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厚労省の新型インフルエンザ対策を考える/「検疫礼賛」の陰で何が見過ごされているか(上昌広・東大准教授/日経メディカル)
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200906/510953.html
(日経メディカル)
私の視点 from MRIC
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2009. 6. 2
厚労省の新型インフルエンザ対策を考える
「検疫礼賛」の陰で何が見過ごされているか
上昌広(東京大学医科学研究所先端医療社会
コミュニケーションシステム社会連携研究部門准教授)
関連ジャンル: 医療提供体制 新型インフルエンザ
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かみ まさひろ氏○1993年東大医学部卒業。99年東大大学院医学系研究科修了。虎の門病院、国立がんセンター中央病院を経て2005年10月より現職。
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※今回の記事は村上龍氏が編集長を務めるJMM (Japan Mail Media)5月20日発行の記事(第31回 厚労省の新型インフルエンザ対策を考える 「検疫礼賛」の陰で何が見過ごされているか http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1630.html )をMRIC用に改訂し転載させていただきました。
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5月19日現在、国内の新型インフルエンザ感染患者数は178人に達し、その数は急増加しています。新型インフルエンザは、阪神地区に留まらず、既に全国に蔓延してしまっているのかもしれません。5月15日に神戸市で最初の患者が発見されて、わずか数日で、患者数は世界4位となった訳ですから、これまでに診断された患者は氷山の一角と考えるのが妥当でしょう。
現に、新型インフルエンザの爆発を示唆する所見は多数あります。例えば、厚労省は全国の学級閉鎖をモニターした「インフルエンザ様疾患発生報告」を、毎週発表していますが、5月3〜9日の患者児童数は879人。昨年の同時期はゼロですから、季節性インフルエンザが遷延しているだけなのか疑問です。
また、関西での患者の分布は豊岡、姫路、神戸、茨城、八尾と広範です。特に八尾市の患者は小学生で、生活圏は狭いと考えられますから、複数の経路で新型インフルエンザが伝染し、近畿圏にはすでに広く拡散したと考えるのが合理的です。
つい先日まで、厚労省は水際対策に成功したと主張し、多くのマスメディアが厚労省の主張に追随してきました。ところが、実態は全く違った訳です。なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
●厚労省の誤ったプロパガンダが新型インフルエンザの蔓延を助長した
まず、議論しなければならないことは、厚労省の誤ったプロパガンダが新型インフルエンザの蔓延を助長した可能性があることです。
新型インフルエンザが社会的問題になって以降、厚労省は「新型インフルエンザは弱毒性」「水際対策は有効」と主張し続けました。水際対策の問題点は後述しますが、厚労省発表は連日のようにマスメディアで報道されたため、多くの国民が「新型インフルエンザは日本に上陸していない」と安心したのはないでしょうか。このような気持ちのゆるみが、感染予防行動の不徹底を招き、潜伏期の患者を通じて、新型インフルエンザを広めてしまった可能性は否定できません。
一方、成田空港で見つかった新型インフルエンザ感染者や濃厚接触者が、強制的に入院、あるいはホテルで隔離されていることも繰り返し報道されました。一連の報道は新型インフルエンザ感染のリスクが高い人を、かえって医療機関や保健所から遠ざけた可能性があります。放置すれば数日で治る病気を、わざわざ医療機関にかかり新型インフルエンザと診断されてしまったら、10日間も隔離されてしまいます。自営業者には死活問題です。
そもそも今回の新型インフルエンザは「弱毒性」です。しかしながら、厚労省、とくに医系技官幹部は、強毒性のトリインフルエンザを念頭に作成した検疫重視の行動計画、および検疫法の執行に拘りました。これは、彼らの責任逃れの側面もあるでしょう。
不幸だったのは、厚労省記者クラブを中心に検疫風景が大々的に報道されたことです。このような報道が、国民、官邸、さらに厚労官僚自身に検疫が有効であるという錯覚をもたらし、軌道修正の機会を奪ったのではないでしょうか。新型インフルエンザ騒動をめぐる厚労省の迷走の真相については、将来の検証を待つしかありませんが、政府、メディア、学者が一体となって暴走する姿は、戦前の我が国を彷彿させます。
●水際対策
では、水際対策について考えてみましょう。前回も触れましたが、水際対策が何の効果もなかったことは明らかです。大量の労働力を投入し、旅行者を強制隔離までして、見つけることができたのはわずか4人です。しかも、大阪府立高校のグループを隔離した5月8日には、すでに神戸で感染が始まっていました。
これは、川の水を浄化するために、水源池から流れ出る水を、集落総出で「ざる」ですくい続けているようなものです。一生懸命やりましたが、引っかかったのは砂4粒だけ。昨今の状況を見るに、「ざる」をすり抜けたか、別の流れから運ばれたか下流で見つかった砂が何百粒に達しています。この状況で、「ざるすくい」が一定の効果を上げたという人はいないでしょう。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200906/510953_2.html
そもそも、インフルエンザは潜伏期間にも周囲に感染するため、水際対策が無意味なことは、世界の常識です。WHOやCDC、さらに国内の専門家が一貫して反対し続けたにもかかわらず、厚労省は強引に水際対策を推し進めました。
この様子は世界に紹介され、多くの批判を浴びました。前回の配信でご紹介させていただきましたBBC放送やNew York Times以外に、今週のNewsweekでは以下のように紹介されました。
「アジアにはSARS発生時に使ったサーモグラフィーを引っ張り出して、空港での水際対策に使っている国がある」「あのウイルス(SARS)が感染するのは、もっぱら患者が熱があるときに限られるからだ。だがインフルエンザは違う。何の症状も出ていない段階から強い感染力を持つ」(Newsweek, 2009.5.20)
更に、成田空港の検疫で停留された米国人の様子は、彼の出身地カンザス州の地元新聞でも報道されました。その論調は国内紙の報道とは異なり、以下のように締めくくられています。“I see out my window that police are maintaining a presence on the hotel grounds,” he concluded.
