http://www.asyura2.com/09/buta02/msg/682.html
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一週間ほど前から書いているのですが、途中何回も中断したため、文脈が混乱している部分があります。ただ、今回の口蹄疫感染はその被害のひどさがあまりに大きく、そして、自然発生的に起こった感染だとはとても思えないので、その根拠を不完全ながらまとめてみたものです。 (1).2000年の流行時には感染確認後速やかに制限地域内の全農家に対し立入検査と抗体検査が行われ、それに加えて疫学関連調査が全国的に行われ、1例目を除いてその他の症例は、発症前に口蹄疫感染を確認できたが2010年にはそれらが行われた形跡がないこと。結果的に、こういった手抜きが口蹄疫の蔓延を許した形式がとられていること。 http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/FMD/taiou.htmlにある家畜衛試ニュース(2000年) No.103 P2〜7、海外病研究部長 難波功一、企画連絡室長 清水実嗣、「口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の対応」から、「発生と診断の経過」の部分を引用する。かなり長いが、重要なことは、引用部分の後半に書かれている。口蹄疫確認後、速やかに全近隣農場へ立入調査と抗体検査が行われていること、及び、「全国の疫学関連農家(宮崎県からの導入牛のいる農家、中国産輸入粗飼料を用いている農家など)について同様な調査が行われた」ことだ。 以下引用: 制限地域内の立ち入り検査と抗体検査は連日行われ、一戸ごとに清浄性を確認する作業が間断なく続行された。その結果に基づき、4月23日にはA農家から半径50km以内の搬出制限地域が解除されるとともに、移動制限地域はBおよびC農場を中心とした半径10km以内に変更となった。また、清浄性を確認するためにさらに詳細な検討を要する農家については、複数回にわたる抗体検査とプロバングテストを併用した「農場隔離検査プログラム」を開始することとした。4月26日には移動制限地域をC農場を中心とした半径10km以内に縮小、全地域で清浄性が確認され制限が解除されたのは5月11日であった。 一方、宮崎県の調査と並行して全国の疫学関連農家(宮崎県からの導入牛のいる農家、中国産輸入粗飼料を用いている農家など)について同様な調査が行われた。その結果、北海道本別町のD農場が農場隔離検査プログラムの対象となり、5月11日には抗体陽性牛2頭のプロバング材料からRT-PCRでO/JPN/2000株と同じ塩基配列を有する遺伝子断片を検出した。同農場では2頭を患畜、同居牛703頭を疑似患畜とし、すべてを殺処分した。また、半径10km以内を移動制限地域に定め、域内の全飼養農家と疫学関連農家(導入元、販売先農場など)の調査を開始した。5月25日には全戸の立ち入り調査と抗体検査によって清浄性を確認し、移動制限が全面的に解除されたのは6月9日であった。 以上引用終わり。 以上の引用にあるように、2000年の宮崎県での口蹄疫流行では第1例の通報後速やかに@口蹄疫ウィルスの確認が行われ、引き続き、A感染可能性があるエリアの特定とBそのエリア内の全農家へ立入検査と抗体検査及び全国の疫学関連農家への同一内容の検査が行われた。そして、その結果、2例目以降は全て発症前に口蹄疫感染が確認されたのだ。発症前に感染確認がされ、それらの農場で防疫措置が取られたことが感染の広がりを抑えたと言えるはずだ。 しかし、2010年の同じく宮崎県での例では、@及びAは行われたがBに対応するような検査は行われず、代わりに、次に引用するように電話での聞き取り調査が行われただけだ。そのことは次の資料に書かれている。 上の引用は4月23日の記事であり、清浄性確認のタイミングとしては2000年の時と変わりがないと言えるだろうが、電話での聞き取りでは抗体検査ができないので、いたずらに口蹄疫の発症を待っていたと言えるのではないか? 更に、移動制限エリア内などでの立入検査や抗体検査が行われていなかったことは、口蹄疫の感染事例の情報公開で、6例目を除いて全ての感染事例が農場主や普段からその農場を担当している獣医師から通報から確認されていること、及び、立入検査の結果症状が発見されたり、または、抗体検査の結果発症前に口蹄疫ウィルスが確認された例の記載がないことから明らかだ。 