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(回答先: 藤沢遊行寺で遊行かぶき『さんせう太夫』を観る 日日是好日 投稿者 愚民党 日時 2011 年 9 月 13 日 16:55:21)
日日是好日
一歩前へ
http://ameblo.jp/hikaenochou/entry-10645890884.html
2010-09-11 22:43:06
藤沢遊行寺で遊行かぶき『さんせう太夫』を観る
今日は、藤沢遊行寺の本堂で行われた
遊行かぶき『さんせう太夫』を観にいってきました。
このお寺は、時宗の総本山、一遍上人を宗祖としています。
一遍上人や時宗総本山遊行寺については、ちょっとおいて、
まずは、今日観た遊行かぶき公演の様子と感想なんですけどね。
昨年11月に前進座公演『さんしょう太夫』を観ましたが、その時は
公会堂という広い舞台で、劇中太鼓や銅鐸、ささらやびんざさらのような
竹や木片の音が効果音で端正な役者のせりふを盛り立てていたんですけど
今日は、お寺の本堂に作られた仮設舞台で狭い空間ですし、現代的な音楽や舞踏
が加わってアングラ的な雰囲気濃厚な舞台に感じました。
http://ameblo.jp/hikaenochou/entry-10645890884.html
もともと文盲の庶民が語り伝えたという物語『さんせう太夫』
中世、人の多く集まる社寺の前など街頭で、庶民相手に成立した節談説教となった。
サブタイトルに「母恋い地獄めぐり」とあるように、この世の地獄とも言える母子の別れと
姉安寿とその弟づし王の過酷な労働と試練。
印象的なのは、二つ。
一つは、舞台中央の本堂の入口を開けて、づし王車に引かれて登場する場面や、
死んだ姉が白装束に身を包んで出てくるシーン。
本堂という空間を逆にうまく使った演出ですね。
もう一つは、国司となったづし王が、子供三郎の手で、山椒大夫の首を引かせ復讐
を果たす場面。
みづからの栄達など全く無視して、姉や母の復讐を果たそうとする
筋書きは、づし王という若き国司を通して、民衆の虐げられた苦しみ、この世の
地獄のような世界を支配する権力に対する怨念そのものといってもいいものでしょう。
母と慕ってこの世の地獄をさまよう雰囲気は、人買いの山岡太夫とづし王をかくまう
聖の二役を見事に演じた個性的な演技者(舞踏グループ開座の男優)も強烈な印象がありましたね。
そしてヒロイン安寿は、この劇団「遊行舎」の看板女優と紹介されていましたが、声よし、顔よし、踊り
よしで良かったですね。
寺山修司の演劇を引き継いでいる劇団「万有引力」のづし王の子供時代を演じた女優、
そして舞踏グループ「開座」の舞踏もこの芝居の「かぶき」的雰囲気をつくっていたと思いました。
途中で胸が詰まって涙が出そうだったと帰り道、感想を述べていたら、同行の者が、目を丸くして
驚いたように、私の顔を見ていました。
お寺の本堂の周囲はすでに真っ暗になっていましたがその闇夜にふさわしい世界が
演じられて、母と子、姉と弟、その情愛を深く深く、自分たちの日常を省みて、味わう
時になりました。
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