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(レビュー)
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第14番
ラトル(サイモン) | 形式: CD
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5つ星のうち 5.0
ショスタコーヴィチの交響曲第14番のロシア語版の名演, 2006/8/9
By 西岡昌紀 -(2006年8月9日)
素晴らしいCDである。−−私は、永く、ショスタコーヴィチの交響曲第14番は、ロシア語版ではなく、原詩版でなければ駄目だと思って居た。即ち、この曲(ショスタコーヴィチの交響曲第14番)は、ガルシア=ロルカの詩はスペイン語で、アポリネールはフランス語で、そして、リルケはドイツ語で歌はれる原詩版でなければ駄目で、全ての詩をロシア語で歌ふロシア語版は、音楽的に劣ると思って居た。それは、実際、原詩版の演奏の方が良い演奏が多く、ロシア語版による演奏には、常に失望させられて来たからである。しかし、このCDを聴いて、私のこの思ひ込みは必ずしも正しくなかった事を痛感した。−−サイモン・ラトルは、例えばショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番での指揮振りを聴いても分かるが、ショスタコーヴィチの後期の作品の指揮に卓越した物を持って居る様である。そのサイモン・ラトルとベルリン・フィルならではの名演と言ふべきなのだろう。
ショスタコーヴィチの交響曲第14番は、彼の最高傑作の一つである。それにも関わらず、近年のショスタコーヴィチ・ブームの中に在ってすら、何故か演奏される機会が少ないこの交響曲の真価を伝えるこのCDを、特に、この曲の素晴らしさをまだ知らない人々にお薦めする。
(西岡昌紀・内科医/ショスタコーヴィチの命日に)
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