http://www.asyura2.com/09/buta02/msg/781.html
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最近の大きな災害復興基金は2007年の中越沖地震復興基金だろう。これは1600億円規模の基金だが、全額新潟県からの借り入れだ。基本財産30億円は全額県の出資だし、運用財産1600億円は県からの借り入れだ。実際の事業は1600億円の運用益120億円をあてるとされている。この120億円の内60億円は国からの地方交付税で補充される。(この部分は、http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/6_02,0.pdfの2ページを参照のこと) 1995年の阪神大震災では阪神・淡路大震災復興基金が作られ、9000億円の運用財産から3600億円の運用益を復興に使うと言う形だった。運用益は実際には、その75%は国から、25%は県と市の自主財源の負担だった。 この仕組みについての記述を「阪神・淡路大震災復興基金とわが国立法府の役割」http://www.hemri21.jp/kenkyusyo/seika/anzen/wp/ISS_wp20071j.pdfから引用する。 以下引用: 資金調達の仕組みは次のようだった。まず、@金融機関が兵庫県・神戸市に金銭消費貸借契約によって8,800億円を貸し付ける(金利は5,800億円分は4.5%、3,000億円分は3%)、A兵庫県・神戸市がこれを全額復興基金に無利子で貸し付ける。B金融機関は兵庫県・神戸市に対する債権を債券に変えてそれを復興基金に8,800億円で譲渡するというものである。この結果、兵庫県・神戸市が金融機関へ支払う利子(4.5%又は3%分)全額を、債券の譲渡を受けた復興基金が受け取り、助成事業として活用することとなる。 以上引用終わり。 なお、一般的に復興基金の運用基金は、単に運用されるだけで、基金の事業が終わった段階で県や市に返還される。だから、実質的に県や市の負担は県債や市債を発行した時の利子負担しかない。そして、その利子負担分は基本的に50%から75%を国が地方交付税で支払うことになっている。 だから、今回の宮崎県口蹄疫被害復興基金について、次の記事は、内容がかなりあいまいだ。300億円の基金そのものを国が出すべきだと言っているのか、それとも、実際の事業費規模が300億円になり、その300億円を全額国が負担するべきだと言っているのか、よく分からない。基金が300億円なら、今は運用利率が2%から3%ほどだろうから、年に10億円行かないぐらいの事業規模になる。実際の事業規模が300億円なら、3年間事業をやるとして、1年で100億円の運用益を得る必要があるので基金規模は3000億円にもなる。 問題点は次のようなものだろう。 1. 国と地方自治体の負担割合をどう決めるのか?災害の種類別に変えるのか、それとも、被害についての責任の度合いに応じて決めるのか。 どちらにしても、今回の口蹄疫被害がここまで広がったその原因究明が必要で、たとえある程度でもその検証をして公表してからでないと、基金を作るのは無理だろう。 菅直人首相(右)に復興への支援を求める宮崎県の東国原英夫知事=16日午後2時すぎ、首相官邸 家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で、宮崎県の東国原英夫知事は16日、首相官邸に菅直人首相を訪ね、県が創設を目指す300億円規模の基金について、全額国費で負担するよう要望した。首相は「できる限りの支援はさせていただく」と応じ、20日の閣議で政府の対応策を協議する考えを示したという。知事は、基金を今月中に創設する意向を明かした。 基金については6日に知事が山田正彦農相を訪ね、財政支援を要請したが、全額国費負担の要望は初めて。県の構想では、3年間で300億円を取り崩し、畜産業の再生や家畜の埋却処分に伴う環境対策、市町村が行う地域振興支援事業などに充てる方針。 首相との会談後、知事は記者団に「原資について(首相から)言及はなかった」とした上で「できる限りの支援というありがたい、強い言葉をいただいた」と強調した。会談では、県東部の被害集中地域で、税制優遇措置や公共事業の前倒しなどを認める「復興特区」制度の創設も求めた。 =2010/08/17付 西日本新聞朝刊= *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<108>>
口蹄疫復興基金、全額国の負担は異例!
この兵庫県・神戸市の支払う利子のうち、地方交付税による助成率は交付税対象となる運用財産から生じる利子の95%とされた。但し交付税対象分が運用財産の全額でなく、例えば当初に増設された5,800億円の10年間分については交付税対象が5,000億円相当とされており、その後積み増し延長措置がなされた分については運用財産の1/2又は2/3部分が交付税措置の対象となっており、復興基金の運用益全体に対する交付税措置の割合は約75%となった。従って25%分は兵庫県と神戸市が負担することとなる。
どちらにしても基金と言っているのだから、一定額を基金として積み上げ、それの運用益で事業を行うはずだ。しかし、記事では「3年間で300億円を取り崩し、畜産業の再生や家畜の埋却処分に伴う環境対策、市町村が行う地域振興支援事業などに充てる」としているので、300億円は事業規模のことのようだ。そうすると、年間100億の運用益を出す基金が必要で、その基金は3%運用ができるとしても3000億円を超える規模になる。これは2007年の中越沖地震復興基金の約2倍にもなる。
2. 私有財産についての補償・援助はどうするのか?特に、口蹄疫については処分した家畜についての補償は国がすることになっていて、そちらは別に財源措置がされている。
3. 復興基金の規模をどう決めるか。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/191290 よりコピー:
口蹄疫基金 300億円 全額国負担を 宮崎知事が首相に要望 月内に創設意向
2010年8月17日 00:32 カテゴリー:社会 九州 > 宮崎
以上コピー終わり。
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