ちなみに、WHOは隔離や停留のような人権侵害を伴う水際対策を実施する国は、その根拠を示すべきだと言っています。これが中国や日本を指しているのは明らかです。
●医学的に無茶苦茶な新型インフルエンザ診断基準
新型インフルエンザの流行状況の把握には、正確な診断が必須です。しかしながら、厚労省の提唱した診断法はお粗末でした。
最大の問題は、新型インフルエンザ感染を疑う対象を、「新型インフルエンザ患者との濃厚接触歴を有する」、あるいは「新型インフルエンザが蔓延している国に滞在した」人に限定したことです。海外で新型インフルエンザにかかった人が潜伏期の間に空港検疫を通り抜け、知らない間に治癒したが、周囲の友人にうつしてしまったというようなケースを全く想定していないのです。
ちなみに、普通の医者なら、このようには考えません。それは日常診療で遭遇する感染症の大部分は、感染ルートがわからないため、何でも一応は疑ってみるからです。今回、神戸市の高校生の感染が判明したのは、地元の開業医が渡航歴も接触歴もないのに、新型インフルエンザを疑い、神戸市環境保健研究所に遺伝子検査を依頼したことがきっかけです。いわば、開業医の機転によるものです。このあたり、医系技官と開業医の臨床経験の差が出たのでしょう。臨床経験の乏しい素人が描いた机上の空論に従って危機管理を行うことは危険です。
ついで、厚労省は遺伝子検査(PCR)の取り扱い方を間違えています。新型インフルエンザの確定診断は遺伝子検査で、この検査なしでは診断できません。しかしながら、これまで厚労省が遺伝子検査を薦めてきたのは、「渡航歴」、「接触歴」がある疑い患者で、インフルエンザ迅速診断キットで陽性の場合、あるいは新型インフルエンザ感染が「強く」疑われる場合だけです。このような基準を設けたら、多数の患者を見逃すことになります。
例えば、インフルエンザ迅速診断キットは感度が悪く、少なくとも10-20%程度は見逃すことが分かっています。また、新型インフルエンザの一部は発熱しませんから、「強く」疑うことはありません。
もし、国内での新型インフルエンザ感染を早期に検出したいのであれば、「少しでも」新型インフルエンザを疑ったら、遺伝子検査をすべきなのです。実際、米国のCDCは遺伝子診断キットの米国内への配布を進めていますが、診断キットが各施設に配布されて、米国内患者数は見せかけ上、増加したと主張しています。
そもそも、新型インフルエンザの診断で遺伝子診断を使うか否かの判断は、実際に患者を診察している医師に任せるべきで、医療の素人の医系技官が口出しすべきではないでしょう。
このように新型インフルエンザ診断に遺伝子検査は必須なのですが、我が国の現状はお寒い限りです。知人の病院長から聞いた話では、厚労省が各地域に割り当てている遺伝子診断キットの数が少なく、医師は検査を控えざるを得ないようです。こうやって、新型インフルエンザ患者が見逃され、あたかも検疫が成功したかのように見えます。また、遺伝子診断キットの値段は、1回あたり数千円です。医学界では無効と評価が決まった空港検疫に膨大な費用をかけていることとは対照的です。
●我が国には健全な権力批判が存在しない
今回の騒動を通じ、我が国には健全な権力批判が存在しないことを痛感します。権力批判と言えば、ジャーナリズムとアカデミズムが双璧です。しかしながら、その何れもが十分に機能しているとは言えません。むしろ、国家権力と共鳴して暴走した感があります。
まず、ジャーナリズムですが、その象徴は5月17日の読売新聞社説です。その中で、「水際対策に力を注いできた。これにより新型の国内侵入を遅らせることはできた」と主張しています。これは、朝日新聞の「数日間の潜伏期間もあり、検疫をすり抜けても不思議はない。国内に入ってくるのは時間の問題だろう」(5月9日社説)とは対照的です。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200906/510953_3.html
誤解を恐れずに言えば、読売新聞の医療取材チームは質・量とも随一で、現場取材に基づく記事の多くは素晴らしいものです。我が国の医療界にもっとも影響力があるメディアと言って過言ではないでしょう。しかしながら、政府が絡むと「御用記事」が多くなります。まさに、今回はその典型で、社説の主張に何の科学的根拠もなく、政府発表を垂れ流したと言われても反論できないでしょう。
一方、アカデミズムはジャーナリズムより悲惨です。感染症の権威とされる国立感染症研究所や日本感染症学会に所属する多くの専門家は一貫して沈黙を守っています。また、日本医師会は厚労省の伝書鳩です。これらの組織は、厚労省が暴走するのを止めるのに全く役に立ちませんでした。
国立感染症研究所や日本感染症学会については、厚労省の医系技官が人事権や予算配分権、審議会委員の人選権を握っているため、反論したくても出来ないのでしょう。厚労省は、これまで反抗する者に人事や予算で報復してきました。
一方、診療報酬問題では極めて戦闘的な日本医師会が、インフルエンザ問題には独自の見解を述べないのは、基本的に関心がないからでしょう。私は、日本医師会の潜在力に大きな期待を寄せていますが、今回の対応には本当に失望しました。これでは、国民の信頼を得ることは出来ません。
