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株式日記と経済展望
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英語至上主義に対して、すべての多様な文化をそのまま尊重することが、
これからのグローバル時代に本当に求められることではないのか。
2011年1月6日
◆「英語を公用語化」する企業はグローバルを履き違えている。必要なのは多言語化 2010年6月30日 松永英明
http://www.kotono8.com/2010/06/30multilingual.html
ユニクロが社内の公用語を英語にするという決定を下した。これは、ゴーン社長就任以来公用語が英語となった日産、先日英語化を決定した楽天に続く流れである。おそらく、「世界市場での損失をなくすためには英語が必須」と考えて、英語公用語化を進める流れに追随する企業はこれからも出てくるだろう。
しかし、わたしはこれに異義を唱える。「英語=グローバル対応」というのは、グローバル化を理解していない。「英米ローカル=グローバル、他文化ローカル=ガラパゴス」という勘違いがその根底にある。わたしなら「できるだけ多様な第二(・第三)言語」の習得を強力に進める。「英語化」ではなく「多言語化」を強く主張する。
三木谷社長が「ガラパゴス状態から脱して、多様化しないと」と発言するのは、パッと見たところまったく意味が理解できなかった。多様化するといいながら、英語化(「世界標準」化)すると言っているのである。おかしいじゃないか。
おそらく、三木谷社長は、「日本独自規格」だけにとらわれるのではなく、外部のものも取り入れよう、そうでないと世界から「取り残される」と言いたいのだと思う。「国境や国という概念が大きく変わっている」という点については、わたしもいまどきネーションなどという弊害だらけの枠組みにとらわれることなく、そんな枠組みを無視した世界的規模でものごとを見る必要があると考えている。
だからこそ、それは「英米スタンダード」によるグローバルであってはならない。ガラパゴス化を批判してグローバル化を唱える人たちが陥りやすい罠は、英米というローカルをグローバル、その他のローカル文化をガラパゴスと考えることである。結局は明治維新後や終戦後に見られた「英米文化至上主義」に陥っているにすぎない。
三木谷社長が「多様化」と言うとき、そこにiPhoneやiPadやKindleといった英語圏の文化・製品・システムは想定していても、ロシアやドイツやノルウェーやスペインやイタリアやチェコや台湾やシンガポールやブラジルやイランやキルギスやペルーやメキシコやマケドニアやブータンやインドネシアのことは想定していない。多様化というのはそういうことじゃないのか? 三木谷グローバリゼーションとは、単に英米スタンダードに合わせようというだけじゃないのか?
単一の英語至上主義に対して、すべての多様な文化をそのまま尊重することが、これからボーダーレス・グローバル時代に本当に求められることではないのか。
つまり、英語、中国語、ヒンディー語、スペイン語、フランス語、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語、ベンガル語、ポルトガル語、インドネシア語(マレー語)、ドイツ語、そして日本語を話せる人がいれば、世界人口の3分の2くらいはカバーできるかな、ということである。日本語含めてこれで13カ国語である。
英語だけに目を向け、英語が話せる相手だけを「世界」と見誤っている似非グローバリズム(英米至上主義)では取りこぼす市場を、この言語リストからだけでも見いだすことができるだろう。
「欧米は進んでいる、遅れた地域から学ぶことなどない」(亡父は実際にこう言ったことがある)というのだとしても、なぜ英語なのか。フランス語やドイツ語やイタリア語、あるいはラテンアメリカにも通用するスペイン語やポルトガル語は無視していいのか。
「世界」まで広げなくても、「東アジア」市場を見るだけでも、大陸中国の「普通話」と台湾の「国語」(これは似ているのでどちらかやればある程度通用する)、それから「広東語」(広東・香港市場はこちら)は必須である。もし余裕があれば「台湾語」(台湾の国語=中国語と台湾語はかなり違う)も押さえておくと幅が広がるだろう。これでシンガポールの華人圏にも通用する。モンゴル語やチベット語、ウイグル語も、そういう商圏を狙うなら欠かせない。
