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異様に膨れあがる中国の外貨準備高、ついに2兆ドルを突破した。2兆1316億ドル。これは第一四半期に404億ドルだけの増加で当面は停滞と見られたのに、第二四半期はいきなり1779億ドル増。それも五月単独で806億ドルという急膨張(フィナンシャルタイムズ、7月15日)。
輸出回復より、資金流入と保有するユーロの評価高が原因。
普通は経常収支が外貨準備高を押し上げるが、中国の場合は「熱銭」と言われるホットマネーが主役である。
投機資金がどっと中国へ流れ込んで、このため冷却されていた不動産、株式が上昇に転じ、セメントなど商品が時の対象となる。
過去貳年半という僅かな時間のなかで、中国は一兆ドルを積み上げた。ドルに代替する通貨をと叫びIMF改革とSDR債権購入を主唱しつつ、自らがドルの罠に落ちた。
さて中国に入ってくるカネもあれば出て行く金もある。
海外鉱区や米国企業買収などで流出するカネは合法的な投資行為だが、不正にでていくカネがあとを絶たない。
典型の事件は中国銀行開平支店長一味が巧妙に海外へ移し替え、カナダ経由で米国へトンズラした事件で、かれらが持ち出したのは5億ドルだった。
この類いの経済犯罪、偽インボイス、でっちあげプロジェクトなど不法な投棄などにより海外へ資産を隠匿し、出張と称して、ドロンする中国共産党高官、ついに公式統計で一万名を超えた。
7月14日付け「博訊新聞網」によれば、かれらが中国から持ち出した不正なカネは、6500億人民元に達しようという。邦貨換算で9兆円が帳簿から消えている。
全外貨準備高の、じつに4・5%が海外へ蒸発しているのだ。