なお、清浄性確認についてという資料が、他に2点、宮崎県のサイトにある。 どちらも、聞き取り調査であり、多分、電話での聞き取り調査である可能性が高く、たとえ立入調査であっても、抗体検査はされていなかった様子だ。 (2).2010年の口蹄疫感染が、都農町の水牛農家(6例目)から起こったかのような見せかけが行われていること。この6例目のみが、1例目と飼料会社が共通しているため、疫学関連農場とされて立入検査及び検体検査がされている。しかし、1例目と飼料会社が共通の農家は普通複数あるはずであり、1例目と6例目のみが共通の飼料会社を使っていたと言うのはあまりにもおかしい。また、他に農家があって単に感染していなかっただけだと言うのも考えにくい。そもそも、この2件だけが共通の感染源を持っていたとするなら、その特定はかなり簡単にできているはずで、何が感染源であったかが今頃は発表されていなければいけない。 まず、6例目の水牛農家の口蹄疫発生事例について農林省・宮崎県の記載を引用する。 農林省のホームページhttp://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100423.htmlには次のように書かれている。以下引用: 6例目 3 今後の対応 また、宮崎県のホームページhttp://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei10.htmlには次のように書かれている。以下引用: どちらも、6例目の発見は1例目の飼料関係の疫学関連調査の結果だと言っている。6例目の農場への立入調査は4月22日であり、これは1例目の感染確認の2日後なので、疫学関連農場が6例目だけだとしたら、あまりに遅い。つまり、普通に考えれば、飼料会社が飼料を販売している農家が別に多数あり、それらに、4月21日や22日以降も立入検査していなければいけないが、そういった情報公開はない。もし、22日の立入検査で当局が第一発症農家が6例目の水牛農家であると考えたのなら、少なくとも、21日に立入検査した農家の事例が情報公開されていなければおかしい。更に、「電話聞き取りによる清浄性確認」と宮崎県の資料に書かれていたのだから、6例目だけになぜ立入調査が行われたのか、非常に不合理だ。 (3).1例目の口蹄疫感染の確認があまりに遅く、2000年の経験が生かされていない。2000年の口蹄疫感染時、「口腔部や蹄部に水疱は観察されず、跛行も認められない」となっていたのだから、2000年以降、水疱やよだれという典型症状がなくても、口や鼻にびらんなどが観察されれば、口蹄疫を疑い、抗体検査(遺伝子検査)をするというようにマニュアル自体が作られていなければいけなかった。しかし、2000年以降に作られたマニュアルはテレビ報道によると、水疱やよだれという典型症状を伴うものとして記述されていたと言う。だから、2000年の口蹄疫感染さえも、作為的なものであった可能性が高い。 1例目の確認の経過については、農林省のほうには記載がない。宮崎県のほうにのみ記載がある。 4月9日に異常を発見しているのに、かかりつけの獣医師も県の家畜衛生保健所の獣医師も、2000年の事例について思い起こすことなく、10日間にわたって経過観察をしてしまっている。 (4).えびの市への感染は川南町の感染農場の系列だったとしているが、川南町の感染事例が何例目のものか示されていないし、疫学関連調査をやった形跡がない。 9例目についてみると、宮崎県のホームページに載っているhttp://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000140704.pdfの毎日新聞宮崎版5月14日には、「えびの市で初めて感染が確認された農場は、川南町の感染農場の系列でした」と書かれている。しかし、川南町の感染農場が何例目のものか特定されていないし、疫学関連調査がされたという記述がない。 宮崎県の記載: (5).口蹄疫ウィルスの感染力が低いように思えること。そして、現代のように国際的に人やモノの動きが激しい時代は、感染のコントロールができないとウィルステロは還って自らを危険にさらすことになってしまうので、感染力が弱いか、又は、毒性が弱い場合しか、テロには基本的には使えないと考えらること。今回の口蹄疫の感染広がりを見ると、一般的な印象は爆発的な感染を起こしていて非常に感染性が高いように思うかもしれないが、実際は感染性が低いことをうかがわせる事例がいくつもある。