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[GEN 772] 宮崎口蹄疫騒動を検証する【第19回】
発行日:9/3
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世界の環境ホットニュース[GEN] 772号 10年9月3日
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宮崎口蹄疫騒動を検証する(第19回)
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宮崎口蹄疫騒動を検証する 原田 和明
第19回 口蹄疫はなぜ宮崎限定だったのか?
農水省の疫学調査チームが、感染ルートの解明を断念しました。しかし、調査
したのは「感染源」につながる川上ルート(原因)だけであって、
「なぜ宮崎
県以外ではまったく起きなかったのか?」という川下ルート(結果)について
は最初から調査する気がないようです。
西日本新聞(2010年8月24日 18:37)より以下引用。
宮崎県の口蹄疫問題で、感染経路の調査を進めている農林水産省の疫学調査
チームは8月24日、同省で検討会を開き、『(海外から国内への侵入経路は)
特定に至っていない』とする中間報告をまとめた。検討会後に記者会見した
津田知幸チーム長は、今後の調査の見通しについて『(経路の特定は)なか
なか難しい』と述べ、原因究明は困難との見方を示した。
北海道と宮崎県で2000年に口蹄疫感染が発生した際には、畜舎などで使
われた中国産わらが国内への感染経路だった可能性が高いとみられている。
だが今回の調査では、疑わしい畜産関連の資材は出てきていない。
津田チーム長は、可能性が残る感染経路として「あくまで推測だが、(ウイ
ルスは)人などによって運ばれたのではないか」と話した。同チームは年内
に最終報告をまとめ、防疫体制の改善に役立てる方針。」(引用終わり)
「中国産わら」が原因だとすると、全国で使われているのですから今回の騒動
が宮崎限定だったことを説明できません。
「ウイルスが人などによって運ばれ
た」と考えたところで同じことです。非清浄国の中国からはエサも輸入してい
ます。
JA尾鈴畜産部の松浦寿勝部長は「これからはエサ(干し草)をすべて国
産で賄うようにしなければならないと思います。中国から輸入されるエサは80
度の蒸気をかけて殺菌されるはずなんですが、なかに虫が生きていたという話
がありますからね」と語っています。(高山文彦「宮崎口蹄疫禍 現地ルポ」
文藝春秋2010年8月号)
非清浄国の中国から畜産関連の資材を大量に輸入しているのですから、いつど
こで口蹄疫が発生しても不思議ではありません。
わらや干し草をすべて国産な
いし清浄国からの輸入に切り替えるということが簡単にできるとも思えません。
そういう状態を放置したまま、一旦口蹄疫が発生したとなると、29万頭を殺し
てでも清浄国に拘るという理屈がわかりません。
疫学調査チームは、とりあえず県外出身者である水牛農家(6例目)に汚染源と
の烙印を押しておけば地元も納得するとでも安易に考えていたのでしょうか?
ところが、自分たちの調査があまりにいい加減だったため、農家の間で疫学調
査チームに対する不信感が高まりました。(第16回GEN769)それで、ろくな証
拠もないのに6例目の水牛農家に濡れ衣を着せることは断念せざるを えなくな
ったと考えられます。
産経新聞は、中間概要の結論を引っ込めた理由を「農家から問い詰められて答
えられなくなったから」とは言えなかったようです。(産経ニュース2010.8.25
00:29より以下引用)
中間報告は、宮崎県内での口蹄疫の最も早い感染事例について、これまで指
摘されてきた4月23日に6例目と認定された 都農町の水牛で、3月中旬には感
染していたとの見方を示した。ただ調査チームによると、6例目の農場は聞
き取り調査に対し「感染経路の心当たりはない」と応じており、さらにさか
のぼった調査は難しいという。(引用終わり)
自らが名指しした容疑者(?)が「心当たりはない」といえばお手上げという
ところに、疫学調査のいい加減さがよく表れています。
口蹄疫そのものは軽い病気で、
これまで農水省が行なった 抗体検査(宮崎日日新聞が 曝露=第10回
「隠されていた抗体検査」)の結果から、
農場主も気付かないうちに家畜は感
染と治癒を繰り返し、免疫を獲得していっていたと考えられますから、感染源
については特定できないという結論そのものは妥当であると考えます。
農水省
は「日本は清浄国」という建前ですから、そのことがばれると困るのでしょう。
抗体検査の結果は(当該農家にさえも)公開しないと言っています。
さて、疫学調査チームは川上側(ウイルスがどこから宮崎に入ったか?)ばか
りを問題としていますが、川下側(なぜウイルスは宮崎から出なかったか?)