プロフェッショナルがきっちりと発言しないことは、国民にとって不幸なことです。アカデミズムやジャーナリズムと国家権力の関係についてもっと議論が必要です。
●勇気ある個人の出現
ところで、今回の事件では、アカデミズム、ジャーナリズムの何れにも明るい兆しもありました。それは、国立感染症研究所 感染症情報センター長の岡部信彦氏や現職の医系技官である木村盛世氏が検疫体制の問題点を個人として訴えたことです。一部のメディアが問題の本質に気づいたのは、彼らの発言があったからです。体制内のしがらみ、そして人事での報復を恐れず、科学的な正しさを主張したことに対し、心から敬意を払います。
特に、木村盛世氏は新型インフルエンザが問題となる以前の、本年3月に『厚生労働省崩壊 「天然痘テロ」に日本が襲われる日』(講談社)を出版し、検疫体制の問題点を予言していました。この予言は、今回の新型インフルエンザ騒動でほぼ適中しています。
しかしながら、著書のタイトルが刺激的であったためか、関係者の反応はエキセントリックで、amazonの書評には多くの中傷が記載されました。これを読んだ、ある読者の感想は以下です。「危機感と感動と様々な感情が交錯する中星1つの個人攻撃とも思えるレビューをみて怒りを通り越して違和感を感じた。おそらくこのレビューをした人は厚生労働省の中でぬくぬくと天下りを夢見ている一人なのであろう」
ジャーナリズムについては、厚労省発表を受け売りする全国紙を尻目に、週刊誌が独自の記事を出し続けています。週刊朝日、週刊文春のようなやや固い雑誌から、プレイボーイやフライデーに至るまで、その記載は全国紙より遙かに的を得ています。新聞と週刊誌がチェック&バランスの関係であることがわかります。また、週刊誌が正確な医療記事を書けば、国民の医療リテラシーは大きく向上することが期待できます。
●今後、必要な対策
新型インフルエンザの蔓延が目前に迫った現在、私たちがとるべき対策は何でしょうか?私は大きく分けて4つだと考えています。それは、患者への情報提供(啓蒙)、専門家への情報公開、国内医療機関の体制整備、検疫法・行動計画の改定です。今回は、「検疫法・行動計画の改定」以外の3つを考えましょう。
●患者への情報提供(啓蒙)
新型インフルエンザから身を守るには、感染予防についての正確な知識を身につけなければなりません。現在、厚労省は、マスク・手洗い・うがいの励行、不要な外出の回避などを推奨していま( http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_what.html )。しかしながら、マスク・手洗い・うがいも、なかなか奥が深く、きちんとするのは大変です。
例えば、マスクは使い方次第で凶器にもなります。もし、新型インフルエンザに感染した人が、自分のマスクを触った手で周囲のものに触れたり、握手したりすると、大量のインフルエンザウイルスが飛散しかねません。
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http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200906/510953_4.html
本来、マスクは「汚染物」として扱うべきなのですが、国民の間に周知徹底されていません。よく、ポケットから使い古しのマスクを出す人がいますが、あの行為はかなり危険なものと認識すべきでしょう。
手洗い・うがいは、しばしばセットで推奨されますが、実は感染予防の有効性がはっきりしているのは手洗いだけです。うがいの効果は研究によって異なります。極端に言えば、インフルエンザ蔓延を防ぐためは手洗いを徹底するだけでも、かなりの効果が期待できます。
では、このような情報を、どのようにして国民に伝えるべきでしょうか?厚労省は、今回の騒動で県への通知や自らのHPなどで呼びかけましたが、どの程度の国民にリーチできたかは不明です。おそらく、多くの国民は厚労省や自治体のHPなど見ないでしょう。本気で、国民への情報提供を考えるなら、テレビCMや新聞の一面広告を活用すべきです。しかしながら、そのためにはお金がかかります。
厚労省は新型インフルエンザ対策予算を確保し、広報に重点を置くべきです。オバマ大統領は1000億円以上の予算を議会に求めたのに対し、麻生総理は特別な予算措置をしていません。これが、厚労省や医療現場の手足を縛り、選択肢を狭めています。
●専門家への情報公開体制
新型インフルエンザ対策の基本は正確な状況把握です。そのためには、国民と官庁・専門家が情報を共有する事が必須です。しかしながら、これに関しても心許ない状況です。
例えば、国立感染症研究所の感染症情報センターのHPには国内の感染症情報が集約されていますが、5月19日現在、新型インフルエンザに関する疫学情報(どの地区で、どのような症状の患者が何人くらい発症したか)は一切記載されていません。
厚生労働省も「新型インフルエンザ対策関連情報」というHPを立ち上げていますが、この中にも記載はありません。このような状況はWHOのHPがリアルタイムに更新されるのとは対照的です。
新型インフルエンザを診断した保健所や医療機関は厚労省への届け出が義務化されていますから、新型インフルエンザに関する情報は厚労省に集約されています。しかしながら、厚労省は、このような情報を一切公開していません。