そのもっともわかりやすい例は水牛農家の事例だ。3月末に水牛の「発熱・下痢」という症状を観察した農家では豚2匹が同一農場で飼われていたが、4月23日に水牛の口蹄疫感染が確認された時点でその豚への感染が観察されていない。このことは、宮崎県のホームページにある「口蹄疫の疑似患畜の確認について」の6例目の「当面の措置」には「飼育牛全頭の殺処分」としか書かれていないし、遺伝子検査で陽性を確認したのは3月31日に採取した水牛3検体と4月22日に採取した5検体の合計8検体のうち3月31日採取の水牛からの一検体のみということから分かる。そして、この水牛農家は水牛を42頭飼っていたわけだが、4月22日に採取した5検体からは遺伝子検査で一つも陽性にならなかった。多分、42頭いた水牛の中から3月31日に症状を出したものはすでに回復していたのだ。もう一つの事例を上げよう。口蹄疫確認の1例目は16頭の牛を飼っていた繁殖牛農家のもの。4月9日に一頭が口腔内に軽度な潰瘍が確認され、4月16日に同様な症状が他の2頭に見られたとされる。牛の潜伏期間は平均6日ほどだとされるので9日に症状を出した牛は4月3日ごろに感染したとみなせ、同居の牛へ感染したのは4月10日と見るのが妥当なはずだが、7日間で15頭のうちの2頭にしか感染症状が出ていない。 (6). 感染の広がり方が、あまりに規則正しいこと。初期の感染の広がり方を見ると、あまりに規則正しいことが分かる。牛の潜伏期が平均6日、豚の潜伏期が平均10日とされるので、防疫体制が作られる4月21日以前の感染は、牛は4月26日までに、豚は4月30日までに症状がでたものになるはずだ。これらは平均の潜伏期なので、牛・豚ともに4月中に症状がでたものを防疫体制が作られる前の感染とみることにする。すると、15例目までが自然状態での感染例とみなせることとなる。川南町の感染例で固有名詞が出ている宮崎県畜産試験場川南支場を基準地点にとると、第1例目から南東約6kmにあるとされるので、第1例目の農場は荒崎山のあたりにあると分かる。6例目とされる水牛農場もこの荒崎山のあたりで、1例目よりも川南町から遠ざかる方向に600m離れた地点にある。 つまり、2例目と10例目を除くと、次のようになり、推定感染日との齟齬は多少あるものの、基本的にはきれいに1例目から 順次感染が南下していると見ることができるのだ。 しかし、自然状態での感染は、空気感染(つまり、飛沫感染)、人やものの移動に伴う感染、ハエなどの昆虫や小動物による感染などがそのまま反映されるので、ある程度の乱雑さを伴うはずだ。そうであれば、以上のようなきれいな並びはあまりにできすぎているように思う。更に言えば、口蹄疫の感染が確認され、防疫体制が敷かれた4月21日以降に感染したことがほぼ確実な5月になってからの感染確認事例が、却ってランダムな分布になっているが、防疫体制が敷かれると感染ルートがたとえば空気感染のみに絞られたりしてランダムにはならないはずであり、このことから言っても今回の感染の仕方は奇妙だ。 (7). 10年前の口蹄疫感染の経験が県や獣医師レベルで生かされていないのはあまりに不自然。2000年に口蹄疫の典型症状が和牛では出ないことを経験している宮崎県で、獣医師、県家畜保健衛生所が今年のケースについて、典型的な口蹄疫の症状がでないからと口蹄疫の遺伝子検査を10日以上も怠っていた。すでに、中国、韓国、香港で口蹄疫感染が今年になってから起こっているし、2001年のイギリスの例ではドーバー海峡を渡ってウィルスが空気感染をした可能性が言われている。だから、韓国などでの発生を受けて今年早春には農林省から各県の畜産関係者へ口蹄疫についての注意を促すペーパーが行っていたはずだ。そして、普通なら、獣医学の学会などでもこのことは話題になり、各畜産関係の獣医師へ注意が促されていたはずだ。なぜ、獣医師と県家畜保健衛生所という二重のレベルで早期発見ができて行かなかったのか、あまりに不自然だ。少なくとも、一種のマインドコントロールが行われていた可能性がある。 (8).口蹄疫処理の不手際があまりにひどく、故意に失敗し民主党の参議院選挙での負けを仕込んでいるように見える。狙いは選挙担当の小沢一郎幹事長の失脚であるはずだ。2009年の総選挙で自民党の負けが仕組まれていた、つまり、麻生元首相の度重なる漢字の読み間違えとか中川昭一氏のへべれけ会見などがマスコミによって集中的に取り上げられたこととほぼ同じように、今回、民主党の選挙での負けが仕組まれているような印象を受けざるを得ない。