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新型インフル警戒レベル「5」に上げ…WHO【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090430-OYT1T00448.htm
新型インフル
WHO本部で新型インフルエンザ警戒レベル引き上げの記者会見を行うマーガレット・チャン事務局長=AP
【ジュネーブ=金子亨】
世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は29日夜(日本時間30日朝)、緊急記者会見を開き、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染拡大を受けて警戒レベルを「フェーズ4」から世界的大流行(パンデミック)の一歩手前を意味する「フェーズ5」に引き上げると発表した。
感染が確認されたり疑いがあるのは30日、メキシコや米国をはじめ34か国・地域に広がっており、大流行に向かう流れがいっそう強まったと判断、警戒レベルを上げて各国に対策強化を求めることにした。
チャン事務局長は「ウイルスは変異を起こしやすく、性質は予測がつかない」と述べ、今後、感染力や毒性が強まる可能性を警告。
記者会見に同席したケイジ・フクダ事務局長補代理も、世界的大流行を認定する最高レベルの「フェーズ6」にいつ移行しても不思議でないとの見方を示した。
WHOは27日に警戒レベルを「フェーズ3」から「フェーズ4」に上げたばかり。チャン事務局長は、わずか2日で「フェーズ5」への再引き上げを決断した理由について、メキシコに加え、米国でも人から人への感染が持続的に起きていることが確認され、条件が満たされたためと説明した。
事務局長は、各国政府に警戒態勢の一段の強化を求める一方、
〈1〉ビジネス、サービス、人の移動を止めるような勧告をしない
〈2〉十分に調理した豚肉は食べても安全だ
――などとして、経済や消費活動に影響が出る過剰反応を慎むよう促した。
新型インフルエンザにかかってもメキシコ以外ではほとんど死に至らずに回復していることから、現段階ではウイルスは「弱毒性」の可能性が強い。
WHOが渡航制限などに慎重な背景には、「強毒性」鳥インフルエンザを前提に設けられた警戒レベルに基づく対応措置の画一的な適用は不要との判断もある。
(2009年4月30日11時35分 読売新聞)