こそ問題です。
つまり、口蹄疫は なぜ宮崎県以外では 発生しなかったのか?
という疑問の解明こそが、今回の口蹄疫騒動の本質を解くカギであろうと思わ
れます。
だからなのか、疫学調査チームはまったくこの問題に取り組む様子は
見られません。
今回は、このアウトプットの問題「口蹄疫はなぜ宮崎県以外では発生しなかっ
たのか?」について検証してみたいと思います。
ただし、上述したように、口
蹄疫はどこで発生してもおかしくない状態、というよりも、「清浄国」という
のは名ばかりで、全国至るところで、牛、豚は感染・治癒を繰り返している状
態にあると考えられます。
非洗浄国からの大量の畜産資材の輸入や、人の往来
もあって、いちいち感染源を特定することは不可能といった状況です。
しかも、
検査機関は動物衛生研究所、ただ一箇所なのですから、検査結果の妥当性は検
証不可能です。
もうそうなると、「なぜ宮崎県だけ?」と問うても詮無いこと
かもしれませんが、可能性は2つ。
(1)宮崎県以外からは検査の要請がなかった。
(2)動物衛生研究所が検査結果を恣意的に操作した。
(1)の可能性は簡単に否定されます。第13回(GEN766)で紹介したように、沖
縄県が 5月末に、広島県が6月7日に、それぞれ動物衛生研究所へ検体を送って
PCR検査を受けています。さらに 山田正彦のウイークリーブログ(5月9日)に
「5日の子供の日は大変だった。
検体が、思いがけず 宮崎以外の他県から持ち込まれる」とあります。
「宮崎県での口蹄疫発生後、週に数件、こうした家畜
の検体が持ち込まれているという」(2010年6月1日18時46分 読売新聞)との
記事もあります。全国の 畜産関係者にとって「対岸の火事」と いうわけには
いかなかったのは当然です。
そうなると、「検査結果は、たまたま、宮崎県以外の検体(検査数不明)はす
べて陰性で、たまたま宮崎県の検体(296例)は すべて陽性だった」というこ
とになるのですが、たとえば「ジャンボ宝くじでも一等が当たる人はいるんだ
から」と納得できるものでしょうか?
何か検査結果に操作が加えられている、改ざんされているとの疑いが晴れませ
ん。
では、動物衛生研究所だけが疑わしいかというと、そうでもありません。
山田正彦のウイークリーブログ(5月9日)に、
検体は現場から直接、動物衛生
研究所(小平市)へ送られるのではなく、農水省(霞ヶ関)を経由しているこ
とが記されています。(以下引用)
宮崎から夕方航空便で口蹄疫感染の疑いのある牛、豚の検体が送られてくる。
それを動物衛生研究所に届けて、すぐにPCRの検査を始める。10年前に 口蹄
疫が日本に発生したときには、検査に4,5日はかかったそうだが、今では5時
間ほどで口蹄疫に感染しているか、そうではないかの検査結果がわかる。
(引用終わり)
感染拡大を阻止するためには、口蹄疫だったかどうかの判定は一刻を争う大事
のはずです。5時間ほどで判明するものを、あえて霞ヶ関経由にして1-2時間を
無駄にするのはなぜでしょう?