「怪我」を「かいが」と読んだり、「必勝を期す」を「惜敗を期す」と言い間違うのは、麻生前首相の数十年にわたる政治経験を考えるとあまりに不自然だし、これらのミスがあまりにタイミングよく起こりすぎている。読み間違えが話題になりだしたのは、定額給付金について閣議決定がされていないことが明らかになった直後からだ。普通、総理が賛成すれば閣僚は閣議決定に署名するわけで、閣議決定がされていないということは、麻生首相が乗り気ではなかったということだ。また、中川昭一氏のへべれけ会見も官僚が何人も同行していたのだから、事前に会見をやめさせることができたはずだが、それをしていない。完全にろれつが回らない状況だったのだから、事前に官邸へ電話連絡し会見取りやめの指示を受けることができたはずだ。これらの事例と同じように、今年の民主党の動きはわざわざ支持率を落とそうとしているようにしか見えない。鳩山由紀夫首相の普天間移転に関係する発言はまさにその典型だし、高速道路料金の値上げ案を高速道路建設予算確保を名目に出してきた前原運輸相も、本来なら、高速道路値上げをあまり意識させない形での道路予算確保は幾つかの形で可能だった。そのもっとも簡単なやり方は、建設代金を繰り延べ払いにしてしまうと言うものだ。高速道路株式会社に建設債を発行する権限を与え、その償還期限を10年とか20年ぐらいにすれば、毎年の財政負担はかなり軽くなるはずで、高速道路値上げという印象を与えずに、無料にはならないが現状よりは安い料金設定をすることが可能であったはずだ。そして、今回の口蹄疫感染がある。ゴールデンウィーク中の閣僚外遊は数か月前から決まっていて、自民党政権時代も例年の行事と言っていいものだった。そして、それにちょうど感染拡大期を合わせるタイミングで今回の口蹄疫感染が起こっているわけだ。3月下旬からの水牛への口蹄疫感染が確認されたのは4月23日。しかしその際、同一農場で飼われていた豚二頭については口蹄疫感染が確認されていない。これは宮崎県のホームページにある口蹄疫感染事例の一例目の文章に、豚のことが記されていないことから明らかだ。ほぼ一か月同一管理者の下で育てられていた豚に感染していないと言うことは、初期のウィルスは感染力の弱いものであったはずだ。ともかく、豚に感染していなかったことが、2000年の感染事例がやはり感染力が弱かったことも併せて、赤松農相の海外視察を予定道理行うと言う判断を自然なものとさせる大きな要因だったはずだ。また、口蹄疫対策の一義的な責任は知事にある。このことは各地伝染予防法を読めば明らかだ。更に、初動の遅れは3月の水牛の例や4月初旬の牛の例に県家畜保健衛生所が気が使なったことにある。しかし、これらのことはあまりマスコミでは取り上げられず、もっぱら、政府レベルの対応がまずいことだけが報道されている。 (9). サンデー毎日 「発生源と名指しされた水牛農家大反論」サンデー毎日6月6日号の26ページから27ページにモッツァレラチーズ生産のために水牛を飼っていた農家の方の証言が紹介されている。以下その要約を記す。 要約は以上で終わり。 農場主が指摘しているつじつまが合わないこととは多分次のようなことだろう。 (10).スーパー種雄牛忠富士への感染時期・経路について矛盾がある。宮崎県高鍋町の県家畜改良事業団からスーパー種雄牛6頭が西都市へ避難したのが5月13日から14日にかけてだ。そして、同14日には101例目として県家畜改良事業団での肥育牛259頭の中に感染例が少なくとも5頭見つかっている。更に、171例目として忠富士の感染が確認されたのが5月19日だ。しかし、忠富士以外の5頭のスーパー種雄牛や県家畜改良事業団に残してある普通の種雄牛49頭は5月23日現在でも発症していないと言う。13日から14日にかけてスーパー種雄牛を高鍋町の県家畜改良事業団から西都市へ2台のトラックで運んだと言うことだから、この間、少なくとも一晩は忠富士と他のスーパー種雄牛は狭い同一空間に居たはずだ。牛の口蹄疫潜伏期間は短くて3日、長くても10日ほどとされるのだから、忠富士が口蹄疫に感染したのはほぼ移動前の5月13日よりも前であるはずだ。すると、県家畜改良事業団という同一農場内にいてほぼ同一の管理者により世話を受けていた牛たち300頭ほどの中で、肥育牛は259頭から5頭以上が感染したのに、種牛については55頭の中から忠富士1頭のみが感染したことになる。