聞くところによれば、国立感染症研究所の感染症情報センターにすら伝えていないようです。厚労省は医療現場に大きな負担をかけながら情報を集めても、何ら活用することなく、省内に積んでいるだけのようです。これでは、対策が後手に回るのは当然です。
●国内医療機関の体制整備
前回の配信で、国内医療機関の体制整備が急務であることを訴えました。この問題は様々なメディアでも議論されていますが、厚労省は「地域の医療体制の整備は都道府県の役割であり、国としての補助は考えていない」という従来の方針を変更していません。勿論、現状把握のための調査研究も行っていません。
腰の重い厚労省に痺れを切らしたのか、朝日新聞は地域の医療体制に関する独自調査を行い、5月18日朝刊の1面で公表しました。その結果は驚くべきもので、東海3県の40%以上の病院が陰圧病床や隔離病棟を持っていませんでした。これでは、新型インフルエンザの流行が本格化すれば、病院は院内感染の巣窟となり、多数の死者が出ます。
多くの病院経営者は最悪の事態を避けるべく、病院の体制整備に努めています。しかしながら、大部分の病院は赤字経営で、公的資金の投入なしには実効性のある対策はとれそうにありません。厚労省は、発熱外来の設置などの通知を濫発していますが、発熱外来を作っても、予算措置がなければ機能しません。医療現場が求めているのは、通知ではなく、予算措置なのです。しかしながら、補正予算編成では、この問題は十分に取り上げられず、解決の目処はたっていません。
次回、検疫法と行動計画の見直しについて考えてみたいと思います。
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●上掲の記事の元になった、JMMでの
上昌広・東大准教授による問題提起
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http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report22_1630.html
(村上龍 Japan Mail Media)
JMMでは東大医科研:探索医療ヒューマンネットーワーク部門を中心とした研究グループからのレポートを定期配信しています。
また、JMMでは医療に関する読者投稿を常時受けつけています。投稿はこちらまで(https://griot-store.net/jmm_contents/dynamic/common/frmrdrs.html)
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絶望の中の希望〜現場からの医療改革レポート / 上 昌広
上 昌広(かみ まさひろ)
東京大学医科学研究所 探索医療ヒューマンネットワークシステム部門:客員准教授
http://expres.umin.jp/
帝京大学医療情報システム研究センター:客員教授
「現場からの医療改革推進協議会」
http://plaza.umin.ac.jp/~expres/mission/genba.html
「周産期医療の崩壊をくい止める会」
http://perinate.umin.jp/
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第31回 厚労省の新型インフルエンザ対策を考える 〜「検疫礼賛」の陰で何が見過ごされているか 配信日:2009-05-20
5月19日現在、国内の新型インフルエンザ感染患者数は178人に達し、その数は急増加しています。新型インフルエンザは、阪神地区に留まらず、既に全国に蔓延してしまっているのかもしれません。5月15日に神戸市で最初の患者が発見されて、わずか数日で、患者数は世界4位となった訳ですから、これまでに診断された患者は氷山の一角と考えるのが妥当でしょう。
現に、新型インフルエンザの爆発を示唆する所見は多数あります。例えば、厚労省は全国の学級閉鎖をモニターした「インフルエンザ様疾患発生報告」を、毎週発表していますが、5月3−9日の患者児童数は879人。昨年の同時期はゼロですから、季節性インフルエンザが遷延しているだけなのか疑問です。また、関西での患者の分布は豊岡、姫路、神戸、茨城、八尾と広範です。特に八尾市の患者は小学生で、生活圏は狭いと考えられますから、複数の経路で新型インフルエンザが伝染し、近畿圏にはすでに広く拡散したと考えるのが合理的です。
つい先日まで、厚労省は水際対策に成功したと主張し、多くのマスメディアが厚労省の主張に追随してきました。ところが、実態は全く違った訳です。なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
■厚労省の誤ったプロパガンダが新型インフルエンザの蔓延を助長した
まず、議論しなければならないことは、厚労省の誤ったプロパガンダが新型インフルエンザの蔓延を助長した可能性があることです。
新型インフルエンザが社会的問題になって以降、厚労省は「新型インフルエンザは弱毒性」「水際対策は有効」と主張し続けました。水際対策の問題点は後述しますが、厚労省発表は連日のようにマスメディアで報道されたため、多くの国民が「新型インフルエンザは日本に上陸していない」と安心したのはないでしょうか。このような気持ちのゆるみが、感染予防行動の不徹底を招き、潜伏期の患者を通じて、新型インフルエンザを広めてしまった可能性は否定できません。
