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2009/5/12 16:56
http://netallica.yahoo.co.jp/news/77587
米国から成田空港経由で中国・北京に到着した中国人男性に新型インフルエンザ感染が確認されたことで、厚生労働省は同乗して帰国した人たちの健康状態を注視している。国内で初感染した大阪の府立高校の生徒らと同乗した乗客らは、いまも成田のホテルに“軟禁”されているにもかかわらず、中国人男性と同乗した乗客は帰宅しているというのは腑に落ちないが、水際対策にはこうした矛盾や“抜け道”がいくつかある。そのひとつが迂回ルートの存在だ。
迂回ルートとは、日本−北米間を直行便ではなくソウル、台北、北京、上海といった近場の都市で乗り換えて向かうもの。今月、米国から上海経由で帰国した男性は「こんないい加減な質問票でいいのかと思った」と驚き混じりに話す。
現在、すべての乗客は「健康状態質問票」の提出が義務付けられているが、質問票には航空機の出発地別に「北米」と「それ以外の国」の2種類が存在する。
「北米版」は詳しい発熱の程度から座席番号まで長々と記入欄がある。そのうえ、1人1人を機内検疫で入念に確認するが、「それ以外版」は「10日前までにメキシコ、米国、カナダに滞在しましたか」など、簡単な3つの質問に「はい」「いいえ」をチェックして連絡先と署名を書くのみ。機内検疫はない。
【水際対策は限界】
空港出口では到着客をサーモグラフィーで検査するが、「発熱していても往々にしてすり抜ける。気休め程度」(専門医)。また質問票も「税関申告書並みにざっと目を通すだけ。けっこう、あっさりしていたのが印象的」(ソウルから帰国した女性)と、北米便に比べると明らかにユルい。実際には、「それ以外」の便にも北米から乗り継いだ乗客が含まれており、その数は「ソウル便で、乗客の1割」(航空会社関係者)という。
「成田では中国・台湾経由は少ないが、ソウル経由の北米便はそこそこ予約がある。大韓航空は成田−ロス直行便もあるが、片道だけソウル経由の予約もよくある」(大手旅行会社幹部)。航空アナリストの杉浦一機氏は「西日本では、成田で乗り換えるよりもソウルや台北経由の方がはるかに早くて安い場合がある。旅行通はそれを承知している」と指摘する。
特に関西国際空港は近年、北米路線の撤退が著しいことから経由便は旅慣れた人たちから注目されている。同空港によると1998年夏に8都市に週80便あった北米直行便は現在、2都市10便まで減少。「関空はビジネスクラスの乗客が少ないため、航空会社は長距離路線から次々に撤退してきた」(杉浦氏)といい、手ごろな航空券は成田経由か、第3国経由のいずれか。今回、成田で初感染が確認された高校生たちが大阪出身だったのが象徴的な例だ。
成田空港検疫所の藤井充所長は11日の会見で「さらに検疫の対象が増えた場合、どう対応するか難しい課題」と語っており、水際対策はもはや限界になりつつある。