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ベートーベンの交響曲第一番は「獅子の爪」、第九番は「巨大なモニュメント」
/朝比奈隆
≪交響曲第一番ハ単調〜ただごとでない巨大感≫
朝比奈 「獅子の爪」って知ってますか(ヨーロッパの諺)。ライオンぐらいの
動物にはざらにいるけれども、爪が違うというんです。凄いんですってね。草
むらの中から前足を出していて、それでガッとやられたらもう逃げられない。
この「一番のシンフォニー」はその獅子の爪だというわけです。これを見て、
これから先のものが獅子だと思わないようなやつは獅子に食われた仕舞う。
東条 面白いたとえですね。これはまぎれもなくベートーベンである、ということでしょうね。
朝比奈 その時代から抜きん出た、何か巨大なものをはじめから持っている。
…僕は青年時代に恩師のメッテル先生からそう言われて、今でも覚えています。
≪交響曲第九番ニ単調〜巨大なモニュメント≫
東条 昭和11年に京都大学のオーケストラがこの曲を関西で初めて演奏した
時に、先生はそのメンバーとしてヴァイオリンを弾いていらっしゃったようで
すね。
朝比奈 そうなんです。私の師匠が棒を振って、京大のオーケストラというこ
とでしたけれども、プレイヤーとしては音楽学校の教師から何から集められる
だけのプレイヤーをかき集めて、まあ全関西フィルハーモニーみたいなもので
した。…私が28歳の時で、先生からオーケストラを全部、お前がまとめろと
言われまして、管も弦も全部まとめて、京都は宝塚劇場でやって、大阪は朝日
会館。当時唯一のホールです。それが済んだ時には、何とも言えない思いで、
舞台の上で声をあげて泣きましたな。若かったから…。
【出展】
「朝比奈隆ベートーベンの交響曲を語る」朝比奈隆+東条ひろ夫
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