英語をやらないと世界に取り残される、英語、英語......と言っている人たちは、実は視野が狭いのである。
社員の側からしても、英語を習得するために必死になるということは、他の言語などやっているヒマはないということだ。そして、日本ガラパゴスから英米ガラパゴスという、やや広い島へ移動しただけにすぎない。
仮に楽天で「母語(多くの場合日本語)以外の第二言語取得を必須」とするなら、こういうイメージができる。楽天社員数は約6000人。先ほどのリスト13カ国語から日本語を抜いて12カ国語。半分の3000人が第二言語として英語を習得するとし、1000人には中国語(普通話・国語)と広東語を振り分けよう。残り2000人を10カ国語で分ければ、平均して200人がそれぞれの言語を学ぶことになる。これだけの人材があれば、本当の意味でのグローバル対応を強力に進めることができるのではないか。
仮に楽天インディアを展開するとして、ヒンディー語もベンガル語もわからない、英語だったらいくらでもできますが、というのは致命的であるとわたしは思う。
そして、日本語以外の言葉がネイティブという社員がいたら、「日本語」を必須にすればよい。わたしは「国語」という枠にとらわれない、国際語としての日本語化を進めることをためらわない。Basic Englishのように「かんたんにほんご」を世界での共通日本語として用いてもよいはずだ。ガラパゴスで特殊な進化を遂げた日本語が、世界で共通して用いられる言葉の候補に挙げられたってよいだろう。英語化しなければグローバル対応できない、というのは詭弁なのである。そして、それは言葉だけの問題ではないと思う。
小飼氏は上司(社長)が最も英語力が高くなければだめだ、と言う。合理主義者としての立場からの弾言として、これもまた検討するに値するだろう。
上記3氏の意見にはいずれも賛同するが、わたしの提言は趣旨が異なる。わたしの論点は「本当にグローバル化・多様化を目指すなら、英語一本化はおかしいだろう」というところにある。
英語が事実上の共通語として実際的だという意見もあるが、英語を母語としない人たちの思考を見失うという点で、英語一本化はおかしいと考えている。
もちろん、この文章は決して、英語をやるなとは言っていない。英語「だけではだめ」と言っているのだ。
「無理に決まってんだろ近代稀にみるバカ」とはわたしが受けた罵倒語の中でも近代稀に見る大げさな罵声であるが、それはともかく「最低限英語」というのは二つの意味で誤っている。
まず一点、英語以外の言語を学ぶことが「無理に決まってんだろ」というのは理解できない。大学の「第二外国語」は何なのか。楽天に入るくらいの優秀な大卒社員なら、独仏中露西あたりの中からどれか一つくらいは学んだはずである。それに、わたしの提案では「英語ではなくフランス語」でもまったくかまわないのだ(センター試験であえてフランス語等を選ぶ受験生もいる)。わたし自身は、話せはしないが大学で(程度の差はあれ)英中独露韓・ビルマ語・ラテン語・古典ギリシャ語・ペルシャ語・チャガタイトルコ語・シュメール語の授業を受け、アイリッシュゲール語・パーリ語・サンスクリット語を独学した。英語以外の言語を何か一つ学ぶ、というのが「無理に決まって」るとは思えない。それがバカだというならバカでいい。
つまり、英語以外は必須ではない。ところが、三木谷氏が個人的に中国語に注目していること自体、(少なくとも長期的には)英語の人だけではいけないということを裏付けているといえる。
また、今回の話は「企業での公用語化」についての意見なのだから、「いろんな言葉の人がいるから英語が一番つぶしがきく」という意見も成り立たない。それぞれの言葉に対応した担当者を連れて行けばいいだけの話だからだ。
あと、「最低限の英語すら難しいのに」という声があるが、英語が一番易しいというのは幻想。不規則変化が多すぎるので、実は英語は覚えにくい言語であるとも言える。
(私のコメント)
13年以上前のインターネット環境はまだスカスカの世界であり、日本語のウエブサイトを開いている人はごくわずかであり、今では著名人になっている人ウェブサイトにメールを出しても返事をいただけた。当時の「株式日記」を見ても4,5行のメモみたいな日記でしたが、グーグルも無かったからYAHOOのリンクが頼りでしたが、読むべきものは少なかった。