一方、成田空港で見つかった新型インフルエンザ感染者や濃厚接触者が、強制的に入院、あるいはホテルで隔離されていることも繰り返し報道されました。一連の報道は新型インフルエンザ感染のリスクが高い人を、かえって医療機関や保健所から遠ざけた可能性があります。放置すれば数日で治る病気を、わざわざ医療機関にかかり新型インフルエンザと診断されてしまったら、10日間も隔離されてしまいます。自営業者には死活問題です。
そもそも今回の新型インフルエンザは「弱毒性」です。しかしながら、厚労省、とくに医系技官幹部は、強毒性のトリインフルエンザを念頭に作成した検疫重視の行動計画、および検疫法の執行に拘りました。これは、彼らの責任逃れの側面もあるでしょう。不幸だったのは、厚労省記者クラブを中心に検疫風景が大々的に報道されたことです。このような報道が、国民、官邸、さらに厚労官僚自身に検疫が有効であるという錯覚をもたらし、軌道修正の機会を奪ったのではないでしょうか。
新型インフルエンザ騒動をめぐる厚労省の迷走の真相については、将来の検証を待つしかありませんが、政府、メディア、学者が一体となって暴走する姿は、戦前の我が国を彷彿させます。
■水際対策
では、水際対策について考えてみましょう。前回も触れましたが、水際対策が何の効果もなかったことは明らかです。大量の労働力を投入し、旅行者を強制隔離までして、見つけることができたのはわずか4人です。しかも、大阪府立高校のグループを隔離した5月8日には、すでに神戸で感染が始まっていました。
これは、川の水を浄化するために、水源池から流れ出る水を、集落総出で「ざる」ですくい続けているようなものです。一生懸命やりましたが、引っかかったのは砂4粒だけ。昨今の状況を見るに、「ざる」をすり抜けたか、別の流れから運ばれたか下流で見つかった砂が何百粒に達しています。この状況で、「ざるすくい」が一定の効果を上げたという人はいないでしょう。
そもそも、インフルエンザは潜伏期間にも周囲に感染するため、水際対策が無意味なことは、世界の常識です。WHOやCDC、さらに国内の専門家が一貫して反対し続けたにもかかわらず、厚労省は強引に水際対策を推し進めました。
この様子は世界に紹介され、多くの批判を浴びました。前回の配信でご紹介させていただきましたBBC放送やNew York Times以外に、今週のNewsweekでは以下のように紹介されました。
「アジアにはSARS発生時に使ったサーモグラフィーを引っ張り出して、空港での水際対策に使っている国がある」「あのウイルス(SARS)が感染するのは、もっぱら患者が熱があるときに限られるからだ。だがインフルエンザは違う。何の症状も出ていない段階から強い感染力を持つ」(Newsweek, 2009.5.20)
更に、成田空港の検疫で停留された米国人の様子は、彼の出身地カンザス州の地元新聞でも報道されました。その論調は国内紙の報道とは異なり、以下のように締めくくられています。
"I see out my window that police are maintaining a presence on the hotel grounds," he concluded.
http://www.cjonline.com/news/local/2009-05-09/former_topekan_quarantined
ちなみに、WHOは隔離や停留のような人権侵害を伴う水際対策を実施する国は、その根拠を示すべきだと言っています。これが中国や日本を指しているのは明らかです。
■医学的に無茶苦茶な新型インフルエンザ診断基準
新型インフルエンザの流行状況の把握には、正確な診断が必須です。しかしながら、厚労省の提唱した診断法はお粗末でした。
最大の問題は、新型インフルエンザ感染を疑う対象を、「新型インフルエンザ患者との濃厚接触歴を有する」、あるいは「新型インフルエンザが蔓延している国に滞在した」人に限定したことです。海外で新型インフルエンザにかかった人が潜伏期の間に空港検疫を通り抜け、知らない間に治癒したが、周囲の友人にうつしてしまったというようなケースを全く想定していないのです。
ちなみに、普通の医者なら、このようには考えません。それは日常診療で遭遇する感染症の大部分は、感染ルートがわからないため、何でも一応は疑ってみるからです。今回、神戸市の高校生の感染が判明したのは、地元の開業医が渡航歴も接触歴もないのに、新型インフルエンザを疑い、神戸市環境保健研究所に遺伝子検査を依頼したことがきっかけです。いわば、開業医の機転によるものです。このあたり、医系技官と開業医の臨床経験の差が出たのでしょう。臨床経験の乏しい素人が描いた机上の空論に従って危機管理を行うことは危険です。
ついで、厚労省は遺伝子検査(PCR)の取り扱い方を間違えています。新型インフルエンザの確定診断は遺伝子検査で、この検査なしでは診断できません。しかしながら、これまで厚労省が遺伝子検査を薦めてきたのは、「渡航歴」、「接触歴」がある疑い患者で、インフルエンザ迅速診断キットで陽性の場合、あるいは新型インフルエンザ感染が「強く」疑われる場合だけです。このような基準を設けたら、多数の患者を見逃すことになります。例えば、インフルエンザ迅速診断キットは感度が悪く、少なくとも10−20%程度は見逃すことが分かっています。また、新型インフルエンザの一部は発熱しませんから、「強く」疑うことはありません。