霞ヶ関では何が行われていたか というと、第9回で紹介したように、
嘘っぱち
の写真判定をまじめにやっているフリ?をしていました。(6月11日 読売新聞
より以下引用)
「これはダメだ」「残念だけど、九分九厘クロだろう」。パソコン画面上の
写真を見て、獣医師資格を持つ農水省職員がため息をついた。10日午後、東
京・霞が関の同省 動物衛生課。日向市から送られてきた写真で 牛の症状を
「診断」していたのだ。(引用終わり)
東国原知事は自身のブログ(そのまんま日記 7月17日)に「現地対策本部長の
山田氏が『僕がここに来たのは、ワクチンを打ちに来たんだよ』と嬉しそうに、
まるで宮崎が実験場であるかのように仰られた」と書いていますが、私は知事
の直感は当たっているのではないかと考えています。
日本で初めての「実験」
ならば、規模を限定した方が無難です。何が起きるかわかりませんから。
「やってみないとわからない」牛豚等疾病小委員会がワクチン接種を答申した
直後の記者会見で、寺門 誠致委員長代理もそう言ったのです。
(「日本の防疫体制は丸裸」雑誌「選択」2010年8月号より以下引用)
寺門誠致委員長代理は記者会見で「ワクチン使用の時期に来ているが(中略)
技術面で自信がない。やってみなければわからない」という信じがたい無責
任な説明に終始した。
官僚と御用学者は『ワクチン接種』と『予防的殺処分』
の2つの『英断』の責任を二人三脚で回避し、『政治(赤松広隆農水相)』に
押し付けたのだ。(引用終わり)
ワクチン接種に成功すれば、備蓄量を増やす口実ができ、製薬メーカーとの癒
着ができる。
寺門誠致自身も10年前の口蹄疫騒動のとき家畜衛生試験場(現在
の動物衛生研究所)の場長で、ワクチン備蓄の 功績が認められて?
製薬メーカーの研究所長におさまった人物です。
ワクチン接種に失敗すれば、官僚主導打破を唱える鳩山政権にとって痛手に
なりますから、どちらも 官僚にとって
「悪くない」政策です。
それにしても、「技術面で自信がない」というコメントを聞いた記憶がありま
せん。
「ワクチン接種が唯一の打開策」だと聞かされていた自分の記憶とのギ
ャップの 大きさに 戸惑います。当時、マスコミは何と報道していたでしょう
か?
「家畜へのワクチン接種は口蹄疫の症状を緩和し、ほかの家畜に感染しにく
くする効果がある。発症のペースを落とし、殺処分を計画的に行うことがで
きるメリットもある」(産経ニュース2010.5.18 20:02)
「症状を軽くするワクチン投与によって感染拡大を遅らせる方針だ」(2010
年5月19日 読売新聞)
「小委の寺門誠致委員長代理は同日の記者会見で『ウイルス濃度を下げない
と、流行の拡大を抑えられない』と指摘。発生地域の牛や豚へのワクチン投
与はやむを得ないとの認識を示した」(2010年5月19日 日経新聞)
「自信がない。やってみないとわからない」との小委員会のコメントを伝えて
いたのは、わずかに時事通信社だけでした。
ここでも、マスコミ報道に騙され
ていたということのようです。
「農林水産省が 5月18日開いた専門家による小委員会は、大勢の意見として
ワクチン投与の検討を提言した。半面、ワクチンでウイルスを撲滅できる自
信はないとの意見も出た。効果は『やってみないと分からない』(小委員長
代理の寺門誠致・共立製薬取締役)という面があるのは否定できない。(5月
19日 時事通信)
それでは、牛豚等疾病小委員会はなぜ「自信がない。やってみないとわからな
い」ようなことを答申したのでしょうか?
小委員会のメンバーの一人は
「委員会は衛生課から示された行動指針を追認しているだけ」と述べたとのことで
す。
(2010.6.16PIG EXPRESS=アニマル・メディア社)農水省衛生課が自分の
やりたいことを実現するための「お墨付き」が欲しくて牛豚等疾病小委員会に
答申させたということなのでしょう。
小委員会では「追認するだけ」だから
議論もしていないと思われます。
その証拠に
農水省は抗体検査の結果だけでなく、
牛豚等疾病小委員会の議事録も「非公開」としています。
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