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【ウイグル暴動】開く漢族との格差 貧困にあえぐウイグル族庶民【産経】
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090710/chn0907102145011-n1.htm
2009.7.10 21:32
暴動の発生から11日で1週間となる新疆ウイグル自治区・ウルムチ。
暴動で外出を控えていた市民は10日、市内の路上に姿を見せ始めた。
現地では、当局が漢族と少数民族の「民族団結」を呼びかける。
しかし、ウイグル族市民の生活は相変わらず貧しく、不満はつのるばかりだ。
(ウルムチ 野口東秀、写真も)
ウイグル族が多く住むウルムチ市内の大バザール周辺。
路上では、少年が靴磨きをしている。
「お母さんが働けって言うから」。
12歳のバープン君は1足1元(約14円)で靴を磨き、1日30元を稼ぐ。
もうけはすべて両親に渡すという。
一家の貴重な働き手のバープン君は小学校にも通っていない。
武装警察部隊の隊列近くには果物や衣料品、中古携帯電話などが並ぶ。
ポロシャツは13元、メロン一切れ1元と価格は北京の5分の1程度だ。
「民族団結って何か分からない。ウイグル族は普通語(中国語の共通語)がまともにできないと職もないんだ」とトゥルソンさん(28)。
トゥルソンさんは市東部の小さなモスク(イスラム礼拝所)の前の古ぼけたアパートに住む。
両親、兄弟の子供ら6人と6畳ほどの部屋で暮らす。
漢族がウイグル居住区を襲った7日。
トゥルソンさんの父と兄(30)が商品のアンズをオートバイで運んでいたところ、漢族が投げた長刀が頭に命中した。兄は今も入院中だ。
アンズを売っても月500元ほどだ。
これに保安係の兄が稼ぐ月800元が一家の総収入。
家賃300元を引けば生活は苦しい。
石油や石炭が豊富な同自治区だが、それがウイグル族に反映され、「経済的進歩は著しい」(同自治区政府)と感じることは難しい。
沿海部と比べ内陸部の少数民族居住地の経済は遅れ、漢族との経済格差は広がる一方だ。
28年間、政府系ホテルの経理部門で働いたパシャハンさん(50)ですら暮らしはトゥルソンさん一家と違いはない。
「4年間、病気で休職したため、退職後の今、政府から養老金を1円ももらっていない」とパシャハンさんは言う。
長男(17)の生活費に月600元必要だが、貯金を取り崩す日々。
「別居している夫は病気で生活能力がない。貯金も底をつき始めた」とため息をつく。