もし、国内での新型インフルエンザ感染を早期に検出したいのであれば、「少しでも」新型インフルエンザを疑ったら、遺伝子検査をすべきなのです。実際、米国のCDCは遺伝子診断キットの米国内への配布を進めていますが、診断キットが各施設に配布されて、米国内患者数は見せかけ上、増加したと主張しています。そもそも、新型インフルエンザの診断で遺伝子診断を使うか否かの判断は、実際に患者を診察している医師に任せるべきで、医療の素人の医系技官が口出しすべきではないでしょう。
このように新型インフルエンザ診断に遺伝子検査は必須なのですが、我が国の現状はお寒い限りです。知人の病院長から聞いた話では、厚労省が各地域に割り当てている遺伝子診断キットの数が少なく、医師は検査を控えざるを得ないようです。こうやって、新型インフルエンザ患者が見逃され、あたかも検疫が成功したかのように見えます。また、遺伝子診断キットの値段は、1回あたり数千円です。医学界では無効と評価が決まった空港検疫に膨大な費用をかけていることとは対照的です。
■我が国には健全な権力批判が存在しない
今回の騒動を通じ、我が国には健全な権力批判が存在しないことを痛感します。権力批判と言えば、ジャーナリズムとアカデミズムが双璧です。しかしながら、その何れもが十分に機能しているとは言えません。むしろ、国家権力と共鳴して暴走した感があります。
まず、ジャーナリズムですが、その象徴は5月17日の読売新聞社説です。その中で、「水際対策に力を注いできた。これにより新型の国内侵入を遅らせることはできた」と主張しています。これは、朝日新聞の「数日間の潜伏期間もあり、検疫をすり抜けても不思議はない。国内に入ってくるのは時間の問題だろう」(5月9日社説)とは対照的です。誤解を恐れずに言えば、読売新聞の医療取材チームは質・量とも随一で、現場取材に基づく記事の多くは素晴らしいものです。我が国の医療界にもっとも影響力があるメディアと言って過言ではないでしょう。しかしながら、政府が絡むと「御用記事」が多くなります。まさに、今回はその典型で、社説の主張に何の科学的根拠もなく、政府発表を垂れ流したと言われても反論できないでしょう。
一方、アカデミズムはジャーナリズムより悲惨です。感染症の権威とされる国立感染症研究所や日本感染症学会に所属する多くの専門家は一貫して沈黙を守っています。また、日本医師会は厚労省の伝書鳩です。これらの組織は、厚労省が暴走するのを止めるのに全く役に立ちませんでした。
国立感染症研究所や日本感染症学会については、厚労省の医系技官が人事権や予算配分権、審議会委員の人選権を握っているため、反論したくても出来ないのでしょう。厚労省は、これまで反抗する者に人事や予算で報復してきました。一方、診療報酬問題では極めて戦闘的な日本医師会が、インフルエンザ問題には独自の見解を述べないのは、基本的に関心がないからでしょう。私は、日本医師会の潜在力に大きな期待を寄せていますが、今回の対応には本当に失望しました。これでは、国民の信頼を得ることは出来ません。
プロフェッショナルがきっちりと発言しないことは、国民にとって不幸なことです。アカデミズムやジャーナリズムと国家権力の関係についてもっと議論が必要です。
■勇気ある個人の出現
ところで、今回の事件では、アカデミズム、ジャーナリズムの何れにも明るい兆しもありました。それは、国立感染症研究所 感染症情報センター長の岡部信彦氏や現職の医系技官である木村盛世氏が検疫体制の問題点を個人として訴えたことです。一部のメディアが問題の本質に気づいたのは、彼らの発言があったからです。体制内のしがらみ、そして人事での報復を恐れず、科学的な正しさを主張したことに対し、心から敬意を払います。
特に、木村盛世氏は新型インフルエンザが問題となる以前の、本年3月に『厚生労働省崩壊 「天然痘テロ」に日本が襲われる日』(講談社)を出版し、検疫体制の問題点を予言していました。この予言は、今回の新型インフルエンザ騒動でほぼ適中しています。しかしながら、著書のタイトルが刺激的であったためか、関係者の反応はエキセントリックで、AMAZONの書評には多くの中傷が記載されました。これを読んだ、読者の感想は以下です。「危機感と感動と様々な感情が交錯する中星1つの個人攻撃とも思えるレビューをみて 怒りを通り越して違和感を感じた。おそらくこのレビューをした人は厚生労働省の中でぬくぬくと天下りを夢見ている一人なのであろう。」
ジャーナリズムについては、厚労省発表を受け売りする全国紙を尻目に、週刊誌が独自の記事を出し続けています。週刊朝日、週刊文春のようなやや固い雑誌から、プレイボーイやフライデーに至るまで、その記載は全国紙より遙かに的を得ています。新聞と週刊誌がチェック&バランスの関係であることがわかります。また、週刊誌が正確な医療記事を書けば、国民の医療リテラシーは大きく向上することが期待できます。
■今後、必要な対策
新型インフルエンザの蔓延が目前に迫った現在、私たちがとるべき対策は何でしょうか?
