★阿修羅♪ > 豚インフル02 > 181.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
米バクスター 新型インフルワクチン 対日輸出検討 来月にも出荷
2009/6/17
米製薬大手バクスター・インターナショナルは16日、新型インフルエンザの予防注射用ワクチンの対日輸出を検討していることを明らかにした。現在、日本政府と供給契約の締結に向けた交渉を進めており、契約がまとまれば、7月にも出荷したい考えだ。国内でインフルエンザワクチンの製造を手がけるのは、北里研究所(東京都港区)など4つの機関にとどまる。海外メーカーからのワクチン調達は早期の供給態勢の拡充につながると期待される。
バクスターはすでに、英国やオーストリアなど欧州数カ国の保健当局と供給契約を結び、ワクチンの量産を急いでいる。7月にも出荷する方針という。スイス製薬大手ノバルティスも今秋の出荷を目指しているが、バクスターのワクチンは世界で初めての供給となる見込みだ。
同社は5月に、新型インフルエンザのH1N1型ウイルスを入手し、ワクチンの開発を進めてきた。ワクチンの生産は、ニワトリの卵でウイルスを増殖させる手法が通例だが、卵の大量調達が難しいという課題がある。同社は卵を使わない細胞工学技術を駆使して、生産期間の短縮に成功した。
欧州以外でも、日本や米国などと交渉を続けており、契約締結に至れば、「迅速な供給が可能」と自信を示している。
現在、国内のワクチンメーカーは、北里研究所のほか、化学及血清療法研究所(熊本市)、阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)、デンカ生研(東京都中央区)の4機関で、いずれも規模が小さく生産能力には限界がある。季節性インフルエンザ用ワクチンも一定量確保する必要があるため、新型向けの生産は7月中旬以降となる見通しだ。
厚生労働省は、年末までに4法人から約2500万人分の新型向けワクチンを調達することができるとみている。ただ、今後の感染の広がり次第では、供給不安が高まる可能性は否めず、同省も、海外メーカーからの調達に踏み切る選択肢は排除しないとみられる。
インフルエンザ用を含む国内ワクチン市場の規模は年600億円程度で、医薬品全体の1%を下回る。流行の状況に応じた需要変動が大きく、収益性が安定しないうえ、副作用のリスクも高いことなどから、国内製薬大手はワクチン開発に消極的だ。
このため、阪大微生物病研究会は今月、新型インフルエンザの大流行に対応し、香川県観音寺市に、半年間で6000万人分のワクチンが製造可能な施設を新設すると発表した。2013年度中の本格稼働を目指し、今秋の着工を予定する。
だが、世界的にワクチンを供給する欧米に比べ、国内生産態勢の出遅れ感は顕著で、国内製薬メーカーは今後、ワクチン事業への本格参入を迫られる可能性がある。(本田誠)
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200906170016a.nwc