http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/871.html
Tweet |
亡骸(なきがら)となった山岡鉄舟はその顔に微笑を含み、団扇を手にし、端然と足を組んで座って(結跏趺坐)いるので…
≪サムライの最後≫
山岡鉄舟は夜具にもたれ、三遊亭円朝の落語を終始微笑を含んで聞いていた。夜具にもたれたままの格好で一夜を過ごし、明け方に千葉立造(医者)に向かって声をかけた。鉄舟は静に身を起こし夜具を離れ、…右手を差し出した。千葉はその意を察し、そばにあった団扇を渡す。鉄舟は団扇を手にし、目をつぶったままで、その柄で左の掌に何かを書いていたが、急に呼吸が迫ってきた…永遠の眠りについた。享年53歳。
亡骸(なきがら)となったにもかかわらず、鉄舟はその顔に微笑を含み、団扇を手にし、端然と足を組んで座って(結跏趺坐)いるので、弔問に訪れた者は、皆、その死を疑った。そもそも鉄舟は病(胃癌)を得てから後、一度も苦痛を訴えたことはなく、常に微笑を含んでいた。
死去の報が伝わるや、上は王侯貴族から下は乞食に至る種々雑多な弔問客が押し合い圧し合い出入りする。葬儀後、墓地への会葬者は約5千人に及んだ。
【出展】
「最後のサムライ山岡鉄舟」平井間正修/教育評論社‘07年
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。