仮に潜伏期間が短くて、西都市へ移動後に感染したとしても、5月19日に症状が観察されているから16日には感染していたはずだ。西都市での最初の感染例発見が20日であり忠富士の発症が観察されたのが19日だからほぼ同時だが、その農場は忠富士などのスーパー種雄牛の仮畜舎からは10km以上離れていたとされている。西都市内で10km以上離れた2地点でほぼ同時期に感染すると言うのは奇妙ではないだろうか?西都市内での発生は24日の時点で他には確認されていない様子だ。更に、宮崎県は、県家畜改良事業団に残してあった種雄牛49頭については14日の肥育牛感染確認から10日を経た25日時点でまだ殺処分していないと言う。
宮崎での口蹄疫感染広がりが故意に仕組まれたものだと言う証拠
かなり長いのですが、なるべく資料を文中に引用したためです。
なお、全部で(1).から(10).までの10項目にわたって証拠を述べてあります。
発生と診断の経過
宮崎県から牛に口蹄疫を疑う疾病が発生しているとの第一報が入ったのは、平成12年3月21日(火)の夕刻であった。その内容は、開業獣医師より「宮崎市の小規模な肉用牛飼養A農家で3月8日頃に発熱、食欲不振、発咳、鼻や口腔内にビランなど、口蹄疫を疑う症状を示す牛が発見され、同様な症状が同居牛に拡がっている」との届け出が宮崎家畜保健衛生所にあったというものである。しかし、口腔部や蹄部に水疱は観察されず、跛行も認められないとのことであった。そこで、速やかに診断用材料を海外病研究部へ送付するよう依頼した。診断材料は翌22日に採取され、同日午後2時に海外病研究部へ到着した。海外病研究部では、ただちに口蹄疫診断の標準法に基づいた抗原検出用の補体結合反応とエライザを開始し、午後8時に両検査とも終了した。結果はいずれも陰性であったが、同時に行っていたRT-PCRによるウイルス遺伝子断片の検出が同日の深夜、またエライザによる抗体検査では翌日に陽性の成績が得られた。日本では長期間口蹄疫が発生していないことから、診断には慎重を期する必要があるため、23日にはRT-PCRによる遺伝子断片の検出をさらに二度繰り返し実施した。結果はいずれも陽性であった。これらの成績は25日に開催された口蹄疫中央防疫対策本部防疫技術委員会で詳細に検討され、同農場の牛10頭を疑似患畜と診断した。わが国では92年ぶりとなる口蹄疫の発生をうけ、翌26日には疑似患畜を殺処分するとともに、発生農家を中心に半径20km以内を移動制限地域、50km以内を搬出制限地域と設定し、域内の全農家について立ち入り調査と抗体検査を実施することになった。その結果、高岡町のB農家とC農家で抗体陽性牛が見つかり、それぞれ4月3日と9日に疑似患畜と診断、飼養牛の全頭(B農家9頭、C農家16頭)を殺処分した。これらの牛に臨床的異常は認められなかったが、聞き取り調査によりC農家の牛は以前に流涎等の症状を示したことが明らかにされている。
海外病研究部では、診断業務とともにA農家で陽性となったPCR産物の遺伝子解析を進め、英国のパーブライト研究所(口蹄疫の世界レファレンスセンター)に塩基配列データを送付、ウイルス型の分析を行った。その結果、4月4日に検出した遺伝子断片は最近アジア地域で流行しているO型ウイルスに近縁な新型ウイルスであることが判明し、O/JPN/2000株と命名された。この結果をまえ、疑似患畜とされていたA農場の10頭を患畜と診断した。さらに、4月14日には9日に殺処分したC農家の牛の検査材料から、A農家のウイルスと同様な遺伝子構造を有するウイルスが分離され、C農家の牛16頭のうち抗体陽性の10頭を患畜と診断した。口蹄疫ウイルスの分離に成功したことは、中和試験を可能にするなど以後の抗体検査に大きく貢献することとなった。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei11.htmlより引用:
2 清浄性確認について
移動制限区域及び搬出制限区域内を対象とした電話聞き取りによる清浄性確認については、今日から団体獣医師の協力も得ながら、清浄性確認を行っている。
以上引用終わり。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei14.htmlに4月24日の記事として
「2 本日の清浄性確認について
団体獣医師の協力のもと、移動制限区域内(10q以内)の246戸、搬出制限区域内(10〜20q)の390戸 計 636戸の聞き取り調査を行い、異常は認められなかった。」とある。