今では書きたいものが決まるとグーグルで検索すればたくさん関連記事を読むことが出来ますが、13年前はそれが出来なかった。私自身の情報発信能力も低く、数行の記事を書くのがやっとだった。現在では一日かけても読みきれないほどのサイトやブログがあり、日本語の情報があふれかえっている。
当時はインターネットの世界といえば英語の世界であり、日本ではパソコン通信のBBSなどを見るのがやっとの世界であり、インターネットといってもパソコン通信の親戚みたいに思っていた。インターネットに接続すること自体が大変な作業であり、ウィンドウズ3.1で始めてカラフルなウェブサイトを見て感激したものだ。
現在でもインターネットの世界は英語が世界標準になっており、英語が分からないと情報の収集もままならない。しかし英語翻訳ソフトを使えばへんてこな日本語であるにしても何とか意味は分かるようになりました。だから英語の情報も入ってくることは出来ますが、日本語の世界から英語の世界発信することが出来ない。英訳ソフトで英語に翻訳してもへんてこな英語の文章になるだけだからだ。それを添削するだけの英語力が私には無い。
これからもインターネットにおいては英語がグローバル言語になっていくのだろうか? 去年はユニクロや楽天が社内の公用語を英語にするとして話題になりましたが、果たしてグローバル化=英語公用語化なのだろうか? 英語を母国語とする人は5億人程度であり決して多くは無い。その他の65億人は英語以外の言葉を話している。
問題はその他の65億人の人が住む国のエリートが米英に留学して英語が出来ることであり、日本のエリートが英語が出来ない人が多いことだ。多くの政治家の息子や経営者の二世たちが米英に留学していますが、英語=グローバル言語と認識しているからだろう。しかし英語が本当にグロ−バル言語なのだろうか? トップクラスのエリート層だけを見ればそのように見える。
しかし英語を公用語とする国でも中低層の国民は英語が話せずビジネスの世界では通用しない。海外旅行などでなら英語が出来れば空港やホテルなどでも英語が通じる。しかしその国でビジネスをするとなると現地語が話せなくてはビジネスにならない事がほとんどだ。韓国のサムスンなどでも社員を早くから派遣して現地語を習得させている。それが本当のグローバル化であり。英語が出来ればすべての国でビジネスが出来るわけではない。
言語のグローバル化とは第二言語をすべて英語に統一すると言う事ではなく、二ヶ国語ぐらいはできるようにするということだろう。日本人なら中国語や韓国語をマスターすれば実用性は高いだろう。逆にユニクロや楽天に勤める外人社員は第二言語を日本語をマスターすれば、仲間の日本人社員とも意思疎通が出来るようになる。
しかしテレビなどの報道を見ても、社内の言語をすべて英語で統一しようといった内容の事が多い。しかしそれでは日本人と中国人が会議するにしても英語を使って会議をしたら意思が伝わらないだろう。ユニクロチャイナが会議するときは中国語で会議をして日本人幹部は中国語で話せばいいだけの話である。
早くからグローバル化したホンダなどは、楽天やユニクロの英語公用語化をばかばかしいと評したが、日本人社員が現地語をマスターして二ヶ国語を使えるようにすればいいだけの話だ。日本人のみならず中国人もタイ人もインドネシア人も英語をマスターすることは非効率だろう。もしユニクロや楽天の社員が北京語や広東語しか出来ない中国人社員に英語で話しかけても、ヒンドゥー語ベンガル語しか出来ないインド人社員に英語で話しかけても得られる結果は最悪だろう。
松永氏も最後に書いていますが、英語は不規則変化が多くて発音もアルファベットの綴り通りではない。フランス語やラテン語から入ってきた単語が多いからそのようになったのでしょう。確かに金融やインターネットの世界では英語の支配は大きいですが、英語がグローバル言語という人には金融関係やIT関係の人が多い。しかし金融もITも産業の一部でしかない。特に楽天の三木谷社長は金融とIT業界だけにそう見えるのだろう。
ユニクロなどは衣料業界だから、必ずしも英語がスタンダードな言語ではない。ファッションは国によって嗜好も異なり、その国でしか分からないような言語と文化の多様性を尊重しなければビジネスに失敗するだろう。だから英語を公用語化すればグローバル化できるというのは幻想に過ぎない。
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