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5月1日1時29分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090501-00000507-san-pol
新型インフルエンザの拡大が衆院選に影響する可能性が出てきた。
パンデミック(世界的大流行)になれば、集会や人の移動を厳しく制限する必要がある。選挙のための講演会や街頭演説、投票所が感染を広げる恐れがあり「解散・総選挙どころではなくなる」(自民党幹部)というわけだ。
政府は30日、衆院選の実施方法を含めた対応策の検討に入った。
河村建夫官房長官は同日の記者会見で「パンデミック状態になると集会などを自粛してもらわねばならず、現実には選挙運動ができない」と述べ、麻生太郎首相の解散・総選挙の決断に影響が出るとの見方を示した。政府高官も「状況によって(選挙が先送りされる)可能性はあるだろう」と述べた。
新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)は現在、パンデミック1つ手前の「5」まで引き上げられている。
また、政府の「新型インフルエンザ対策ガイドライン」では、国内感染が発生した場合にはパンデミック以前でも「人が多く集まる集会や催し物は可能な限り延期することが必要」と定めている。この場合、選挙をどうするかも首相の判断となる。
政府は衆院選や、都議選など地方選について、内閣官房の官房副長官補室などで「最悪の場合には(任期満了以降への)衆院選先送りも視野」(政府筋)に入れた対応の検討を始めた。
現行の公職選挙法第57条は「天災その他避けることのできない事故」がある場合には「繰延(くりのべ)投票」ができるとしている。さまざまな条件が付くが、衆院選公示後にパンデミックになった際や、衆院議員の任期満了(9月10日)以降も短期間に限って選挙を行わない繰り延べもあり得る。
平成7年1月の阪神大震災の際には、この規定を使って、同年4月に任期満了だった兵庫県議らの任期を2カ月延長し、選挙を遅らせた例がある。ただ、衆院選の中止や日程の大幅変更をした前例はない。
兵庫県議のケースは任期を延長したが、衆院議員の任期は憲法第45条で定められており、任期延長は憲法改正が必要で不可能だ。このため国会議員が衆院解散時と同様、一時的に参院議員だけになる可能性もある。
ただ、参院は野党が多数を占めており、政府・与党としては苦しいところだ。大日本帝国憲法下の昭和16年には1年間の任期延長の法律を制定し、衆院選が翌年へ延期された例もあるが、現状では憲法違反となる。
与党内にも新型インフルエンザの波紋が広がっている。医師で元厚労相の坂口力公明党副代表は30日、「国内で(流行が)発生すれば、政局に影響をあたえかねない」と述べた。自民党の古賀誠選対委員長も古賀派の会合で、「インフルエンザ(の流行)が終わるまで解散はないかもしれませんね。国民みんなが(拡大防止のために)籠城(ろうじょう)しちゃったら…」と語った。