また、
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei17.htmlの4月26日付の「防疫措置について」という文書には「2 4月25日の清浄性確認について団体獣医師の協力のもと、移動制限区域内(10q以内)の252戸、搬出制限区域内(10〜20q)の53戸 計 305戸の聞き取り調査を行い、異常は認められなかった。」とある。
(1) 4月22日(木曜日)14時、1例目の農場と利用している飼料会社が共通である疫学関連農場として、宮崎県が当該農場の立入調査を実施しました。
(2) 立入検査時においては口蹄疫を疑う臨床症状は認められませんでしたが、農場主からの過去の臨床症状の聞き取りや、疫学関連農場であることを踏まえて採材を行い、また、別の検査で3月31日に採取、保存していた検体と合わせて、(独)農研機構動物衛生研究所に持ち込みました。
(3) 本日夕刻、PCR検査の結果、3月31日採取の1頭で陽性を確認し、口蹄疫の疑似患畜と判断しました(6例目)。
当該農場の飼養牛の殺処分、移動制限区域の設定等の必要な防疫措置について、宮崎県とともに迅速かつ的確に実施します。
以上引用終わり。
(2)確認の経過
平成22年4月22日、1例目の飼料関係の疫学関連農場として、立入調査を実施。
調査の過程で、農場主からこれまでの臨床症状の聞き取りをもとに血液5検体を採取すると共に、別の検査で3月31日に採取していた検体、スワブ3検体と併せて計8検体を動物衛生研究所 海外病研究施設(東京都小平市)に送付した。
4月23日夕刻、農林水産省からPCR検査(遺伝子検査)でスワブ3検体中1検体(1頭分)で陽性との連絡を受け、疑似患畜と決定した。
3 当面の措置
確認農場において、飼養牛全頭の殺処分、汚染物品の埋却、畜舎の消毒等を実施予定。
以上引用終わり。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/page00032.htmlにある一例目の発症の経過と当面の措置を引用する。
以下引用:
2. 確認の経過
1.平成22年4月9日(金曜)、開業獣医師から宮崎家畜保健衛生所に、口腔内にび爛(軽度な潰瘍)のある牛がいるため、病性鑑定の依頼があった。
2.同日、宮崎家畜保健衛生所の家畜防疫員(獣医師)が当該農場の立入検査を実施したところ、症状がある牛が1頭のみで、現時点では感染力が強いといわれている口蹄疫とは考えにくいため、経過観察とした。
3.4月16日(金曜)夕方、同じ症状の牛がみられるという報告があり、17日(土曜)、再度、立入検査を実施したところ、別の2頭に同様の症状があることを確認。同日、病性鑑定を開始。
4.4月19日(月曜)午前、イバラキ病等の類似疾病について、全て陰性を確認。
このため、口蹄疫も疑われるので、同日20時00分、検査材料を動物衛生研究所海外病部(東京都小平市)に送付した。
5.4月20日(火曜)早朝、農林水産省からPCR検査(遺伝子検査)で陽性との連絡。
なお、当該農場については、感染が疑われるとの報告があった時点から飼養牛の移動を自粛している。
3. 当面の措置
家畜伝染病予防法及びこれに基づく防疫指針に沿って、
1.確認農場においては、飼養牛全頭の殺処分、畜舎の消毒、汚染物品の焼埋却等を実施。
2.確認農場の周囲を移動制限区域、搬出制限区域として家畜の移動禁止、家畜市場等の閉鎖等を実施。
3.周辺農場及び関連農場の立入検査等を実施。
4.宮崎家畜保健衛生所、県及び農林水産省にそれぞれ口蹄疫防疫対策本部を設置。
以上引用終わり。
更に、次に引用するように、農林省の記事では「発生農場における殺処分等の防疫措置・関連農場の清浄性調査を迅速かつ的確に実施します」としているが、宮崎県の記事では単に「8例目、9例目の確認農場において、飼養牛全頭の殺処分、汚染物品の埋却、畜舎の消毒等を実施予定。加えて、現在把握できている当該農場に係る疫学関連農場に対し移動自粛要請を実施」となっていて、清浄性調査をやったとは書かれていない。
そもそも、9例目と川南町の感染農場とは、どんな関連があったのかが書かれていない。牛を移動したのか、飼料を移動したのか、獣医師が共通だったのか、使っていた車両が共通だったのか、一切情報開示がなく、なぜ70kmもの距離をウィルスが移動したのか、その説明がされていない。
農林省の記載:
