.中国人が考えている生存圏はこれである*
(*baka注;中国の1954年版の中学校教科書に載せられた地図が掲載されており,台湾はもちろん,朝鮮半島全体や沖縄まで,彼らの「生存圏」(領土)に含まれている!!! なお,抜粋文中の「ウイグル」は,原文では漢字(シンキョウと読む?)で書かれているが,bakaはPCでこの漢字が探せなかったので,「ウイグル」と記載した,)
bakaコメント1:
ここ最近の中国の動きと言動は,全く倉前氏の分析どおりであることに,皆さんは驚嘆するのではなかろうか? この本の出版は,今から30年前(米ソ冷戦終結前)である.中国が全く変わっていないことも,倉前氏の主張どおりではないか!
・中国の大陸棚独占構想: 北京の中国政権は米ソ超大国の世界支配をことごとくに非難していながら,大陸棚条約のように中国に都合のよいものに関しては,その主張をそっくり引用して自己に有利な方向へ国際関係をねじ曲げてゆこうとする傾向を持っている.この例が図13である.これは南シナ海の大陸棚独占地図であり,この地図によって子弟教育をおこなっている.ここではインドシナ半島のベトナムに対してさえ,大陸棚の権利を認めていない.(中略)1975年はじめ,北ベトナムが弱体化した南ベトナムを電撃作戦によって一挙に席巻しようとしたその直前,ベトナム沖の西沙群島を突如,中国軍が軍事占領した理由も,ここにある.(中略)同じように東シナ海においても,中国は図14のような大陸棚独占の企図をもっており,特に尖閣群島周辺の海底油田が発見されたあと,厚顔にもそれまで日本領と記入していた尖閣群島を,急遽,地図をつくりなおして中国領と変更した.台湾にある国民政府も地図の作りなおしをおこなって,同じ歩調をとっている.
bakaコメント2: どなたか中国の作成した古い地図をお持ちでないでしょうか? 是非,全世界に公開して頂きたい.
bakaコメント3: 現在の台湾与党は,国民党であり,今は第3次国共合作(国民党と中国共産党との連携)の時代と云われている.
・米国はすでにマリアナ群島を1980年以後米領に編入し,ここに巨大な海空軍基地を35年ぶりに建設しようとしはじめている.これが完成すれば,米国は沖縄の基地から撤退する予定を立てている.米国の防衛ラインをマリアナ群島の線まで後退させることは,ニクソン・ドクトリンの発表の時点で決まったことであった.それゆえ,日本が必要な海空軍力を保有しない限り,米軍引き揚げ後の沖縄に対して,ソ連,中国が猛烈な工作をおこなうことは火を見るよりも明らかであろう.
bakaコメント: 現在も米軍の沖縄からの撤退は引き延ばされているが,中国の国力及び軍事力増大が一因であろう.米国が太平洋の覇権を中国と山分けすることに合意した時点で沖縄は,米国から見捨てられるであろう.
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