私は大きく分けて4つだと考えています。それは、患者への情報提供(啓蒙)、専門家への情報公開、国内医療機関の体制整備、検疫法・行動計画の改定です。今回は、「検疫法・行動計画の改定」以外の3つを考えましょう。
■患者への情報提供(啓蒙)
新型インフルエンザから身を守るには、感染予防についての正確な知識を身につけなければなりません。現在、厚労省は、マスク・手洗い・うがいの励行、不要な外出の回避などを推奨しています。
( http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_what.html )
しかしながら、マスク・手洗い・うがいも、なかなか奥が深く、きちんとするのは大変です。
例えば、マスクは使い方次第で凶器にもなります。もし、新型インフルエンザに感染した人が、自分のマスクを触った手で周囲のものに触れたり、握手したりすると、大量のインフルエンザウイルスが飛散しかねません。本来、マスクは「汚染物」として扱うべきなのですが、国民の間に周知徹底されていません。よく、ポケットから使い古しのマスクを出す人がいますが、あの行為はかなり危険なものと認識すべきでしょう。
手洗い・うがいは、しばしばセットで推奨されますが、実は感染予防の有効性がはっきりしているのは手洗いだけです。うがいの効果は研究によって異なります。極端に言えば、インフルエンザ蔓延を防ぐためは手洗いを徹底するだけでも、かなりの効果が期待できます。
では、このような情報を、どのようにして国民に伝えるべきでしょうか? 厚労省は、今回の騒動で県への通知や自らのHP
( http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_what.html )
などで呼びかけましたが、どの程度の国民にリーチできたかは不明です。おそらく、多くの国民は厚労省や自治体のHPなど見ないでしょう。本気で、国民への情報提供を考えるなら、テレビCMや新聞の一面広告を活用すべきです。しかしながら、そのためにはお金がかかります。
厚労省は新型インフルエンザ対策予算を確保し、広報に重点を置くべきです。オバマ大統領は1000億円以上の予算を議会に求めたのに対し、麻生総理は特別な予算措置をしていません。これが、厚労省や医療現場の手足を縛り、選択肢を狭めています。
■専門家への情報公開体制
新型インフルエンザ対策の基本は正確な状況把握です。そのためには、国民と官庁・専門家が情報を共有する事が必須です。しかしながら、これに関しても心許ない状況です。
例えば、国立感染症研究所の感染症情報センターのHP
( http://idsc.nih.go.jp/index-j.html )には国内の感染症情報が集約されていますが、5月19日現在、新型インフルエンザに関する疫学情報(どの地区で、どのような症状の患者が何人くらい発症したか)は一切記載されていません。厚生労働省も「新型インフルエンザ対策関連情報」
( http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html )というHPを立ち上げていますが、この中にも記載はありません。このような状況はWHOのHPがリアルタイムに更新されるのとは対照的です。
( http://www.who.int/csr/don/2009_05_18/en/index.html )
新型インフルエンザを診断した保健所や医療機関は厚労省への届け出が義務化されていますから、新型インフルエンザに関する情報は厚労省に集約されています。しかしながら、厚労省は、このような情報を一切公開していません。聞くところによれば、国立感染症研究所の感染症情報センターにすら伝えていないようです。厚労省は医療現場に大きな負担をかけながら情報を集めても、何ら活用することなく、省内に積んでいるだけのようです。これでは、対策が後手に回るのは当然です。
■国内医療機関の体制整備
前回の配信で、国内医療機関の体制整備が急務であることを訴えました。この問題は様々なメディアでも議論されていますが、厚労省は「地域の医療体制の整備は都道府県の役割であり、国としての補助は考えていない」という従来の方針を変更していません。勿論、現状把握のための調査研究も行っていません。
腰の重い厚労省に痺れを切らしたのか、朝日新聞は地域の医療体制に関する独自調査を行い、5月18日朝刊の1面で公表しました。その結果は驚くべきもので、東海3県の40%以上の病院が陰圧病床や隔離病棟を持っていませんでした。これでは、新型インフルエンザの流行が本格化すれば、病院は院内感染の巣窟となり、多数の死者が出ます。
多くの病院経営者は最悪の事態を避けるべく、病院の体制整備に努めています。しかしながら、大部分の病院は赤字経営で、公的資金の投入なしには実効性のある対策はとれそうにありません。厚労省は、発熱外来の設置などの通知を濫発していますが、発熱外来を作っても、予算措置がなければ機能しません。医療現場が求めているのは、通知ではなく、予算措置なのです。しかしながら、補正予算編成では、この問題は十分に取り上げられず、解決の目処はたっていません。
次回、検疫法と行動計画の見直しについて考えてみたいと思います。
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●参考投稿(@阿修羅掲示板)
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★上昌広・東大准教授のコメント
「例えば、マスクは使い方次第で凶器にもなります。」
に関連する情報
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【マスク着用だけではインフルエンザ予防はできない(使い方を誤るとむしろ危険)】
インフルエンザ予防とマスク着用の諸問題
http://www.asyura2.com/09/gm15/msg/114.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 4 月 26 日 09:01:47
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ゴールデンウィーク開けの海外帰国ラッシュ時に
日本政府とその宣伝装置たるマスゴミは、
成田空港での物々しい「検疫」儀式を、まるで
神聖なる宗教行事のような調子で宣伝流布していたものである。
だが数日で、この「悪魔払い」の宗教儀式が、科学性を無視した
ファナティックな官製オナニーだったことが露呈した。
新聞はこう報じたのだった。
「新型インフルエンザ:国内初感染 一部乗客が入国 水際留め置き間に合わず」
(毎日新聞 2009年5月9日 東京夕刊)
その日、阿呆総理・および舛誤添厚相、そして成田空港地元の漏れた献作
千葉県知事はそれぞれ、こう宣っていた。その後のことはご存知のとおり……
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、z=ニ三三ニヽ、 阿呆総理
,,{{彡ニ三ニ三ニミヽ
}仆ソ'`´''ーー'''""`ヾミi
lミ{ ニ == 二 lミ| ___________
. {ミ| , =、、 ,.=-、 ljハ /
{t! ィ・= r・=, !3l < 水際でちゃんと捕捉できたぜ
`!、 , イ_ _ヘ l‐' \___________
Y { r=、__ ` j ハ─
r‐、 /)へ、`ニニ´ .イ /ヽ
} i/ //) `ー‐´‐rく |ヽ
l / / /〉、_\_ト、」ヽ!