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100428_1.html
2 経緯
8例目及び9例目
(1)4月27日(火曜日)朝、8例目の農場関係者及び9例目から相談を受けた開業獣医師より、口蹄疫様の症状(流涎(りゅうぜん)等)を示す牛がいるとの通報があったことから、宮崎県が立入検査を実施し、同日夜に検体を(独)農研機構動物衛生研究所に持ち込みました。
(2)本日朝、PCR検査(遺伝子検査)の結果、8例目については5検体、9例目については4検体において陽性を確認し、口蹄疫の疑似患畜と判断しました(8例目及び9例目)。
3 今後の対応
(1)今回の発生を受け、直ちに第2回口蹄疫防疫対策本部(本部長:赤松農林水産大臣)を開催し、隣接県全域での全額国庫負担による消毒薬散布、発生農場における迅速な殺処分等の防疫措置を支援する獣医師などの増員等を決定しました。
(2)第2回口蹄疫防疫対策本部の決定を踏まえ、宮崎県とともに、引き続き、発生農場における殺処分等の防疫措置・関連農場の清浄性調査を迅速かつ的確に実施します。
(3)都道府県及び国内関係者に対し、改めて異常家畜の早期発見・防疫対策の徹底を指示します。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei22.html
2 口蹄疫の疑似患畜の確認(9例目)について
(1)確認場所
宮崎県えびの市大字島内に所在する肉用牛肥育経営
(黒毛和種:肥育牛275頭)
当該農場は、直線距離にして1例目の農場から南西約70Km
(2)確認の経過
平成22年4月27日、開業獣医師から都城家畜保健衛生所に、口蹄疫様症状を示す牛がいるとの通報があった。
同日午前10時に立入検査を実施したところ、流涎や口腔内の軽度のび爛等口蹄疫様症状を示す牛が確認されたため、9頭から採取した検査材料9検体を動物衛生研究所 海外病研究施設(東京都小平市)に送付した。
4月28日早朝、農林水産省からPCR検査(遺伝子検査)で複数検体で陽性との連絡を受け、疑似患畜と決定した。
4 当面の措置
1.8例目、9例目の確認農場において、飼養牛全頭の殺処分、汚染物品の埋却、畜舎の消毒等を実施予定。加えて、現在把握できている当該農場に係る疫学関連農場に対し移動自粛要請を実施。
2.9例目の確認農場を中心とする半径10kmを移動制限区域及び半径20kmを搬出制限区域として本日夕刻より設置することとした。
以上引用終わり。
1例目と2例目は位置情報が公開されていない。3例目からは位置情報が公開されているので、それを以下に示す。特に示さない限り全て1例目からの距離のみを記す。
3例目:南約3.4km
4例目:南東約3.4km
5例目:南東約3.4km
6例目:北西約600m(実質的な一例目)
7例目:南東約3.5km
8例目:2例目から北東約2km
9例目:えびの市の感染例
10例目:南東約6km(豚の感染1例目)
11例目:南東約3.4km
12例目:南東約4km(豚の感染2例目)
13例目:南東約6km(豚の感染3例目)
14例目:南東約6.5km(豚の感染4例目)
15例目:南約8km
なお、2例目は3例目から南へ約400m離れていると言うことなので1例目から南へ約3.8kmとみなすことができる。以上の例から南及び南東側のみを抜き出し、症状を観察した日付から逆算したウィルス感染日を記すと次のようになる。
2例目:南約3.8km(症状観察は4月20日、ウィルス感染日:4月14日)
3例目:南約3.4km(症状観察は4月20日、ウィルス感染日:4月14日)
4例目:南東約3.4km(症状観察は4月21日、ウィルス感染日:4月15日)
5例目:南東約3.4km(症状観察は4月22日、ウィルス感染日:4月16日)
7例目:南東約3.5km(症状観察は4月24日、ウィルス感染日:4月18日)
10例目:南東約6km(豚の感染1例目)(症状観察は4月27日、ウィルス感染日:4月17日)
11例目:南東約3.4km(症状観察は4月28日、ウィルス感染日:4月22日)
12例目:南東約4km(豚の感染2例目)(症状観察は4月29日、ウィルス感染日:4月19日)
14例目:南東約6.5km(豚の感染4例目)(症状観察は5月1日、ウィルス感染日:4月21日)
15例目:南約8km(症状観察は4月30日、ウィルス感染日:4月24日)
3例目:南約3.4km(症状観察は4月20日、ウィルス感染日:4月14日)
