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【人獣共通感染症の観点から冷静に科学的に対処せよ!】北大・喜田教授「季節性インフルにも新型同様の対策を」:新型インフル
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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090526-OYT1T00790.htm
北大・喜田教授「季節性インフルにも新型同様の対策を」
新型インフル
(2009年5月26日17時56分 読売新聞)
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)への対処方針見直しなどが進む中、北海道大の喜田宏教授(獣医微生物学)が22日、読売新聞東京本社内で講演した。
この疾患が鳥類、哺乳類などに共通する「人獣共通感染症」だという広い視点に立って冷静に対処することの大切さを説き、「新型への対策と同時に、季節性インフルエンザにも同等の予防、治療対策を導入すべきだ」と述べた。
従来の季節性インフルエンザでも毎年、多数の死者が出ていることを踏まえての指摘で、同時に鳥インフルエンザウイルスの遺伝子変異を監視するため、変異を起こすブタ体内のウイルス検査を強化すべきだと呼びかけた。
講演の中で、喜田教授は、インフルエンザは鳥類、哺乳類共通の疾患で、ウイルスの保管庫は北極圏に近いカモ類の営巣地。カモの体内で増殖したウイルスが、渡り鳥と一緒に世界各地に散布される、という、地球の生態系と密接にかかわった疾患であることを説明した。
今回の新型ウイルスは現時点では病原性が弱く、軽症で回復する患者が多いが、ヒトの間で感染を繰り返すうちに、増殖力が強くて病原性の高いウイルスが生き残る可能性があると指摘した。また、1918年に大流行した当時の新型インフルエンザ「スペインかぜ」では4000万人以上が亡くなったが、「死因の追跡調査では、肺炎など細菌による二次感染が原因で、ウイルスそのものが死因ではない。同じように病原性の強い新型が発生しても、衛生環境が改善し、抗ウイルス薬も普及している現代では、同じ事態にはならない」との見方を示した。
一方、季節性インフルエンザの死者は、国内で毎年1万〜2万人、全世界では25万〜50万人とされる。「今回の混乱を見ていると<新型>という言葉のマジックにかけられている印象が強いが、新型だけを特別視するのではなく、犠牲者の多い季節性への対処法の充実が大事だ」と語った。
具体的には、ウイルス全体を入れた「全粒子ワクチン」による予防強化を提示した。全粒子ワクチンは1971年まで使われていたが、副作用が問題となり、現在は安全性が高いHAワクチンが使用されている。しかしウイルスを除外したワクチンの効果には疑問が示されており、喜田教授は「ワクチンのメリットとデメリットを冷静に判断する時期に来ている」と、より効果的なワクチン準備の重要性を説いた。
喜田教授はさらに、現在ベトナム、インドネシア、中国などで発生がやまない鳥インフルエンザ(H5N1)への警戒を強調した。アジアを中心に鳥インフルエンザの死亡者が出ているが、現在の感染者は、鳥ウイルスを受け入れる受容体(レセプター)を持つ、限られた体質の人ばかりで、多くの人は感染リスクが低いと説明。ただ、このウイルスが世界各地にまき散らされ、ブタの体内で遺伝子再集合を起こすと、ヒトに病原性を持つ新型ウイルスが登場する恐れがあると指摘、予防には、ブタの体内のウイルスを継続的に観察することが大切だと述べた。
(2009年5月26日17時56分 読売新聞)
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