/| ' /) | \ | \
___
/ノ" ̄ ̄\
ミ( ミ _________________
ミミ "\ /" ミ /
(6Y  ゚̄ |゚ ̄ |) < 水際で止めたことは確かだろ。評価しろや。
ヒ| ^^ ノ \_________________
丶 、/\ /
/|\__/
/ |/只\|\
舛誤添厚相
彡彡》》》》》
彡彡彡彡彡彡彡彡》》》
彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡巛巛》》
彡彡彡彡 巛》》》》
彡彡 巛》》》
彡彡 彡彡 ≡≡ 》》》》
彡彡 》》》
彡彡 》》
彡彡 \ / 》
へミミ 《 ●》 ) ( 《●》 |へ
( | / ヽ | | _________
( | ( ∞ ) | | /
( │ / ‖ ヽ | | / 水際対策はちゃんと
( │ / ヽ |丿 < 機能してるってことだ!
( | ==二=≡ | \ おれは嘘つかないよ!
\| / \_________
|\__《_____》/
| |
/ |\ /| \__
〆 | \ / |
漏れた献作・千葉県知事
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(注記:舛添の「舛」という字は、本来「背をそむける」「そむく」という意味で、
「セン」と音読みする。これを「ます」と読むのは漢字の意味や
成り立ちを無視した、本来の意味に「そむいた」日本独特の習慣
である。舛訛〔せんか〕も舛誤〔せんご〕も「誤り・間違い」を意味する。)
麻生総理や成田空港地元の森田健作千葉県知事や文科省が
「水際対策は万全」「それ以上の対策必要なし」などと
詐欺的な気休めホラを吹きまくり、国内感染爆発への対策を
むしろ阻害していたことを忘れるな!
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【WHOや感染研は「水際」突破に危機感、だがバカ日本政府は慢心】 新型インフル WHO「水際」に疑問 潜伏患者見逃す恐れ
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/442.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 09 日 20:38:20
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【「水際阻止が成功」とオナニー発表してるバカ日本政府の危機!】 水際作戦すでに限界、新型インフル国内流行対策へ
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/447.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 10 日 13:28:17
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【政府「水際対策成功」詐欺が破綻】 <新型インフル>日本の不適切な対応は不満=アジアに蔓延なら責任は日本に―台湾メディア
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/468.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 11 日 13:34:32
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【政府「水際対策成功」詐欺の破綻露呈】水際対策の「壁」破られる、検疫やはり限界も/<新型インフル>国内感染8人に
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/531.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 16 日 23:16:43
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【自慰民党政府「水際対策成功」詐欺がもたらした惨害】新型インフル大感染 大阪は100人に症状…初の国内発生から一気に8人
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/534.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 17 日 09:06:49
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【「早期に適切な治療を受ければぁ〜恐れることぁ〜ない!」w】民放各局で冷静対応呼び掛けるCM/新型インフル
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/628.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 19 日 00:27:44
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【舛誤添・厚労相の気休め発表がぶっ飛んだ】 「季節性と同じでない」=成人に重症例、死者も−感染拡大続く・押谷東北大教授
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/697.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 20 日 20:55:30
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【“口先だけの防疫対策”が次々と破綻して開き直る政府・厚労省w】 屋外でのマスクは不要=厚労省(時事通信)
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/746.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 22 日 02:45:34
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日本といっしょにWHO「フェイズ6」警戒度引き上げに反対していた英国でも、防疫戦術の破綻が露呈した(AP通信)
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/748.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 22 日 04:22:12
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【遅すぎ!マスゴミも今さら「水際対策」詐欺の破綻を報じだしたぞw】 インフルの水際対策に「穴」 検疫偏重に批判も
http://www.asyura2.com/09/buta01/msg/764.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 22 日 15:12:34
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