4例目:南東約3.4km(症状観察は4月21日、ウィルス感染日:4月15日)
5例目:南東約3.4km(症状観察は4月22日、ウィルス感染日:4月16日)
7例目:南東約3.5km(症状観察は4月24日、ウィルス感染日:4月18日)
11例目:南東約3.4km(症状観察は4月28日、ウィルス感染日:4月22日)
12例目:南東約4km(豚の感染2例目)(症状観察は4月29日、ウィルス感染日:4月19日)
14例目:南東約6.5km(豚の感染4例目)(症状観察は5月1日、ウィルス感染日:4月21日)
15例目:南約8km(症状観察は4月30日、ウィルス感染日:4月24日)
・2008年に都農町の農場を買い取り、豪州からオス2頭、メス18頭を輸入してモッツァレラチーズの生産販売を始めた。
・水牛1頭に発熱と下痢の症状が出たのが3月31日。獣医に連絡し、県家畜保健衛生所に通報。しかし、よだれや水疱といった口蹄疫特有の症状がなく風邪と診断された。
・通報から3週間余り後の4月23日、遺伝子検査で水牛の口蹄疫感染が判明。同25日子牛を含めた42頭全頭を殺処分し牧場内に埋めた。6例目として事例報告に記載されている。
・韓国の人を含めて外国人との接触は、自分や従業員を含めて一切ないしアジアに渡航したこともない。輸入した水牛は輸入時に検疫を受けている。
・東国原知事に望むことは本当の第一感染を突き止めてほしいと言うこと。自分の農場を第一発症とするとつじつまが合わない。事実を隠ぺいした牧場があるなら捜査権限を持った機関を動かして真相究明をしてほしい。
もともと、この農場で飼われていた水牛は豪州からの輸入だ。そして、豪州や北米は口蹄疫に感染していない。豪州は口蹄疫清浄国なのだ。だから、検疫でウィルスが発見されないのも当然で、輸入時に口蹄疫ウィルスに感染したいたはずがない。そもそも、輸入は2008年ですでに2年がたっている。もし、輸入時にウィルス感染していれば2008年に症状が出るはずだし、豪州でその感染源探しが行われるはずだ。
1. 2000年宮崎での口蹄疫感染で口蹄疫の典型症状が見られなかったことを県の家畜保健衛生所は分かっていたはずなのに、今回、その教訓が生かされなかった。
2. この牧場の水牛で見られた「下痢と発熱」という症状が他の感染例では見られていないこと。少なくとも宮崎県が公開している口蹄疫感染事例には、「下痢・発熱」という症状は書かれていない。
3. この水牛農家の感染確認は宮崎県のホームページにある「口蹄疫の疑似患畜の確認について 6例目の疑似患畜について」http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei10.htmlには、次に引用するように「1例目の飼料関係の疫学関連農場として、立入調査を実施」と書かれてい、3月31日に県家畜衛生保健所へ通報してあったことが書かれていない。つまり、県がもっと早くこの水牛農家での口蹄疫感染に気が付くことができたはずだと言うことが隠されている。更に、「1例目の飼料関係の疫学関連農場として、立入調査を実施」をしたのなら、他にも多くの牧場・農家も立入検査が行われているはずだが、県の事例報告には、農場主や獣医など、牧場側からの通報で感染が分かったというものばかりが載っている。立入検査がこの水牛・豚飼育農家にのみ行われたのか、または、他の農家にも行われたのか不明であること。
以下、http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nosei/chikusan/miyazakicow/h22koutei10.htmlよりの引用:
(1)確認場所
児湯郡都農町大字水洗に所在する水牛・豚飼養農家
(水牛42頭、豚2頭)
当該農場は、直線距離にして1例目の農場から北西約600mに位置
(2)確認の経過
平成22年4月22日、1例目の飼料関係の疫学関連農場として、立入調査を実施。
調査の過程で、農場主からこれまでの臨床症状の聞き取りをもとに血液5検体を採取すると共に、別の検査で3月31日に採取していた検体、スワブ3検体と併せて計8検体を動物衛生研究所 海外病研究施設(東京都小平市)に送付した。
4月23日夕刻、農林水産省からPCR検査(遺伝子検査)でスワブ3検体中1検体(1頭分)で陽性との連絡を受け、疑似患畜と決定した。
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